輸送機器

事業概要

航空機および船舶のリースやアセットマネジメントサービス

取り組む社会課題

  • #気候変動/GHG排出削減
  • #生物多様性・環境保全
  • #循環型経済の推進
  • #安全な労働環境

サステナビリティへの取り組み方針

航空事業

  • 航空業界のCO2排出削減に対する社会からの強い要請を認識し、オペレーティング・リース会社として航空会社の排出削減目標を補完します。そのためにも、燃費効率の良い新型機種の保有比率の向上を目指します。
  • SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)分野への投融資を検討します。

船舶事業

  • 自社で所有する船舶は、燃費の改善ができる仕様や環境負荷の低い仕様を基本とします。燃費効率の悪い老齢船の売却とともに、LNG・メタノール・アンモニアなど次世代燃料船の導入を検討します。
  • バイオ燃料や省エネ技術の実証実験や試験航行に向けた協議・検討を進めます。
  • サステナブル・リンク・ローンの取り組みを拡大します。

事業活動と社会課題

目次
  1. 航空機オペレーティング・リースにおける環境配慮
    • #気候変動/GHG排出削減
  2. 船舶投資(自社保有・運航)における環境配慮
    • #気候変動/GHG排出削減
    • #生物多様性・環境保全
  3. 船舶ファイナンス(サステナブル・リンク・ローン)
    • #気候変動/GHG排出削減
  4. 船員の労働環境の整備
    • #循環型経済の推進
    • #安全な労働環境

航空機オペレーティング・リースにおける環境配慮

  • #気候変動/GHG排出削減

オリックスが100%出資するORIX Aviation Systems Limitedでは、自社保有52機に加え、アセットマネジメントサービスで144機を管理しています。また30%出資するAvolon Holdings Limited (Avolon) では自社保有534機のほかに、456機を発注済みです。(数字はいずれも2024年3月末時点)
航空業界に対するCO2排出量削減の社会的な要請は非常に強く、業界全体での削減目標や達成のためのアクションプランが設定されています。多くの航空会社も自前の削減目標を設定するなど対応を進めています。国際航空運送協会(IATA)は「2050年までのCO2排出ゼロ」の目標を2021年10月に採択しました。国際民間航空機関(ICAO)は、2016年に193カ国に対して、CO2排出枠の設定義務を定めるスキームの導入を決議し、2021年から88カ国で運用が開始されています。2027年には、すべての加盟国の航空会社に対してCO2排出枠となる「カーボンクレジット」を購入する義務が課されます。
オペレーティング・リース会社であるオリックスは、航空会社の排出削減目標を補完するためにも、燃費効率の良い新型機種の保有割合を高めていくことが重要と考えています。また、排出削減には代替燃料であるSAF(Sustainable Aviation Fuel:化石燃料以外の原料から製造される航空燃料)の使用推進を加速することも重要なテーマであると認識しています。
Avolonでは、2023年12月末現在で保有機の60%が新型機種です。これを2025年までに75%まで引き上げる目標としており、発注済みの456機はすべてが新型機種です。2021年6月にはeVTOL(電動垂直離着陸機)最大500機(20億米ドル相当)も発注しました。自社オペレーション(オフィスや出張)によるCO2排出については2025年までのネットゼロを目標としています。またリース機体からの排出量についても、新型機種へのフリートの入れ替えを進めるなど削減につながる取り組みを進めています。
Avolonの取り組みについて詳しくは Sustainability Report 2023新しいウィンドウで開きます。をご覧ください。

  • 垂直に離着陸し、ヘリコプターやドローン、小型飛行機の特徴を併せ持つ電動の機体。滑走路が不要で騒音が少ないのが特徴。駆動時に温暖化ガスを出さず、整備コストがヘリコプターと比べ安いといったメリットもある。物流や近距離の旅客輸送をはじめ、中長距離の移動、救急搬送など多様な活用方法が想定されている。

船舶投資(自社保有・運航)における環境配慮

  • #気候変動/GHG排出削減
  • #生物多様性・環境保全

オリックスでは、2024年3月現在、67隻の商船を保有しています。
船舶の運航では、燃料使用によるCO2の排出や、バラスト水による海洋生態系への影響など環境への負荷が懸念されており、当社でも燃費の改善や環境負荷の低減に取り組んでいます。今後、新造船を発注する際は、2025年以降に強化される国際環境規制(2025年以降に建造される船舶に対して、基準値比CO2排出量30%の削減を義務づける)に準拠する船舶を対象とすることを原則としています。

環境に配慮した取り組み事例は次の通りです。

  • LNG Dual Fuel船の導入
    船の燃料は主に重油を使用しますが、LNGを使用できる船も増えています。当社でもLNG Dual Fuelの自動車運搬船を6隻発注済み(2025~2027年引き渡し予定)です。これは重油およびLNGのどちらかを使用して運航できる最新鋭の低環境負荷船です。LNGは重油に比べGHGや大気汚染物質の排出を大幅に削減できるとされ、排出削減率は次の通りと言われています。
    CO2 ▲20%以上、SOx(硫黄酸化物)▲100%、NOx(窒素酸化物)▲90%以上(予混合燃焼の場合)、PM(粒子状物質)▲100%
  • 陸上電力供給(Alternative Maritime Power)システムの搭載
    陸上電力供給システムは、停泊時に船内発電機エンジンを停止し、陸上側より必要な電力を供給することにより、船側から排出される環境負担物質を減少させ、港の環境を守るシステムです。また、このシステムを導入することで、船舶からのCO2排出量が約60%削減可能と言われています。当社が発注済みの6隻のLNG Dual Fuel船に搭載予定です。
  • PBCF(Propeller Boss Cap Fins)の搭載
    PBCFは船舶のプロペラに装着する省エネ装置です。プロペラ後方に発生するハブ渦を解消してプロペラの効率を改善させ、燃料消費量を約5%削減します。当社が保有する9隻の船舶に搭載しています。
  • ハブ渦(Hub Vortex)とは、プロペラの後方、中心付近に発生する渦のことで、プロペラの効率を低下させる原因のひとつ。

船舶ファイナンス(サステナブル・リンク・ローン)

  • #気候変動/GHG排出削減

船舶ファイナンス事業では、サステナブル・リンク・ローンを提供しています。本ローンは、融資対象となる船舶の年間CO2排出量を基準値とし、融資実行後に当該船舶の年間CO2排出量が基準値未満となった場合、翌年1年間の金利を優遇します。CO2排出量は一般財団法人日本海事協会 (ClassNK) が算出し、客観性と公平性を担保します。本ローンを通じて、船舶業界の脱炭素化に向け金融面から貢献しています。

船員の労働環境の整備

  • #循環型経済の推進
  • #安全な労働環境

オリックスの保有する船舶67隻の運航を担う船員は約1,500人(2024年3月末現在)です。その労働環境の整備のために次のような取り組みを行っています。

  • 健康管理とフードロスの削減
  • 所有する船舶に食品の鮮度を保持する機器を設置しています。長期間の航海ではバランスの取れた食事が船員の健康管理にとって重要です。しかし、野菜や果物などの生鮮食材を長持ちさせることは難しいことから、腐らせてしまうことがあります。このため、食事内容の偏りや、船内に積み込んだ食材のロスが、船舶運航での課題となっていましたが、機器を設置することで、船員の健康に配慮した労働環境の整備とフードロスの削減を実現しています。
  • 通信環境の向上
  • 一般的な船上の通信環境では、船員の家族や友人との連絡にはタイムラグや容量制限が生じることから、通信環境の改善は船員の生活の質の改善に重要な課題となっています。オリックスではスペースX社の衛星通信サービス「スターリンク」を内航船2隻に導入し、通信速度の大幅な改善を実現しました。今後は外航船への導入を順次進めて行きます。
  • 労務管理のIT化
  • 船員の勤怠記録はこれまで紙ベースで作成・管理されることが多く、船舶所有者は船内の労働時間をタイムリーに把握することが難しい状況でした。労働時間の適切な管理は、船員の健康や働きやすさにつながることから、オリックスでは船員労務管理クラウドサービスを導入し、船員の労働環境の向上に加え、労務管理に関連する事務作業の削減も図っています。

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