気候変動への対応
気候変動への対応
気候変動への対応は、グローバルでも取り組みが必要な重要課題の一つです。有効な対策を取らず地球温暖化が進めば、気候が大きく変動し、地球環境に大きな影響を与えます。こうした状況下で、世界的には、温室効果ガス (GHG)の排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」に向けた取り組みが加速しています。
オリックスでも気候変動への対応を重要課題の一つと位置づけ、再生可能エネルギー事業を積極的に推進すること、事業によるGHG 排出を削減すること、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言を順守することを掲げています。そして、重要目標として、「GHG(CO2)排出量を2030年3月期までに、2020年度比で実質的に50% 削減する。2050年3月期までに、実質的にゼロとする」と設定しています。
今後も、当社の手がける多様な事業を通じて、気候変動のもたらすリスクと機会に積極的に対応していきます。また、TCFD の情報開示フレームワークを活用して、気候変動に関するガバナンスを強化し、シナリオ分析を通じたリスク管理の強化も進めます。こうした当社の気候変動に関する取り組みについては、より具体的にステークホルダーの皆さまへの情報開示を行っていきます。
重要課題および重要目標の全体はこちらをご覧ください。
オリックスの取り組みについては以下をご覧ください。
気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)提言に基づく情報開示
オリックスは、2020年10月に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)※への賛同を表明しました。TCFD提言への対応は、中長期的な企業価値の向上に資するものであり、またTCFDへの取り組みを進めることは、当社のサステナビリティ推進基盤の確立にも有効であると考えています。
TCFDの提言に基づき、情報開示フレームワーク(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)に沿った開示を行っています。また、特に気候変動との関連性が高い3事業部門(環境エネルギー、不動産、自動車)のシナリオ分析も実施しています。
TCFD提言に基づく情報開示について詳しくはこちら(サステナビリティレポート2021 p26~29)[807KB] をご覧ください。
※気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)は、G20の要請を受け、金融安定理事会により、気候関連の情報開示および金融機関の対応をどのように行うかを検討するために設立されました。TCFDは2017年6月に最終報告書を公表し、企業などに対し、気候変動関連リスク、および機会に関して開示することを推奨しています。
温室効果ガス(GHG)排出削減
オリックスは、重要目標として「GHG(CO2)排出量を2030年3月期までに、2020年度比で実質的に50% 削減する。2050年3月期までに、実質的にゼロとする」と設定しています。
2020年度(2020年3月期)のオリックスグループGHG基準排出量は126.6万トン-CO2eで、事業別の内訳は次の通りです。
排出量 占有率 |
排出量 | うちScope1 | うちScope2 | ||
---|---|---|---|---|---|
環境エネルギー | 全体 | 86.0% | 108.9 | 106.9 | 2.0 |
うち 吾妻木質バイオマス発電所 | 2.8% | 3.5 | 3.5 | 0.0 | |
うち 相馬石炭・バイオマス発電所 | 35.7% | 45.2 | 45.1 | 0.1 | |
うち ひびき灘石炭・バイオマス発電所 | 38.6% | 48.9 | 48.8 | 0.0 | |
うち 廃棄物処理施設 (オリックス資源循環 寄居工場) |
7.3% | 9.3 | 8.5 | 0.8 | |
不動産 | 全体 | 6.7% | 8.5 | 1.9 | 6.6 |
うち 運営事業 | 4.7% | 6.0 | 1.6 | 4.4 | |
法人営業/メンテナンスリース | 0.9% | 1.2 | 0.1 | 1.1 | |
事業投資 | 4.1% | 5.2 | 1.4 | 3.8 | |
保険/銀行/クレジット | 0.7% | 0.9 | 0.0 | 0.9 | |
海外 | 0.8% | 1.0 | 0.2 | 0.8 | |
その他管理部門等 | 0.8% | 1.0 | 0.1 | 0.8 | |
合計 | 100.0% | 126.6 | 110.7 | 15.8 |
※ 2021年3月期のオリックスグループGHG排出量の算定より、その算定範囲に海外子会社や投資先企業を含めたほか、廃棄物処理施設において処理する、廃棄プラスチック由来のGHG排出量の算定方法の見直しを行いました。これらを反映した値を、2020年3月期のオリックスグループGHG基準排出量と定めています。
GHG(CO2)排出削減の対応策として、排出量の多い2基の石炭・バイオマス発電所では、バイオマス混焼率を最大40%まで引き上げること、石炭の代替燃料としてブラックペレット(木材を粉砕・乾燥・焙煎処理した代替燃料)の活用によってバイオマス混焼率をさらに向上させることなどを検討していく方針です。ほかには、現在の石炭・バイオマス混焼から設備改造によるバイオマス専焼化、水素・アンモニアなど次世代燃料への転換促進、CO2回収再利用装置の導入、ダイベストメントなどの選択肢を検討します。今後のCO2排出量の削減策、再生可能エネルギー事業によるCO2削減貢献量の推移を見ながら、具体的な対応策を確定します。
なお、GHG 排出の削減は、当社だけでなくバリューチェーン全体での取り組みが必要です。バリューチェーンにおいて排出量が大きいと想定される3事業部門(自動車、航空機/船舶、不動産)について、GHG プロトコルのScope3基準を用いて排出量の規模を概算しています。今後は、他の事業者と連携した具体的な排出削減のアクションプラン策定も検討していきます。