「キャリアビジョンに向けてまい進する」「置かれた環境でベストを尽くす」。社内で異業種を経験しながら成長する2人のキャリアを追う

「やってみたい仕事に向かって少しずつ前進する」という考え方は、理想的なキャリアの築き方の一つだ。しかし、すべての人が明確な目標や夢を持ち合わせているわけではない。置かれた環境に合わせて努力することでスキルが磨かれ成長し、「自然と道が開けていく」というキャリア形成の道もある。

オリックスにも、そんな対照的な働き方で仕事に取り組む人材がいる。それぞれ、仕事にどんなやりがいを感じ、キャリアを重ねているのか。2人の社員に話を聞いた。

「環境や海外に携わる仕事がしたい」。入社時からの想いを、キャリアを積み上げて実現

オリックス株式会社 輸送機器事業本部 船舶投融資グループ 第二チームの武山葉子は、自身の興味関心から進みたい道を選び、キャリアビジョンの実現に向かって着実に実績を重ねてきた。

「大学では、環境に関する法律を研究していました。そのかたわら、昔から海外が大好きだったので、アルバイト代をほぼすべてつぎ込み12カ国を旅行しました。就職活動時はまだ明確に目標が見えていたわけではないのですが、『ライフステージが変わっても働き続けたい』『環境や海外に関する仕事で、学んだことを生かしたい』と考えていました」(武山)

そこで、幅広い事業を展開するオリックスに興味を持ち、新卒でオリックスに入社した。

最初に配属された横浜支店では、オリックスグループが展開するあらゆる商品やサービスを企業に提案する営業を担当した。もともと人と話すのが好きで、好奇心も旺盛。さまざまな企業に赴き、業界の最新事情について教えてもらうことができる営業職は、「想像以上に楽しい仕事だった」と振り返る。

「営業は、すぐに結果が出ないことも多い仕事です。でも、お客さまと良い関係を築けるようコツコツ努力を重ねたことが、数年後、仕事をいただくことにつながる。そうした経験を経て、努力すれば結果につながることにやりがいを感じていました」(武山)

約7年間の横浜支店時代に、2度の出産・育児休暇を経験した。2回目の育休明けに希望が通り、環境エネルギー本部電力事業部(以下 電力事業部)へ異動。CO2排出量の削減に貢献する電力の調達(買い取り)や販売を担当した。

「支店での営業はお客さまとのリレーションを築き、オリックスグループの幅広いソリューションを提案することが求められます。一方、環境エネルギー本部などの専門部署は、各支店の営業担当者が取り付けてきた案件に対し、専門知識を生かして伴走する役割を担います。自分が支店で営業を経験してきたからこそ、案件をいただくまでの努力や、お客さまの考えが理解できたのではないかと思います。私につないでくれたのだから、より良いソリューションを提供したい。現場の思いに応えようと、必死で取り組みました」(武山)

電力事業部には約4年間在籍。特にやりがいを感じた仕事は、北陸エリアへの電力販売進出だという。

「オリックスが電力販売を全国へ広げるなかで、展開が遅れていた北陸エリアへの進出を提案し、自ら担当しました。最初の提案から実現まで、一貫した仕事を手がけてみたかったのです」(武山)

部内調整や現地の電力会社との契約交渉、営業担当者への商品説明、営業戦略の立案など、大変なことは多かったが、電力販売の業務を一通り経験できたことは、大きな自信につながった。自分の仕事の集大成ができたと感じた武山は、未知の分野に挑戦したいと考えるようになる。

「一つのことを突き詰めるタイプか、新たな分野を開拓したいタイプかでいうと、私は後者なんだと思います。入社当初から海外に携わる仕事をしたいという考えもあったので、『キャリアチャレンジ制度』を活用して『輸送機器事業本部 船舶投融資グループ』へ異動しました」(武山)

船舶投融資グループは電力事業部と同様、全国の営業担当者と連携しながら専門知識を持って伴走することが求められる。

「船舶の知識はまったくありませんでしたが、専門知識は仕事をしながら増やしていけばいい。営業との連携力が大切になると考えました」(武山)

それから現在に至るまで、外航船への投資を募る業務を担当。船舶の購入には莫大な資金が必要であるため、金融機関からの融資だけでなく投資家からの資金調達も求められる。武山は、全国の企業経営者などの元に足を運び、船舶投資の仕組みやメリットを説明し、資金調達を行っている。

「扱う金額が数億~数十億円という単位なのでプレッシャーもありますが、私たちの説明でお客さまが納得し、投資を決断してくださったとき、心からやりがいを感じます」(武山)

そして次は、海外との仕事に挑もうとしている。これまでは国内の投資家を募る業務を担当してきたが、海外の海運会社の船舶投資案件の組成を担当できることになった。

「台湾、シンガポールなど、海運会社が多い地域の現地法人との連携も増えるので、コミュニケ―ション力が鍛えられそうです。一般的に、電力業界から船舶業界への転職は稀だと思いますが、オリックスはグループ内でそれができる会社。恵まれた環境だと感じています」(武山)

後輩たちにも、この環境を生かして自分のやりたいことに突き進んでもらいたい、と武山は語る。

明確な目標がなくても、ベストを尽くして仕事を積み重ねることでキャリアは開ける

オリックス株式会社 環境エネルギー本部 電力事業部 エネルギーソリューション営業チームの中村育美は、「私は、やりたいことが特にないんですよ」と笑う。しかし、仕事に対する熱意と責任感は強く、任された役割をしっかりと果たし、着実に仕事の幅を広げてきた。お客さまやチームからの信頼も厚い。

就職活動時は「京都の実家から通える総合職」を探していた。

「特になりたい職業はなく、地元で働ける総合職の求人が多い金融系を志望していました。大学内の就職説明会で、偶然オリックスの回に参加したのですが、登壇した女性の担当者が生き生きとしていて、初めて興味を持ちました」(中村)

その後、面接担当者の人柄にも触れ、オリックスで働こうと決めたという。勤務地が限定される「地域限定型」で入社し、京都支店に配属された。

「京都支店で5年間営業を担当しました。1日4~5社を訪問して、お客さまの困りごとを伺い、オリックスグループが展開するさまざまなソリューションをご提案しました」(中村)

若手ながら多くの経営者と会話し信頼を得る営業の仕事は、大変なことも多い。しかし、仕事に必要なコミュニケーション能力はこのときに養われた。

「お客さまの困りごとは千差万別。専門的な内容に関しては専門部署と連携して提案を進めました。こうした経験を重ね、お客さまの課題解決に全力で向き合う姿勢が身についたこと、社内外の人脈が広がったことが大きな財産となりました」(中村)

その後、辞令で大阪メディカル営業部へ異動。医療機関に融資を提案する営業を担当した。
専門知識を要する難しい仕事だったが、先輩たちの隙間時間を見つけては、わからないことを教わり知識を得ていったという。またこのとき、思いがけない仕事も経験した。地元に、かねて大好きだったコーヒーチェーンの地域1号店を誘致する仕事だ。

「入社以降多くの社内の方と連携するなかで、京都支店時代に不動産の専門部署の先輩と話す機会がありました。ふと『地元に大好きなコーヒーチェーンを誘致してほしい』と話したところ、『良い物件があれば』と言われて。そのときは雑談で終わったのですが、大阪で医療関係のお客さまを担当するなか、ある方から『知人が有効活用に困っている物件がある』と情報をいただいたのです」(中村)

そのコーヒーチェーンにピッタリの物件だと思ったが、先輩と話をしたのは数年前。状況も変わっていると思いながらも情報共有したところ、先輩もその話を覚えており「ダメ元で」話を進めてくれた。するとコーヒーチェーン側がその物件を気に入り、とんとん拍子で誘致が実現。本来は管轄外の仕事だが、担当業務をしっかりこなす前提で、部署を超えた仕事も応援されたという。

「お客さまに対して価値を提供できるなら、担当している領域や地域にかかわらず、やりたいことに何でも挑戦できる会社だと、このとき実感しました」(中村)

そうして大阪で4年が過ぎた頃、「東京で頑張る気はないか」と上司から話を受けた。大阪はじめ地方では、お客さまとのリレーションを築く営業の仕事が中心となるが、東京本社には多くの部署がある。中村の仕事ぶりを評価し、東京に異動すれば、より活躍の場が広がるとアドバイスしてくれたのだ。

「でも、私は関西を離れる気持ちがまったくなく、何度も話を受け流してしまって」(中村)

しかし、さまざまな同僚に相談をするなかで、少しずつ気持ちが変化。上司にも改めて相談し、勤務地を関西エリアから東京エリアへ変更する制度を利用して東京へ異動することに。東京では、現在所属する電力事業部に配属された。以来、現在に至るまでおよそ6年半、製造業向けに、生産性向上や省エネルギーおよび省CO2などを目的とした設備投資に対し、公的支援制度の活用を提案する業務を担当している。

「ご提案先は、大手飲料メーカーなどの大企業が中心です。工場の生産ラインを入れ替えるなど大規模な取り組みなので、お客さま社内の多くの関係者に制度の仕組みやメリットをご説明し、納得していただきながら導入まで伴走します」(中村)

設備導入は、数年にわたって工場の投資計画を作り込む必要があるため、お客さまとの長期的な関係構築が求められる。そこに、これまでの経験が生きていると中村は話す。

「最初に支店で営業を経験できたことが本当に良かったと感じます。グループの商品、サービスを使ってお客さまの困りごとにどう貢献できるかに日々向き合っていたので、お客さまのニーズを引き出す力も鍛えられました。」(中村)

現在の仕事は7年目を迎えた。地球環境に貢献できること、後輩を指導し成長をサポートすることにやりがいを感じている。

「与えられた場所でベストを尽くしていたら、いつの間にかここまで来ていました。明確な目標が定まっていなくても、しっかりと仕事に向き合えば、その経験が自然に道を開いてくれます。オリックスは、やる気さえあれば、そうしたさまざまな経験を得られる会社です」(中村)


多角的に事業を展開するオリックス。今回紹介した2人のように、社員それぞれが、それぞれにユニークなキャリアを重ねることができる環境がある。そうして培われた多様性が、グループ全体のシナジーを高める原動力となっている。

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