時代の変化を乗りこなす新規ビジネス発想術~オリックスに根付く「おもしろがり文化」~

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[Publisher] ORIX Group

近年の情報技術の発達の中で、AIやIoTといったテクノロジーも本格的な発展を見せており、今、世の中はこれまでにないスピードで変化を続けている。環境変化のスピードの上昇に合わせて、 “事業の寿命”も短縮されていく中で、新規事業を生み出していくことは企業にとって必須の取り組みになると考えられる。

これは働く個人にもあてはまる。「人生100年時代」と言われ、これまで以上に長いスパンで「働く」ことを考えることが求められる社会では、“自身で経験の機会を作り出していく”という考え方が重要であり、その“経験”として新規事業への取り組みは近道であると言えるのではないか。

そうした状況において、これまでお客さまの声を間近で聞きながら、ニーズを先取りし事業やサービスに反映してきたオリックスは今、社員の公募から顧客や社会の課題解決につながる新たな事業を生み出す取り組みを進めている。それが2019年にスタートさせた新規事業提案制度だ。

仕事を“面白がる”姿勢と、起業家精神に火をつける仕掛け

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(写真左から) (株)インキュベータ 代表取締役 石川明氏、オリックス(株) 取締役 兼 専務執行役 松﨑悟(法人営業本部長)、(株)サキコーポレーション ファウンダー 秋山咲恵氏(オリックス(株) 社外取締役)、オリックス(株) 執行役 渡辺展希(社長室管掌、新規事業開発部管掌)

石川 2019年から始まった本制度も、今年で3年目となります。過去2年の最終審査を担当されて、どのような印象をお持ちですか。

秋山 どの案も、本当に力が入っていましたよね。以前からオリックスには、チャレンジ精神が旺盛な社員が多いと感じていましたが、お目にかかった皆さんは、まさにそのイメージどおりでした。

松﨑  もともとオリックスには“面白がり文化”があると思っています。普段、仕事をするなかで、「これは面白そう!」「絶対にお客さまのためになる!」と感じたことがあったら、まずやってみる。みんな新しいことが好きで、楽しみながらビジネスを生み出すという企業風土があると感じています。

しかし、ここ数年ほどは、市場や外部環境の変化のスピードが一気に速くなり、ビジネスの難易度が上がっています。そこに、2020年からのコロナ禍の影響もあり、今まで通り新しいことに取り組んで面白がることが、難しくなってきたと感じています。

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オリックス(株) 取締役 兼 専務執行役 松﨑悟(法人営業本部長)

渡辺 とはいえ、既存事業に頼ってばかりでは、いずれ会社の成長は先細りますよね。収益面で会社へ貢献するには長い時間がかかるとしても、新規事業の立ち上げは、人材育成や企業文化の醸成など、定性的な面で会社にさまざまな恩恵をもたらしてくれると考えています。

そういったことから、社員一人ひとりのなかに眠っている「起業家精神」に火を付けたいと思っています。

変化を捉えて動くために、自由に発想する

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オリックス(株) 執行役 渡辺展希(社長室管掌、新規事業開発部管掌)

石川 新たな事業のアイデアと言ったとき、どのような考え方を大切にされたいのでしょうか。

松﨑 グループに存在する多様な事業から生まれる専門性や資産をフル活用すれば、事業アイデアの実現に制約はないと考えています。ですので、社員には日々の生活や業務をする中で「浮かんだもの」を起点にして、自由に発想してほしいと思っています。とはいえ、やはり時代の変化を捉えたものではあってほしい。そのためにも、オープンイノベーションという選択肢にも積極的に取り組んでほしいですね。

石川 というと?

松﨑 いまは恐ろしく変化の速い時代です。次々と新しいサービスや技術、ビジネスモデルが生まれています。特にITやAIをはじめとするデジタルテクノロジーの進化は目覚ましく、技術の細分化も急速に進んでいます。既に進んだ技術を持つ企業や組織、個人と手を結ぶことで、スピーディーに知見を拡張していくという動きも必要になるでしょう。

新規事業を企画する際にも、社外の方々とどんどんセッションしながらアイデアを練っていってほしいと思います。さまざまな業界の人とコラボすることで、時代を先取りした企画が生まれると思います。

渡辺 「新規性」も大事ですよね。オリックスはこれまで「隣の分野」に進出することで新規事業を拡大、構築してきました。例えば、船舶関連事業は、もともとは船舶のリースだけでした。しかし、海運不況で返却されたリース船を引き取ったことから、その船を自社で運航して債権回収を図る過程で専門性を蓄積し、いまではメンテナンスや船員の確保などの管理業務まで幅広く手掛けています。既存事業の隣に進出することで、確実に事業を拡大させてきたわけです。

しかし、これから求められるのは「隣」だけではなく「飛び地」に行くという考え方です。いまは変化の速い時代で、お客さまの抱える課題も複雑化しています。そうしたところに素早く対応していくためには、ダイレクトに課題解決ができるアイデアを先に創出し、既存領域からの橋渡しを後から行う、というフローも必要になってくると考えています。

キーワードは“掛け算のイノベーション”と“ファンの多層化”

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(株)サキコーポレーション ファウンダー 秋山咲恵氏(オリックス(株) 社外取締役) 

石川 秋山さんは、起業経験もお持ちです。イノベーションや新規事業を起こすためのコツがあれば教えてください。

秋山 今は価値観の多様化により、マーケットの細分化が進んでいる時代です。そのため、何か一つのサービスや商品によって、一気にマーケットシェアを拡大することは難しいんですね。規模は小さくとも、お客さまの多様なニーズに応えた新規事業をコツコツ生み出して、確実にファンを増やしていくことが大切だと思います。

そして、新規事業とは「掛け算」によって生み出されるものです。その際、まったく自社の知見がないもの同士を掛け合わせるのは、失敗のリスクが高くなってしまいます。なので、「得意分野にちょっと新しいものを組み合わせる」というのが成功のポイントです。

掛け算によって新たなサービスを生み出し、トライアンドエラーで磨いていく。お客さまの反応を見ながら、少しずつサービスの質を高め、顧客満足度を上げていく。こういったビジネスサイクルが、これからの時代の勝ちパターンになるのではないでしょうか。

渡辺 事業セグメント同士を掛け合わせるのもアリですか?例えば、オリックスでいえば「環境エネルギー」×「自動車」のように。

秋山 もちろんアリです。通常は企業規模が大きくなると、往々にして組織が縦割りで硬直化してしまいますが、オリックスはグループ間の人材交流が活発ですよね。「掛け算のイノベーション」も、すごく生まれやすい環境ではないでしょうか。多様な事業を展開するオリックスだからこそ、これからの時代もさまざまな価値あるサービスを世の中に提供できると思います。

アフターコロナで目指すべき、組織と個人の2つの“チェンジ”

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(株)インキュベータ 代表取締役 石川明氏

石川 いまコロナ禍にあって、多くの企業がビジネスモデルの転換を迫られています。市場の要請を先取りするのは、企業理念の一部でもありますよね。

松﨑 そうですね。アフターコロナは間違いなくゲームチェンジのチャンスです。新しい生活様式やそこから生まれるこれまでにないニーズに対応したサービスや商品を提供できないと、生き残ることが難しくなるでしょう。

秋山 ただ、新規事業の立ち上げには、覚悟も必要です。アイデアだけでは成功しません。事業を進めていくなかで、壁にぶつかることも多い。自分の能力不足を痛感することもあると思います。しかし、それでも諦めずに粘り強く続けた先に、道が拓けるのです。そして、そうした熱意や覚悟はプレイヤー側だけでなく、サポート側にも必要になります。新規事業にお金やリソースをきちんと投入しながら、長い目で育てていくことも大切です。

石川 今おっしゃっていただいたように、企業としての新規事業創出の重要性やスタンスに加えて、”個人”の視点でのマインドチェンジも重要ですよね。

特にこれからビジネスパーソンに必要な考え方として「経験資産」というものがあると考えています。終身雇用というシステムが過去のものになりつつある中で、経験の機会は自ら作り出していかなければならない時代になってくる。そしてその経験の総量が自身のキャリア形成に関与してくるのだと感じています。

そうした中で、企業に所属しながらも新規事業の創出について自ら考え、実際に取り組むというのは、これ以上ない経験になっていくと思います。

渡辺 今日のお話を受けて、企業における新規事業の創出は、組織と個人の両面で考えていくことが重要だと感じています。いままでよりも一層、事業立ち上げまでのサポートを手厚くしていきます。社員がどんどん新規事業を立ち上げたいと思えるようにしていきます。

松﨑 特に若い人の活躍を期待しています。「これ、面白いと思ってるんですよ」「じゃあ、ちょっとやってみろよ」という会話が、若手と上司の間で日常的に交わされる場でこそ、お客さまの課題をクリティカルに解決できるアイデアや、それこそ新規事業の創出に結びつくアイデアが生まれてくるのだと思います。オリックスも、コロナ禍においてもそういった環境を整えていきたいと考えています。

石川 本日はそれぞれのお立場から新規事業創出のヒントについて語っていただきました。ぜひたくさんの人に新たなチャレンジをしていただければと思います。ありがとうございました。

事業を通じた社会課題への貢献

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