インフラから医療まで私たちの暮らしを支える3Dプリンタ

[Publisher] ORIX Group | 株主通信「Alive」No.59より転載

データをもとに短時間で立体物をつくり出す3Dプリンタによって、ものづくりの世界や私たちの暮らしはどのように変わっていくのでしょうか。オリックス・レンテックのお取引先で、3Dプリンタメーカーの株式会社ストラタシス・ジャパンさまにお話を伺いました。

3Dプリンタでアイデアを一気に形に

従来のものづくりの世界では、新しい製品をつくる前にまずは「金型」を作成する必要がありましたが、3Dプリンタを使用すれば3Dデータからダイレクトに製造できるため、一気にアイデアを形にすることができます。生産に要する時間を短縮し、コストカットにもつながるため、人手不足に悩む製造現場やリソースに限りがあるスタートアップ企業などで活用が期待されています。3Dプリンタでつくることができるものは多岐にわたりますが、生産数は少なくてもマイナーチェンジが多く発生するものを製造するときに、特に力を発揮します。

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鉄道車両のバンパー部品。3Dプリンタで出力できるように、3パーツで構成。斜め衝突のケースでは、1パーツの交換で対応可能になりました。

交通インフラを部品づくりで支える

例えば、鉄道車両の部品づくりに、3Dプリンタが活用されています。鉄道車両は長期間にわたり使用されるものですが、走行中の衝突事故などにより、部品が破損することがあります。交通インフラとして重要な役割を担っているため、このような不測の事態に備えて、鉄道会社は常に部品の在庫を確保し、在庫がなくなってしまった場合は速やかに生産できる体制を整えておかなければなりません。ある鉄道車両メーカーでは、これまでは部品の生産に7~8週間を要していたところ、3Dプリンタを導入することで、オーダーを受けてから数日で部品が完成するようになり、鉄道会社における在庫管理の負担を減らすことができました。3Dプリンタを使用すれば、鉄道会社ごとにカスタムした部品をつくることも容易です。

医療や歯科の分野での活用にも期待

ほかにも、私たちの暮らしに直接的に関わる医療や歯科の分野においても、3Dプリンタの活躍が期待されています。例えば手術前に、患者のスキャンデータをもとに患部を正確に再現した3Dプリントモデルを用いて、効果的に治療方法の計画を立てることができます。また、街の小さな歯科医院でも、3Dプリンタがあれば、口腔内のスキャンから患者に合った歯科用器具を短時間でつくり上げることが可能になるでしょう。3Dプリンタが普及することで、ものづくりの世界や私たちの暮らしの可能性はますます広がっていきます。

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(左)3Dプリンタでつくった手術シミュレーション用の臓器モデル(右)3Dプリンタでつくった歯科用の口腔内モデル

ストラタシスについて

米国とイスラエルに本社を置くストラタシスは、3Dプリンタおよび3Dプリンタで使用する材料の製造販売などを世界各国で手掛ける企業です。約30年前に、世界初となる3Dプリンティング技術の一つを発明して以来、航空宇宙、自動車、ヘルスケアなど、さまざまな業界において製品開発をサポートしています。株式会社ストラタシス・ジャパンは、Stratasys Ltd.の日本子会社です。


事業を通じた社会課題への貢献

サステナビリティ

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