大きく変わる物流施設、その理由とは? オリックスの最新物流施設に潜入!

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[Publisher] ORIX Group

みなさん、下の写真をご覧ください。
見晴らしの良いテラス、広々としたカフェスペース…ここはどこだと思いますか?

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実はここ、延床面積約2万3,000坪の広さを誇る「物流施設」の中なんです! 物流施設と聞くと、無機質な建物を想像する方も多いかもしれません。そんなイメージと大きく異なると思いませんか?

インターネット通販の需要が高まり、今や、私たちの生活にとって欠くことのできない「物流」。ますますニーズが高まる物流を支えるため、これまでの常識にとらわれない施設が求められているのだそう。ここ、埼玉県北葛飾郡松伏町にある「松伏ロジスティクスセンター」もその一つです。

今回は、「松伏ロジスティクスセンター」を手掛けた、オリックス(株)不動産事業本部 物流事業部の福島 將之さん、佐藤 茉莉奈さんに施設を案内していただきながら、施設が備える機能や、そのような物流施設が求められる背景について詳しく伺いました。

快適、くつろげる…物流施設を「魅力的な職場」としてつくったワケ

――本日はよろしくお願いします。

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(右):オリックス(株)不動産事業本部 物流事業部 福島 將之さん (左):オリックス(株)不動産事業本部 物流事業部 佐藤 茉莉奈さん

福島佐藤:よろしくお願いします。

――まずはこちらの施設の概要についてお聞かせいただけますか。

福島:ここ、「松伏ロジスティクスセンター」は、2019年3月に埼玉県北葛飾郡松伏町に完成したマルチテナント型物流施設です。現在開発中も含め、オリックスが携わった全国42の物流施設の中でも最大規模で、延床面積は約2万3,000坪になります。

都心へのアクセスが良く、外環道(東京外かく環状道路)や首都圏を大きく囲む国道16号も近くを通っています。業種を問わず、さまざまな物流企業さまの拠点として理想的な立地です。

――なるほど。しかし、ここにいると「物流施設」であることを忘れてしまいます。
入った時にとても驚きましたが、とても開放感のあるおしゃれな空間ですね。

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佐藤:ありがとうございます。この4階のカフェテリアは施設の大きな目玉です。「松伏ロジスティクスセンター」は最大八つのテナントさまが入居可能で、その従業員・関係者の方々にご利用いただける空間となっています。靴を脱いでリラックスできる小上がりのスペースもあります。

――眺めもすばらしい!

福島:カフェテリアは大きく窓をとっており、テラスに出ることもできます。一般的な建物よりも各階の天井がかなり高いので、4階といっても地上30mほどになります。緑豊かな松伏町を一望でき、空気が澄んだ日には富士山も見えるんですよ。

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――とても物流施設の中だとは思えません。これまでの物流施設のイメージだと、無機質な建物を想像するのですが、なぜ松伏ロジスティクスセンターは、このような「くつろげる空間」になっているのでしょうか。

佐藤:物流企業さまの抱える課題を、デベロッパーの立場から解決したいという思いがあります。インターネット通販などの普及で、配送件数は年々増加しています。また、物流拠点では、商品の仕分けや検品など作業の細分化が進み、作業量も増えています。しかし、より多くの人手を必要としているにも関わらず、重い荷物を運ぶなど“大変な仕事”というイメージもあって、物流業界を志望する働き手が少なく、人手不足に陥っているんです。

――物流における人手不足の問題は、社会問題としてニュースにも取り上げられていますね。よく通販を利用するので、身近な問題に感じていました。

福島:はい。そうした問題解決の糸口になればという思いで、「松伏ロジスティクスセンター」は「快適に働きながら、健康を促進する」をコンセプトに設計しました。快適で健やかに働ける環境を整えることで、ここで働きたいという方が増え、長く勤めていただけるようになればと思っています。

「健康を促進する」と申しましたが、カフェテリアなどの居心地の良さだけではなく、働く方の「健康」を考えた仕掛けも備えているんですよ。

――「働きながら健康を促進する」面白いですね。その仕掛けも気になります。

福島:では、早速ご案内します。

「働きながら健康促進」誰もが働きたくなる仕掛けを

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福島:こちらがフィットネスルームです。エアロバイクやランニングマシンなどの機器をそろえ、更衣室にはシャワーも完備しています。こちらも従業員やテナント関係者の方々が無料で使うことができます。

佐藤:またテナントの従業員の方には、リストバンド型のウエアラブル端末を無償で貸し出します。この端末を身につけることでスマートフォンアプリと連動して歩数、消費カロリー、睡眠時間などの管理が可能になります。これは、弊社の出資先でもある「メドケア株式会社」が提供する遠隔健康推進プログラム『Medically』を活用したものです。記録管理のほかにも、アプリのチャット機能を利用して医師へオンライン医療相談をしたり、管理栄養士へ栄養相談したりすることなどもできます。

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福島:アプリで自分の行動記録を確認し、「今日は運動が足りないから、フィットネスルームでもう少し体を動かそうかな」など、より日常的に自分の体を気づかい、健康意識を持っていただくことができるのではないかと思います。

また、これからの時代、シニア層の活躍が期待されています。こうした健康促進が期待できる職場であれば、シニアの方々に魅力的に感じていただけるのではないかと考えています。

――健康への意識や関心は、世代を問わず高まっていますよね。シニア層はもちろん、広い世代にニーズがありそうです。

佐藤:はい。「さまざまな方にとって魅力的な施設である」という視点でいえば、男性のみならず、女性の活躍も後押ししたいと考えています。例えば、多くの物流施設は男性中心の視点で設計され、働く女性の人数に対してトイレの数が足りないという問題がありました。オリックスの物流施設では、最新のオフィスビルと変わらないような設計で、十分な数や広さを確保するのはもちろん、女性用トイレに小物を置いておけるロッカーを配置するなど、女性目線の細やかな心配りも大切にしています。

ロボット利用を可能にし、働く人の負荷を軽減

福島:では、物流施設の核である、倉庫部分もご案内いたします。

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――ここが荷物をトラックから上げ下ろしするスペースですか。とても広いですね!

福島:はい。1階と3階が荷物の上げ下ろしスペース、2階と4階が保管スペースになっています。
荷物の上げ下ろしスペースが屋外に設置されている倉庫も少なくないのですが、ここ「松伏ロジスティクスセンター」は屋内に設置しています。これにより天候に左右されずに作業していただくことができますし、作業のスペースを屋内に設置していることで、騒音や光が外部にもれることも防いでいます。

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施設1階。中心の車両通路を挟み、両側に各テナントのスペースが配置されている。

佐藤:また、この施設の大きな特徴が「ロボットの6カ月無償レンタルサービス」が利用可能なことです。オリックスグループの「オリックス・レンテック」が手掛けるロボットレンタルサービス「RoboRen」と協業しています。従業員の方々の作業の負荷を軽減し、人手不足を補う一助としてご利用いただくことを想定しています。 指定した位置まで自動で障害物をよけながら荷物を運ぶロボット、ピッキング作業者の背後についていきボックスを運搬するロボットなど、9メーカー10種をご用意しています。

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(左):HIKVISION社製の自動搬送ロボット「Latent Mobile Robot(レイテント・モバイル・ロボット)」 (右):ZMP社製の台車型物流支援ロボット「CarriRo® (キャリロ)AD(自律移動モデル)」

福島:ロボットの進化は日進月歩で、次々と新しい製品が生まれています。もともと導入コストが高いものですし、導入してもそれがすぐ陳腐化してしまうとなると、企業さまもなかなか導入に踏み切れないというのが実情です。
そこで現在、「松伏ロジスティクスセンター」にご入居いただいた企業さまには、6カ月間無償でこれらのロボットを利用できるフリーレンタルサービスをご提供しています。使い方のサポートはもちろん、そもそもどのようなロボットを導入すれば効果的なのか、ご相談に乗ることも可能です。

居心地の良い職場作りに、マンション事業のノウハウが生きている?

――最新の物流施設を見せていただき、とても勉強になりました。しかし、オリックスさんが物流施設を手掛けていらっしゃるのは、正直意外でした。

福島:そういう声は多くいただきます(笑)。オリックスは1964年にリース会社として誕生し、その後さまざまな事業展開をしてきました。物流施設の開発事業は、お客さまから「建物をリースできないか」と要望をいただいたことをきっかけに、2003年から取り組んでいます。

オリックスは幅広い事業を展開しているため、さまざまな知見を組み合わせ、お客さまのニーズに合わせたサービスを柔軟にご提案することが可能です。例えば、物流にベストな用地の確保、トラックやロボットのレンタル、また居心地の良い職場空間などは、マンション事業のノウハウが生かされています。

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――今後の展開も楽しみですね。

福島:この施設の開発・運営で学んだことを、次に生かしていきたいですね。地域との関わりを大切にし、雇用など地域社会への貢献という視点でも、今後の物流事業を考えていきたいと思っています。

佐藤:時代の変化とともに、物流施設に求められる役割も変化しています。例えば、非常時の備えを重視するお客さまの増加などです。松伏ロジスティクスセンター含め、近年弊社が開発した物流施設には非常用電源を導入しています。

これからもお客さまや関係者のみなさまのニーズに向き合い、さまざまなチャレンジをしながらご提案していきたいと思います。

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――これからもオリックスさんの取り組みから目が離せませんね。本日はありがとうございました。

福島佐藤:ありがとうございました。

この話を聞いた人】

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相澤 良晃:1983年、秋田県生まれ。大学卒業後、古本屋、出版社アルバイトなどを経て、2009年に東京・神保町にある編集プロダクション株式会社デコに所属。雑誌、書籍、企業パンフレット、ウェブサイト記事などの編集制作に携わる。2018年からフリーランスの編集者・ライターとして活動中。

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