オリックス自動車のリース事業に寄り添い、さまざまな周辺システムを手がける自動車リース・付加価値チームが挑んだのは、基幹システムへの電子契約サービス導入です。人々の働き方が変わる中で、同社のビジネスを前進させる可能性を秘めたプロジェクトについてご紹介します。

Profile

グループ個社IT支援部
自動車リース・付加価値チーム

T.M

2002年に新卒でオリックス・システムに入社。自動車リースの旧基幹システム担当、不動産の基幹システム開発・保守担当を経て、現在のオリックス自動車の業務基幹システム開発に参加。2018年からチーム長を務める。

グループ個社IT支援部
自動車リース・付加価値チーム

M.H

前職は大手生命保険のシステム子会社でアプリ保守・開発を担当。自身の市場価値に不安を抱き、2017年にオリックス・システムに転職。以降、オリックス自動車向けのアプリ開発・保守などを担当している。

Story 01

契約書の電子化というニーズに応えるサービス導入プロジェクト

お二人のチームやプロジェクトの概要を教えてください。

T.M 私たち自動車リース・付加価値チームは、オリックス自動車のリース事業に関連した基幹システムの保守・開発や、その周辺システム(付加価値)の開発を行う組織です。オリックス自動車から「こういうことがやりたい」とシステム開発の相談をいただくことも多く、今回の契約書電子化の導入プロジェクトも、現場ニーズの高まりを受けて発足しました。これまで紙で行っていた契約書の作成や締結をオンラインでできるようにするもので、外部サービスを利用するため、契約書の元となる情報がある基幹システムとの連携が必須。そこで、私たちがサービス連携のための改修を担うことになったんです。

M.H 自動車のリース契約においては、さまざまな契約書を交わす必要があります。新型コロナウイルス感染症拡大を契機に、オリックス自動車のお客さまからも、契約書の確認や締結を電子化したいと求められるようになりました。さらに、大口顧客の入札案件ではそもそも電子契約ができることが条件だったり、電子契約サービス製品の指定をうけたりすることもあります。契約書の電子化はビジネスの可能性を広げる強みになる一方、未対応のままではウイークポイントにもなりかねない状況です。

T.M 働き方の多様化が進んだことで、お客さまはリモート勤務でも契約締結をできるようにしたい、オリックス自動車も契約書の印刷や郵送といったコストを削減したいという要望が高まりました。自動車リースの契約は保有する社用車を買い取ってリース契約にする、メンテナンスのみを行うなど、さまざまな契約形態があります。どのような契約に、どのような電子契約サービスを導入するのかといった検討からプロジェクトはスタートしました。

Story 02

事業会社のスピードに合わせ、裁量をもって動けるチーム

プロジェクトではどのように進め、課題を乗り越えましたか?

M.H 当初はどの電子契約サービスを導入するかが未定だったので、電子契約サービス事業者との会議に同席し「ここのサービスを使えば、こういうことができる」というアドバイスをするなど、技術面でのサポートを行いました。実際にサービスを選定・導入するのはオリックス自動車ですが、導入後の基幹システムとの連携についてはわれわれの所管です。API連携機能(ソフトウェア同士をつなぐ仕組み)の詳細や課題・コストなどの情報も共有する中で、オリックス自動車が求めるスピードに合わせるのは大変でしたね。

T.M 特に今回のプロジェクトは、お客さまとの契約や外部サービスの利用が関係するため、法務確認やグループ全体の動きとも合わせる必要があり、確認先が多くスピード感が落ちてしまいます。オリックス・システムの受託開発範囲もスケジュールの制約は厳しく、チーム長としてスケジュール調整や要員調整などを行う中で、余裕を持って仕事を進める必要性を痛感しました。そこで私たちが意識していたのは、チームメンバーにどんどん仕事を任せて、何かあったときにサポートする、という仕事の進め方です。私の指示を待つことで仕事が停滞するのを避けることはもちろん、メンバーが育つきっかけにもなればという思いでしたが、実際には自分から動いてくれるチームにとても助けられました。

M.H T.Mさんに限らず、上長が各メンバーに裁量を与えてくれる組織だと思います。信用して任せてくれるのでモチベーションもあがり、仕事がやりやすかったですね。一方で、助けを求めれば誰もが自分ごとのように協力してくれることもオリックス・システムの特徴です。契約書関連や基幹システムの仕様、Web APIなど、プロジェクトでは私が把握できていない専門知識も多くありました。社内にいるスペシャリストからすぐにサポートしてもらえる環境に助けられました。

Story 03

協力し助け合える強みを生かし、さらなるDXを進めていく

プロジェクトの成果や今後の目標、オリックス・システムの利点を教えてください。

M.H 現在、電子契約サービスはテスト段階で、契約書の発行を委託する外部取引先とともに検証を行っています。今後本格的なリリースを行い、電子契約利用率拡大を目標に、実際の契約で活用を進めていただく予定です。

T.M まずはリース、メンテナンス委託契約を対象に契約書電子化を行えるように進め、今後はリース、メンテナンス委託契約以外も対象となる契約の種類を増やしていく方針です。オリックス自動車は140万台(2022年3月末時点)の自動車を管理しているので、それに付随する電子契約のウエートが増えていけばいいですね。

M.H 今回のプロジェクトで、私は要件定義や基本設計、プロジェクト管理などの上流工程を担当することができました。一方で、実装部分が得意な人はそうした技術を極めることもでき、さまざまなキャリアパスが用意されているのが当社の良いところだと思いました。私自身、最新技術と業務知識の両方を身につけて、利用者視点でIT支援ができるようにキャリアを形成していきたいと考えています。

T.M 基盤部門とアプリ部門でしっかりとした協力体制があり、雰囲気がよく相談しやすいのはオリックス・システムのおすすめポイントです。一人で技術に没頭するよりも、みんなで協力して助け合える人が活躍しています。一緒に働くメンバーも、自分で裁量を持って仕事を進めてくれる一方で、困ったときには抱え込まずに相談をしてくれるので、ありがたく感じています。今後は契約に限らずDXや電子化が進んでいくことになるはずです。今回のプロジェクトのようにチームで協力しながら成し遂げていきたいと思います。