重要課題と重要目標

オリックスグループ サステナビリティポリシーPDF文書を開きます。[494KB]」で定める「重要課題」は下記の通りです。
またサステナビリティポリシーを実践するため、「重要目標」と「各事業の課題」を下記の通り特定しています。

重要課題

  1. 気候変動リスク軽減のための重点分野・課題
    1. GHG排出削減目標を設定する。
    2. 事業者および投資家として、再生可能エネルギー分野における事業発展に寄与する。
    3. 気候変動関連リスクの定量化とその削減に努め、TCFDの提言を継続的に順守する。
    4. 循環型経済の推進と廃棄物削減の適切な処理を継続する。
    5. 環境リスクの高い事業分野への投融資残高削減を推進するとともに、新規投融資において除外規定を明示する 。
    6. 環境への影響を緩和するための商品・サービスの提供により、すべての関係者と共同で環境改善を促進する。
  2. 人権問題を含む社会的リスク軽減のための重点分野・課題
    1. 新たな社会関連リスク発生を排除するため、サステナブル投融資ポリシーと行動指針および管理体制の強化を継続する。
    2. 国連世界人権宣言の支持、労働者の健康と安全・DE&I(多様性、公平性、包括性)・差別排除等の基本的人権の尊重をすべての関係者と共有する。
    3. 社員の多様性を尊重し、柔軟な働き方の推進・キャリア支援、公正な評価報酬制度・健康管理体制の整備を通じて、DE&I(多様性、公平性、包括性)を促進し、社員の働きがいを高める。
  3. 透明性、遵法性、誠実性を基本とするガバナンス強化のための重点分野・課題
    1. 取締役会は、独立した客観的な立場から、業務執行に対する実効性の高い適切な監督・指導ができるための体制を維持する。
    2. グループCEO は、取締役会の監督下において、当該重要課題の対応を含め、すべての業務執行の責任を担う。
    3. 顧客満足度を重視した持続可能な商品・サービスの提供を継続する。
    4. すべての事業において、顧客からの信頼構築に努める。
    5. 適切な納税を含む、すべての法律・規制等コンプライアンスを重視する遵法精神を構築する。

オリックスは重要課題について継続的に分析・評価を行います。その結果、重要課題が変更になる可能性があります。また、オリックスの事業の成長や新たな事業分野への進出に伴い、重要課題が変更になる可能性があります。

重要目標と各事業の課題

重要目標

  1. 2023年6月の株主総会までに、取締役会の社外取締役比率を過半数とする。
  2. 2030年3月期までに、取締役会の女性取締役の比率を30%以上とする。
  3. 2030年3月期までに、オリックスグループの女性管理職比率を30%以上とする。
  4. 2030年3月期までに、オリックスグループのGHG(CO2)排出量を、2020年度比実質的に50%削減する。
  5. 2050年3月期までに、オリックスグループのGHG(CO2)排出量を実質的にゼロとする。
  6. 2030年3月期までに、GHG(CO2)排出産業に対する投融資残高を、2020年度比50%削減する。
  7. 2040年3月期までに、GHG(CO2)排出産業に対する投融資残高をゼロとする。
    • 海外現地法人における化石燃料採掘業やパーム油プランテーション、林業を指す

各事業の課題

オリックスで取り組む多様な事業が社会に影響を与える、または逆に社会から影響を受けるサステナビリティの課題は多岐にわたります。各事業では、長期的なリスクと機会に重要な影響を与えるサステナビリティ課題を認識し、意思決定に組み込むことで事業活動を通じた社会課題への貢献に努めています。

各事業の課題はこちらからご覧ください。

法人営業
グループ営業の中核として、お客さまのニーズに合わせた新たなESG関連サービスを生み出していきます。そして、国内ネットワークを駆使して、社会課題の解決に取り組みます。

  • 中小企業の事業承継支援に取り組み、地域経済の発展や雇用の維持・創出を支援します。引き続き、M&A仲介、不動産仲介、株式の譲り受け、相続税対策などをワンストップで提供する体制を強化します。
  • 予防医療事業を通じて、健康寿命の伸長や、医療費削減と医療保険制度の維持・継続に貢献します。健診センターで提供する予防医療サービスを軸に中小企業の健康経営を支援します。
  • 補助金を活用した省エネ設備の導入支援や太陽光発電投資の支援により、お客さまの脱炭素化を支援します。
  • DXやESG関連などのベンチャー企業に投資し、成長支援と協業を通じた新サービスの創出を目指します。

自動車
環境負荷低減や法令遵守につながるサービスの提供を推進します。また、自社施設・事業における脱炭素化についても推進・強化を継続します。

  • EV取り扱い車種を増やすとともに、充電設備の設置提案も行うことで、お客さまがリースでEVを導入しやすい環境を提供します。
  • レンタカーおよびカーシェア車両についても引き続き次世代車両化を進めます。
  • トラックレンタル店舗、U-Car店舗および入札会場での使用電力グリーン化を実施します。
  • 車両メンテナンスで必要となる部材・部品についてリビルト部品・中古部品の使用率を向上させ、サーキュラーエコノミーの推進および環境負荷の低減を実現します。
  • 運転前アルコールチェック義務化を受け、それに対応したサービスを開発します。これにより酒気帯び運転等危険運転の撲滅とともに企業の車両管理DXを推進します。
  • ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)、燃料電池自動車(FCV)。

レンテック
技術的知見とレンタル機能の提供により、お客さまのサステナビリティ推進に貢献します。

  • 循環型経済、気候変動の緩和、技術革新を促進する商材・サービスの開発を継続します。CO2排出量の可視化クラウドサービスとオリックスグループ内外の削減ソリューションとの連携を検討します。また、GXに向けた新技術研究開発プロジェクトで使用される装置についてレンタル導入の促進を検討します。
  • ESGの観点を取り入れた調達実現に向けて、調達方針を策定・リリースします。仕入先・委託先へのアンケート調査を定期的に実施します。健康・安全、人権などのテーマごとに社内委員会を設置し、サステナビリティ推進のPDCAを実践します。
  • グリーントランスフォーメーション。化石燃料をできるだけ使わず、クリーンなエネルギーを活用していくための変革やその実現に向けた活動のこと。

不動産(投資・運営)
安全・安心・快適性を第一に、環境に配慮して脱炭素化を実現すること、地域と共生することを事業推進における方針とします。サステナビリティの観点を取り入れた商品やサービスを提供し、サステナブルな社会の実現を目指します。

  • 新規開発物件においては、原則、環境性能や安全・安心を第三者に明示できる外部認証を取得します。また、保有物件からのCO2排出量の削減計画に則り、省エネルギー設備への入れ替えや再生可能エネルギーの導入を進めます。
  • 施設運営事業では、環境に配慮した備品を提供し、食品廃棄物や食品ロスの削減に取り組みます。地域の食材利用や地域からの雇用に加えて、地域の魅力を発信する取り組みを観光関連団体や地元企業などと協業して進めます。旅館・ホテルではお客さまの安全・安心を第一として、衛生維持管理の行き届いた運営に努めます。
  • サプライチェーン管理体制の構築に着手します。

不動産(大京)
安全・安心・快適性を第一に、環境に配慮して脱炭素化を実現すること、地域と共生することを事業推進における方針とします。サステナビリティの観点を取り入れた商品やサービスを提供し、サステナブルな社会の実現を目指します。

  • 分譲マンションの開発では、ZEH-M Oriented仕様を基本とし、物件のエネルギー消費量の削減を進めます。
  • ZEHとは、“Net Zero Energy House”の略。高い断熱性能やエネルギーを効率良く使う機器の導入による「省エネルギー」と、太陽光発電などにより電力を創り出す「創エネルギー」で、年間エネルギー消費量の収支をゼロ以下にすることを目指した住宅を意味します。ZEH-M Orientedは、一次エネルギー消費量を基準値から20%以上削減した集合住宅です。

事業投資
投資先に対しサステナビリティを意識した経営を求め、それによる企業価値向上に努めます。

  • 投資先のCO2排出削減を重要な課題と認識し、設備の入れ替え、使用電力の再生可能エネルギー化などの削減取り組みを投資先とともに進めます。
  • 投資先による中・長期的なESG課題の設定やサプライチェーン管理に対応するために、投資先各社のリスク分析に着手します。
  • 投資先のコンプライアンスやガバナンスの強化に優先して取り組みます。労務管理の適正化や、不正防止・安全管理の徹底に注力します。
  • 投資実行においては、社会課題の解決に資する産業を注力分野とします。投資先の事業を通じたSDGsへの貢献を目指します。

コンセッション

  • 関西エアポートでは、2023年4月にスタートした環境計画「環境ビジョン2050・環境目標2030新しいウィンドウで開きます。」に継続して取り組みます。温室効果ガスの排出量削減に加え、資源循環、環境監視および生物多様性にもアプローチします。「脱炭素」「循環経済」「環境共生」を軸として、長期的に目指す姿と2030年の具体的な目標を設定しており、達成に向けた取り組みを進めます。
  • 浜松・宮城の上下水道分野では、法令より厳しい自主基準などを含む管理のもとで、水質保全、大気汚染の防止や臭気の抑制、省エネルギー化、汚泥の減量化やリサイクルに努め、循環型社会の形成と持続可能な地域社会の実現に積極的に取り組みます。

環境エネルギー
持続可能な社会の実現に向けて、脱炭素社会と循環型社会の形成に貢献する事業を推進します。

  • 脱炭素社会に貢献する事業として、グローバルに再生可能エネルギー事業を拡大します。海外では、Elawan Energyを戦略的プラットフォームとして事業を拡大します。日本では、太陽光発電システムの第三者所有モデル(PPAモデル)の導入を全国で推進します。
  • 循環型社会に貢献する事業として、廃棄物の再資源化および適正処理事業を拡大します。オリックス環境では中古太陽光パネルの買い取りと再販を行い、パネルの再利用促進と廃棄物削減につなげます。
  • 2基の石炭・バイオマス混焼発電所については2030年3月までに設備・燃料転換などのCO2削減策を検討・実施します。削減が困難と判断した場合は施設の廃止を検討します。

保険
オリックス生命は、サステナビリティ方針新しいウィンドウで開きます。を制定し、優先的に取り組むべき5つの重要課題(マテリアリティ)を特定しています。この方針に基づきこれらの重要課題の解決に取り組んでいくことで、将来世代が生きる地球環境・社会のサステナビリティの実現に貢献していきます。
オリックス生命の重要課題(マテリアリティ)

  • 人生100年時代を生きるあらゆる世代の人々に向けて保険事業を通じた「安心」の提供
  • 機関投資家として責任投資の推進による持続可能な社会の実現
  • ビジネスパートナーとの共存共栄関係の構築
  • 社員一人ひとりがさまざまな状況に応じて能力を最大限に発揮できる環境の実現
  • 持続的な成長を支えるコーポレートガバナンスの強化

各重要課題における取り組みについて詳しくはこちら新しいウィンドウで開きます。をご覧ください。

銀行
オリックス銀行の重要課題(マテリアリティ)新しいウィンドウで開きます。に則り、社会課題の解決に資する商品やサービスを提供し、当社自身もサステナブルな企業となるよう取り組みを推進します。

  • 重要課題(マテリアリティ)に対する取り組みを継続します。
  • サステナブルファイナンスの推進を軸に、再生可能エネルギー、グリーンビルディングなどの環境分野については、取引先のトランジションを含むサステナビリティ経営の支援機能を強化します。
  • DE&I推進を継続し、人的資本関連ではIT人材の戦略的育成を図るなど、サステナビリティ推進にかかる体制と開示の充実を図ります。

輸送機器
航空事業

  • 航空業界のCO2排出削減に対する社会からの強い要請を認識し、オペレーティング・リース会社として航空会社の排出削減目標を補完します。そのためにも、燃費効率の良い新型機種の保有比率の向上を目指します。Avolonでは2025年までに新型機種比率を75%とします。
  • SAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)分野への投融資を継続して検討します。

船舶事業

  • 自社で所有する船舶は、燃費の改善や環境負荷の低減ができる仕様を基本とします。燃費効率の悪い老齢船の売却とともに、LNG Dual Fuel船やメタノール、アンモニア燃料船など次世代燃料船の導入を検討します。バイオ燃料や省エネ技術の実証実験や試験航行に向けた協議・検討を進めます。
  • サステナブル・リンク・ローンの取り組みを拡大します。

ORIX USA
社会に貢献し、持続可能な成長を生み出し、リスクを管理し、そしてステークホルダーの信頼と尊敬を維持するためには、サステナビリティを意識した投資判断が不可欠であると考えています。ORIX USA(OCU)は進化を続けながら以下を推進していきます。

  • ESGスコアの評価・モニタリングおよび年次レビューを継続して行います。
  • スチュワードシップとエンゲージメントに関する新たなポリシーを策定します。
  • 気候変動に関する研修をOCUグループ社員全員に対して実施します。
  • サステナブル投資商品のローンチを進めます。

ORIX Europe
Robeco
Net Zeroロードマップおよび生物多様性ロードマップに沿った活動を継続します。特に生物多様性フレームワークを拡充する計画です。またさまざまなトランジション投資ファンドの導入に代表されるようにインパクト投資のAUM拡大を目指します。

Transtrend
カーボンフットプリントの測定と報告をさらに改善することを目標とします。また、カーボンオフセットイニシアチブの有効性に関する議論をモニターし、できるだけオフセットプログラムを強化していきます。さらに、市場の機能に関する課題へのエンゲージメントを含め、責任ある投資家として役割を果たしていきます。

Harbor Capital
今後も独自のフレームワークを適用し、さまざまな持続可能な投資オプションをお客さまに提供していきます。

Boston Partners
サステナビリティおよびエンゲージメントチームの専門知識を活用し、持続可能性に基づいた投資判断を行い、変化を推進していきます。

アジア・豪州

  • マレーシア、インドネシア、オーストラリアの3現地法人では、環境負荷の高い業種に対する与信残高を縮小し、2030年までに2020年比で50%削減し、2040年3月期までにゼロとします。そのために、環境負荷の高い与信残高の縮小についてモニタリングを継続して、与信先や与信額を精査します。
  • 各国の法規制をベースに、人権リスク、サプライヤー管理、コンプライアンス遵守について、各現地法人の課題の棚卸しと状況整理を実施します。
  • EV化、サステナブルローンの提供、unbankableな先へのプロダクト提供など、ポジティブインパクトを与える施策について現地法人間で共有し、実現可能性を検討します。
  • 中華圏では、主要投資先のGHG排出量計測方法について引き続き検討します。また、ESGレポートを未発行の投資先に対しては発行に向けた働きかけを行います。

重要課題の見直し

多様な事業を行うオリックスでは、より意義のあるサステナビリティの取り組みや社会への貢献を推進していくために、より社会に大きな影響を与える事業領域に焦点を当てていくことが重要だと考えています。そのため、2019年に重要課題を特定し、事業活動を通じて社会の課題やニーズに取り組んできました。
その後の世界的なサステナビリティの重要性の高まりと、また当社を取り巻く事業環境の変化を踏まえて、2021年に見直しを行い、オリックスの持続的な成長を可能とするESG関連の重要課題を特定しました。また、重要課題を具体的なアクションに結びつけるために、重要目標も設定しました。
なお、重要課題については継続的に分析・評価を行います。その結果、重要課題が変更になる可能性があります。また、事業の成長や新たな事業分野への進出に伴い、重要課題が変更になる可能性があります。

重要課題見直しのプロセス

Step 1 課題の抽出
  • トップマネジメントが課題を抽出し、項目を絞り込んで重要課題の骨子を作成
Step 2 経営層での議論
  • 選定した項目について、トップマネジメントと関連担当役員で議論を実施
Step 3 重要課題の決定
  • 取締役会で複数回の審議を実施
  • エグゼクティブ・コミッティおよび取締役会での承認を経て決定
  • トップマネジメントおよび執行役などが経営上の政策など経営に関する重要事項を審議する執行機関

ページの先頭へ

ページの先頭へ