サステナビリティポリシー/重要課題・重要目標
オリックスでは、事業活動を通じて社会に貢献することで持続的な成長を実現し、また、社会的な責任を果たしていきます。この「サステナビリティを推進する」という意思をより明確にするため、2019年9月に「オリックスグループ サステナビリティポリシー」を定めました。
サステナビリティポリシーで定める「サステナビリティの基本原則」および「重要課題」は下記の通りです。またサステナビリティポリシーを実践するため、「重要目標」と「各事業の課題」を下記の通り特定しています。
サステナビリティポリシー全文はこちらからご覧ください。
- オリックスグループ サステナビリティポリシー
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サステナビリティの基本原則
自然環境への配慮
事業活動が環境へ及ぼす影響を把握し環境負荷低減に努めます。
そして事業を通じて社会が直面する環境問題の解決に貢献します。
人権の尊重
世界人権宣言や、労働における基本的原則および権利に関する国際労働機関(ILO)宣言など国際的基準で定義されている人権を尊重します。
ダイバーシティ&インクルージョンの促進、および従業員の福祉への配慮
従業員のダイバーシティを尊重し、それぞれの能力や専門性を最大限に生かせる機会と職場環境を提供します。
さらに、事業を行う国・地域において、その文化や慣習を尊重し、環境に配慮し、経済・社会の発展に貢献します。
また、安全で安心な職場環境を確保するとともに、一切の差別を許容しません。
高い倫理観の支持
役職員は、すべての適用法令、規則を常に遵守し、公正な競争を行います。
また賄賂の授受、反倫理的取引、反社会的勢力との取引を一切行いません。
さらに、利益相反を生じさせる、またはその可能性のある一切の行為、関係または利害に関与しません。
重要課題
オリックスの持続的な成長を可能とする重要課題は、以下の通りです。
- 気候変動リスク軽減のための重点分野・課題
- GHG排出削減目標を設定する。
- 事業者および投資家として、再生可能エネルギー分野における事業発展に寄与する。
- 気候変動関連リスクの定量化とその削減に努め、TCFDの提言を継続的に順守する。
- 循環型経済の推進と廃棄物削減の適切な処理を継続する。
- 環境リスクの高い事業分野への投融資残高削減を推進するとともに、新規投融資において除外規定を明示する 。
- 環境への影響を緩和するための商品・サービスの提供により、すべての関係者と共同で環境改善を促進する。
- 人権問題を含む社会的リスク軽減のための重点分野・課題
- 新たな社会関連リスク発生を排除するため、サステナブル投融資ポリシーと行動指針および管理体制の強化を継続する。
- 国連世界人権宣言の支持、労働者の健康と安全・ダイバーシティ&インクルージョン・差別排除等の基本的人権の尊重をすべての関係者と共有する。
- 社員の多様性を尊重し、柔軟な働き方の推進・キャリア支援、公正な評価報酬制度・健康管理体制の整備を通じて、ダイバーシティ&インクルージョンを促進し、社員の働きがいを高める。
- 透明性、遵法性、誠実性を基本とするガバナンス強化のための重点分野・課題
- 取締役会は、独立した客観的な立場から、業務執行に対する実効性の高い適切な監督・指導ができるための体制を維持する。
- グループCEO は、取締役会の監督下において、当該重要課題の対応を含め、すべての業務執行の責任を担う。
- 顧客満足度を重視した持続可能な商品・サービスの提供を継続する。
- すべての事業において、顧客からの信頼構築に努める。
- 適切な納税を含む、すべての法律・規制等コンプライアンスを重視する遵法精神を構築する。
オリックスは重要課題について継続的に分析・評価を行います。その結果、重要課題が変更になる可能性があります。また、オリックスの事業の成長や新たな事業分野への進出に伴い、重要課題が変更になる可能性があります。
重要目標と各事業の課題
サステナビリティポリシーを実践するため、「重要目標」と「各事業の課題」を特定しています。
重要目標
- 2023年6月の株主総会までに、取締役会の社外取締役比率を過半数とする。
- 2030年3月期までに、取締役会の女性取締役の比率を30%以上とする。
- 2030年3月期までに、オリックスグループの女性管理職比率を30%以上とする。
- 2030年3月期までに、オリックスグループのGHG(CO2)排出量を、2020年度比実質的に50%削減する。
- 2050年3月期までに、オリックスグループのGHG(CO2)排出量を実質的にゼロとする。
- 2030年3月期までに、GHG(CO2)排出産業※に対する投融資残高を、2020年度比50%削減する。
- 2040年3月期までに、GHG(CO2)排出産業※に対する投融資残高をゼロとする。
※ 海外現地法人における化石燃料採掘業やパーム油プランテーション、林業を指す
各事業の課題
オリックスで取り組む多様な事業が社会に影響を与える、または逆に社会から影響を受けるサステナビリティの課題は多岐にわたります。各事業では、長期的なリスクと機会に重要な影響を与えるサステナビリティ課題を認識し、意思決定に組み込むことで事業活動を通じた社会課題への貢献に努めています。
詳細につきましては、サステナビリティレポート2021のp16~24 [669KB] をご覧ください。
ORIX Europe
提供する投資ソリューションすべてにESG を取り入れ、積極的に企業とのエンゲージメントを実施します。そして、サステナブル投資のリーダーとして、持続可能な社会と経済の発展に貢献する投資を推進します。
- 運用においては、ESG要素を統合した戦略をとります。((1)ESG情報を投資判断に活用する戦略、(2)ESGに優れた企業に投資を集中させる戦略、(3)社会に対してプラスの影響をもたらすインパクト投資戦略)
- エンゲージメントにおいては、株主としての権利を積極的に活用し、企業行動の改善と、投資効率の改善を実現します。
ロベコ(オリックスの完全子会社)は、以下の取り組みを通じてESG関連の活動を行っています。
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PRIへの署名
ロベコは、2006年にPRI署名機関になりました。2020年にはPRIのすべての項目で再びA+の評価を受けました。また、ロベコの気候関連の取り組みと報告基準が評価され、PRIリーダーズ・グループに選出されました。最新の2020年PRI報告フレームワークについては以下のリンクをご参照ください。
PRI reporting framework 2020 -
気候変動を含む課題へのエンゲージメントと議決権行使の概要
ロベコは、20年以上にわたり培ったエンゲージメントと議決権行使の実績があり、アクティブ・オーナーシップの統合的な取り組みに関しては資産運用業界においてベストプラクティスとして広く認識されています。ロベコは、ESGをテーマとした長期的に持続可能な株主価値の創造を促す株主提案を支持しています。ESGにおけるシステミック・リスクの中で最も重要なリスクは気候変動であり、ロベコはその課題への取り組みを大幅に強化しました。2050年までに運用資産全体においてCO2排出量を実質ゼロにするというコミットメント、気候変動方針の拡充、そしてステークホルダーとのエンゲージメント活動の成果を通じて、投資家がパリ協定の目標達成に向けて遅れを取ることがないよう促しています。
ロベコは、排出量ネットゼロに向けたロードマップを2021年10月に発表し、中間時点での目標の開示を含め、2050年までにCO2排出量を実質ゼロにするという目標への道筋を示しました。詳細については以下のレポートをご参照ください。
Stewardship Policy[2.1MB]
Climate change and Covid-19 lead Stewardship Report
Proxy Voting Season Overview[2.3MB]
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第二次EU株主権利指令(SRD II)
ロベコは、長期的な株主エンゲージメントを促進することを目的としたスチュワードシップコードに加えて、欧州株式の機関投資家に適用される第二次EU株主権利指令(SRD II)に対応するように取り組んでいます。
私たちは、責任投資と長期的な株主とのエンゲージメントに長年注目してきました。株主としての権利を行使して、投資先企業と建設的に関わり、お客さまの長期的な利益に貢献します。ロベコのエンゲージメント活動の専門家チームが、投資家との協議を通じて財務および持続可能性の観点から重要課題であると特定したテーマについて、年間約230社と活発な対話を続けています。このような活動は、企業行動に影響を与える有効な手法であることが証明されています。また、ロベコは毎年約7,000回もの株主総会で議決権を行使しています。ロベコのすべての活動は、SRD IIの準拠に加えて、資産運用会社に対してアクティブ・オーナーシップを実践することやオーナーシップ・ポリシーおよび慣行にESG要素を組み入れることを求める責任投資原則(PRI)にも準拠しています。
詳細については以下のレポートをご参照ください。
Shareholder Rights Directive II -
ESGインテグレーション
2020年12月31日時点で、ロベコの運用資産総額は1,761億ユーロであり、そのうちESG要素を統合した運用資産総額は1,603億ユーロ(AUM総額の91%)です。ESG要素を統合した運用資産は、3つのカテゴリーに分類されます:
1)ESG 情報を投資判断に活用する戦略:完全なESGインテグレーション、独自調査の利用、投資除外ならびに議決権行使およびエンゲージメントが組み込まれている戦略です。 この戦略に基づくAUMは1,385億ユーロです。
2)サステナビリティに焦点を当てた戦略:これらの戦略は、ベンチマークより優れた環境フットプリントなど、ESGプロファイルについての具体性のある持続可能な開発目標を掲げています。この戦略に基づくAUMは91億ユーロです。
3)インパクト投資戦略:エネルギーやモビリティ、国連のSDGsなどの測定可能な持続可能性に関するテーマに投資することで明確な影響を与えることを目的とする戦略です。 この戦略に基づくAUMは127億ユーロです。詳細については以下のレポートをご参照ください。
Sustainability Report 2020[3.0MB]
環境エネルギー事業
持続可能な社会の実現に向けて、脱炭素社会と循環型社会の形成に貢献する事業を推進します。
- 脱炭素社会に貢献する事業として、グローバルに再生可能エネルギー事業を拡大します。海外では、再生可能エネルギーの開発から運営を一貫して手がける専門性と機能を持つElawan Energy社を戦略的プラットフォームとして事業を拡大します。日本では、太陽光発電システムの第三者所有モデル(コーポレートPPA)の導入を全国で推進します。
- 循環型社会に貢献する事業として、廃棄物の再資源化および適正処理事業を拡大します。自治体のごみ処理を補完する取り組みや、食品廃棄物を活用した発電所の建設などを進めます。
不動産事業
安全・安心・快適性を第一に、環境に配慮して脱炭素化を実現すること、地域と共生することを事業推進における方針とします。サステナビリティの観点を取り入れた商品やサービスを提供し、サステナブルな社会の実現を目指します。
- オフィスビルや物流施設の開発では、環境性能や安全・安心を第三者に明示できる外部認証を取得します。また保有物件からのCO2排出量の削減計画を策定し、省エネ設備への入れ替えや再生可能エネルギーの導入を進めます。
- 分譲マンションの開発では、ZEH-M Oriented(ゼッチ・エム・オリエンテッド)仕様を基本とし、物件のエネルギー消費量の削減を進めます。
- 施設運営事業では、環境に配慮した備品を提供し、食品廃棄物や食品ロスの低減に取り組みます。地域の食材利用や地域からの雇用に加えて、地域の魅力を発信する取り組みを地元企業と協業して進めます。ホテル・旅館ではお客さまの安全・安心を第一として、衛生維持管理の行き届いた運営に努めます。
輸送機器事業
航空事業 | 航空業界のCO2排出削減に対する社会からの強い要請を認識し、オペレーティング・リース会社として航空会社の排出削減目標を補完します。そのためにも、燃費効率の良い新型機種の保有割合を高めていくことが重要と考えています。 |
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船舶事業 | 自社で所有する船舶は、燃費の改善や環境負荷の低減ができる仕様を基本とします。また、原則として、2025年以降に発令される国際環境規制(2025年以降に建造される船舶に対して、基準値比CO2排出量30%の削減を義務付ける)に準拠することとします。 |
自動車事業
車両による環境負荷低減や交通事故の削減、車両運行に伴うコンプライアンスの遵守・強化につながるサービスの提供を進めます。そして、ESG への対応、脱炭素社会に向けた取り組みとして、「お客さまに対する環境対策支援」および「自社施設・事業における脱炭素化」を推進・強化します。
- リース事業において、お客さまの電気自動車、燃料電池車導入に対する不安を解消し、安心して導入いただける環境の整備を進めます。
- レンタカー事業において、環境性能に優れた車両の導入を進めます。またレンタカー店舗で使用する電力のグリーン化に取り組み、CO2排出量の削減を実現します。
事業投資・コンセッション事業
事業投資 | 投資先に対しサステナビリティを意識した経営を求め、それによる企業価値向上に努めます。投資先のCO2排出削減を重要な課題と認識し、設備の入れ替え、使用電力の再エネ化などの削減取り組みを投資先とともに進めます。また、投資実行においては、社会課題の解決に資する産業を注力分野とします。 |
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コンセッション事業 | 関西エアポート株式会社では、「関西エアポート環境宣言」において環境負荷低減に向けた具体的な目標および施策を定めており、CO2削減目標として「2030年度に40% 削減(2016年度比)、2050年度の実質ゼロ」としています。 |
法人営業/アジア・豪州事業
法人営業 | グループ営業の中核として、国内ネットワークを駆使して、社会課題の解決に取り組みます。
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アジア・豪州事業 |
化石燃料採掘業やパーム油プランテーション、林業(木材の加工販売を含む) といった環境負荷の高い業種に対する与信残高を縮小していきます。
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銀行事業
サステナビリティを経営の基軸とします。サステナビリティ方針で特定した4つのテーマと付随する9つの重要課題に則って、社会の課題解決に資する商品やサービスを提供します。
- 持続可能な経済・社会の創造
「高齢化社会対策」「地域活性化」「スマートでレジリエントな社会の実現」 - 安心・安全な住まいと暮らし
「住み続けられるまちづくり」「都市問題の解消」 - 自然共生社会の実現
「気候変動対策」「循環型社会の形成」 - 誰もがのびのびと働ける職場づくり
「ダイバーシティとインクルージョン」「人材育成と自己実現」
- ファイナンスでは、再生可能エネルギー事業や環境・リサイクル事業、防災・インフラ事業、優良な住宅の開発・供給事業など、持続可能な社会の基盤となる産業を主な取引対象とします。
- 個人のお客さまの長期的な資産形成をサポートする運用商品を提供します。
生命保険事業
多様化するお客さまの生き方や価値観に寄り添った商品・サービスの開発・提供を進めます。また、資産運用においては、ESG投資に取り組み、中長期的な収益の確保と、持続可能な社会の実現の両立を目指します。
- 商品ラインアップの拡充に取り組み、人生100年時代を生きるお客さまにフォーカスした商品開発を進めます。
- お客さまとのコミュニケーション方法の改善を進め、ストレスのないスムーズな対応を実現します。
- 生命保険会社としての資産運用の特性を踏まえ、お客さまへの保険金等の給付を確実なものとするために、安定性・収益性・流動性に留意した運用を行います。また、国民経済や生活の向上に資するように、お客さまから拠出された資金でESG投資にも取り組みます。