オリックスに入社後、約6年間は営業法務部に所属し、営業部署が取引を行う際の契約書の作成・レビューを担当しました。前職ではコーポレート部門の担当でしたので、営業法務は未経験で当初は勘所をつかむのに苦労しました。その要因は、オリックスの事業分野がファイナンスから産業廃棄物処理に至るまで、他に類を見ないほど多角化していることにありました。そのほとんどが自分にとって未経験の分野であるため、社内の営業部署から依頼が来ても、そもそもどのようなお客さまと、どのような取引を行いたいのか、それらを理解するのに毎回頭を悩ませたのを覚えています。 そこで大きな助けになったのは、部内に法務のベテランがそろっており、非常に高い専門知識を有していたことです。分からないことに関してすぐにアドバイスを求めることでき、加えて、ファイナンスの基礎知識が体系的に整備された社内マニュアルを見て勉強できたことも力になりました。そうして知識習得に努めつつ、実際に契約書を作成した際に上司にレビューしていただくことで、徐々に勘所がつかめるようになっていきました。 「オリックスならでは」を感じたのは、社内に驚くほどいろいろなタイプの契約書のひな形があることです。それは当社が多様な事業を展開し、しかも次から次へと新しい事業に取り組んでいて、多様な契約を数限りなく締結しているからこそ。世の中にこんな会社はあまりないのではないかと感じています。豊富な先例を見て勉強できるのは、オリックスならではの醍醐味です。
営業法務部にいる間は、リースやローンの事業が分かってきたなと思い始めたら、次はファイナンスとは根本的に考え方の異なる環境事業へと、1〜2年ごとに担当分野が変更になりました。その度にほぼ転職したといえるくらいの幅のある業務を経験することができ、前職にはなかった多岐にわたる知見を得ることができました。