Feature 「0から1を生み出す力」

デジタル活用で
新しい価値を創出

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PROFILE

岩野 徹也

TETSUYA IWANO

法人営業本部 デジタル戦略推進室
2018年入社
前職:大手通信事業者の新規事業開発

前職ではモバイル関連の新規事業開発を担当。そこで培ったスキル・ノウハウを生かしつつ、通信という枠組みにとらわれず0から1を生み出す仕事を求めて転職活動を行い、オリックスと出会う。多角的に事業を展開しているオリックスなら、取引先の業種も幅広く、事業ドメインに縛られることなく新規事業を検討できるのではないかと思い入社を決めた。

※掲載内容は取材当時のものです

オリックス流
「先進性」 Forward-Thinking

限られた情報から
商機を見いだし、
事業化へ

オリックス入社後3年間はグループIoT事業部(当時)の新規事業開発部隊に所属していました。入社して早々、私に課されたミッションは、新規事業の種を見つけること。まずはパートナー企業を探し、その後オリックスの強みとパートナーの強みを掛け合わせた新規事業を検討していきました。当時はオープンイノベーションが注目されていて、他社もパートナー戦略を展開していました。オリックスは世界中で無数の企業とのつながりがあります。とはいえ、そのつながりから何らかの情報を得られたとしても、そこにビジネスの勝ち筋を見いだし、他に先駆けて行動を起こさなければ、「0から1」を生み出すことはできません。オリックスの本当の強さは、マクロ環境の変化をとらえ、その領域に知見を持つキーマンと接触して国内外の情報を収集し、限られた情報を基にすぐに行動を起こすことで得られる「先進性」にあります。 例えば、私が入社直後にマーケティング担当として携わり事業化を実現した、インドの調査会社が海外で展開する市場調査レポートのサブスクリプションサービスの国内展開(オリックスが国内独占販売代理店として拡販)もその好例です。これは、オリックスが行った取引の関係者からもたらされた情報が出発点となったものでした。 「インドの調査会社が面白いサービスを提供している」という一つの情報から、この「市場調査レポートのサブスクリプションサービス」と「オリックスの営業力」の掛け合わせに商機を見いだし、事業化へと動き出しました。パートナー企業や社内の関係者との連携に奔走し、苦労して企画をカタチにしていく中で、「これがオリックス流か」と体感したプロジェクトでした。

攻めの新規事業と
守りのガバナンス体制

入社4年目に、現在も所属する法人営業本部デジタル戦略推進室に異動し、プロジェクトマネージャーとして新規事業開発を担うことになりました。ここでのミッションは、デジタルの活用による新しい価値の創出です。異動後すぐにアサインされたのは、オリックス初となる法人向けSaaSサービス(※)事業の立ち上げプロジェクト。その時点ですでに元となる企画はあったのですが、事業戦略などの点において社内で事業化の承認を得るには足りない部分があり、事業化まではまだ遠い状況でした。私は前職での新規事業の企画や推進業務の経験を生かし、事業戦略、事業収支の想定、お客さまへの価値提供のスキームなどを整理し、レポートラインの役員にプレゼンテーションを行いました。これによりこの事業の実施意義や採算性などが認められ、事業化に向けた予算を獲得することができました。その後、プロジェクトが前に進むごとに数千万円から億単位へと予算が増額。事業の勝ち筋が見えれば、初となる事業に対しても惜しみなく予算を配分してくれるのだなとありがたく思うとともに、改めてオリックスの新規事業開発への高い意欲と意志を感じました。
国内でSaaSのサービスを提供している多くのシステムベンダーやベンチャー企業と比較して、ブランドネームと広域な営業ネットワークを有することは、オリックスのアドバンテージのひとつです。現在、SaaSサービスのテスト版を法人営業本部のお客さまに試用いただいているのですが、こういった対応ができるのも、オリックスの強固な顧客基盤があるからこそだと感じています。新規事業開発を担う私たちの部隊が、法人営業本部に属しているメリットがここにあります。 前職と比較してオリックスは個人事業主の集まりのような印象があり、ボトムアップでさまざまな新規事業の企画が持ち上がります。私たちが事業化へ向けて積極的かつ自由に動けるのは、審査部門やIT投資を統制する部門、情報セキュリティー部門などがガバナンスを効かせて、ちゃんとブレーキをかけてくれるからだと思っています。オリックスのガバナンス部門には高い専門性をもったプロフェッショナルが集まっていて、時には案件の立案側が気づけていないリスクを指摘されることもあります。また、これだけ事業が多角化しても問題なく運営できるのは社内規則がきちんと整備されているからだと感じます。新規事業を成功させるにはある程度ビジネスモデルをとがらせないと意味がないところもあるので、私たちは攻めの姿勢で奔走しますが、ガバナンス部門が守りを固めてくれるのはとてもありがたいです。 ※SaaSサービス:ベンダーが提供するクラウドサーバーにあるソフトウエアを、インターネットを経由してユーザーが利用できるサービス

「深まるキャリア」 Career

プロジェクトマネージャーとして
責任が伴う分、
深く考える能力が養われていく。
その先にイノベーターとしての
成長がある。

プロジェクトマネージャーになってから、事業を因数分解して考える能力が深まったと感じています。新規事業開発に着手する際、その事業が“定量的”にビジネスとして成り立つものであることが条件になります。この条件を満たしていることを確認する手段として、例えば収益について、想定するターゲットユーザーの定性的な情報を外部の調査データなどを用いてひもとき、Life Time Value(LTV)(※)・Average Revenue Per Account(ARPA)(※)といったビジネス指標、商談数、成約数、獲得コストなどの定量的な情報に因数分解した上で、時系列で推計します。さらに因数の中で影響度を判定し、注力すべきKPIの特定と、KPI達成に向けた具体的施策の整理なども行います。このようにさまざまな情報を基に深く考え、整理し、ビジネスとして成り立つことを証明したことで、「企画」から「実行」に移すことができるようになりました。 オリックスにとって新たな試みとなる事業の立ち上げを一手に任されたことは、私にとって深く考えることを癖づける機会になりました。当然のことですが、新規事業開発において事業性を深く、正しく検証し、レポートラインの理解を獲得しなければ事業化につなげることはできません。この理解を獲得するための検証・説明は、時には高いハードルのように思うこともありますが、その過程で自分の思考力が鍛えられていることを実感しています。 私は、この先も新規事業開発のキャリアを歩んでいきたいと思っています。もちろん新規事業を生み出す難易度は高いですが、その難しさを突破できるスキルセットを深めていきたいですし、そのためには自分に裁量を与えてくれるオリックスの環境は魅力的です。今後は連続的にさまざまなドメインの事業開発や投資に携わるシリアル・イノベーターになることが私の目標です。 ※Life Time Value(LTV):ある顧客から生涯に亘ってもたらされる利益のこと
※Average Revenue Per Account(ARPA): 通信サービスやWebサービスなどにおける1アカウントあたりの平均売上を表す指標