ニュースリリース

関西初*1、歴史的建造物の外観を生かした分譲マンション
『グランサンクタス淀屋橋』販売開始
~歴史・文化的景観保存に“曳家工法”を採用~

2012年07月03日

オリックス不動産株式会社

 オリックス不動産株式会社(本社:東京都港区、社長:山谷佳之、以下「オリックス不動産」)は、本日、大阪市中央区今橋に建設中の分譲マンション『グランサンクタス淀屋橋』(地上13階地下1階建、総戸数60戸、他 店舗1戸)の販売を開始しますので、お知らせいたします。

 『グランサンクタス淀屋橋』は、オリックス不動産のマンションブランド「サンクタス」に「グラン」を加え、歴史的建造物を生かした壮大で価値の高い住まいのブランドイメージを表現し、命名しています。当該立地の1918年(大正7年)築の旧建物が戦前の優れた近代建築物として周辺景観の重要な要素となっていたことから、当時の趣をできるだけそのまま残すために、旧建物の外壁を保存した上で、分譲マンションを新築しています。住宅事業においては希少な「曳家工法(ひきやこうほう)」を採用し、新築マンションの外壁の一部として歴史的建造物を活用し、共存を図ります。また、外壁の保存には、大阪市が実施する「大阪市HOPEゾーン事業」 *2の「まちなみ修景補助制度」を活用しております。

 外壁に保存・活用する旧建物は、明治・大正時代に、東京駅や日本銀行本店などの設計を手掛けた建築家・辰野 金吾(たつの きんご)が創立した辰野片岡建築事務所により設計され、1918年(大正7年)に大阪農工銀行として竣工。1929年(昭和4年)に、建築家・國枝 博(くにえだ ひろし)により改築され、1968年(昭和43年)からは繊維・アパレル商社の本社屋として使用されてきた、淀屋橋エリアを代表する歴史と建築美を備えた鉄筋コンクリート造のモダン建築物です。
 『グランサンクタス淀屋橋』に採用される曳家工法は、保存する外壁だけを残しながら、既存建物を解体し、補強後に外壁の下にレールを敷き込み、新築部分まで曳き込むものです。これまで首相官邸やJR奈良駅などで採用されており、歴史的価値のある建物をそのままの形で残す場合や、地震などで杭の座屈などがあった場合の工法として知られており、外壁は現行法規に即し、地震などの応力に対して新設構造と同じ挙動となるように新設されるコンクリートとアンカーボルトなどで固定されます。
 新築分譲マンションに採用される例はめずらしく、景観の保存や価値ある建築物を保存するという点で、今後、住宅事業においても広く活用が期待される工法と考えられます。
 『グランサンクタス淀屋橋』は、大阪市営地下鉄御堂筋線・京阪本線「淀屋橋」駅より徒歩3分の立地で、古くから大阪のビジネス拠点として栄えてきた淀屋橋エリアの中でも、レトロなビルが建ち並ぶ三休橋筋に位置しています。周辺ではガス灯の設置が進むほか、日本銀行大阪支店、大阪府立中之島図書館、大阪市中央公会堂をはじめとする歴史的建築物が多く存在する、文化的要素の高いエリアです。
 オリックス不動産は、本物件をはじめ、旧大阪厚生年金会館大ホールの外観を残してリノベーションオープンした『オリックス劇場』など、これまで親しまれてきた歴史や文化を生かし、現在のニーズと融合させた新たな価値を提供してまいります。

*1 有限会社MRC調べ。大正~昭和初期の近代建築の外壁を残し、新築建物の外壁の一部として活用した分譲マンションは、関西初となります。

*2 大阪市HOPEゾーン事業について
HOPEゾーン事業の「HOPE」は、「Housing with Power Enviroment」の略で、「地域固有の環境を活かした居住地づくり」を表しています。大阪市内には、伝統的な町家やお屋敷、昔ながらの長屋や蔵、モダンな近代建築など、たくさんの魅力的な建物が存在しています。これらの歴史的・文化的な雰囲気やまちなみなどに恵まれた地域を、居住地イメージを高めるモデルゾーン(HOPEゾーン)として位置付け、様々なまちづくり活動を展開しながら、それぞれのエリアの特性を活かしたまちなみづくりを進め、『住みたい・住み続けたい大阪』につながる、魅力ある居住地づくりをめざす事業です。(「大阪市」HPより抜粋)

■曳家工法について
●曳家工法とは
 保存する壁の足元に、荷重を受けるための受桁を設置します。その受桁ごとジャッキアップして、移動先に向けて設置されたレールの上の「丸棒」を転がして、横移動させていきます。
移動させた外壁の内側に、所定のピッチでアンカーボルトを設置した上で、新設する柱・梁・壁などのコンクリートにしっかりと定着させます。

●本物件における特徴・要点
 外壁を保存する方法としては、テラコッタの部品をひとつひとつ切断・取り除き、再度取り付ける方法もありますが、取り除く際に破損するリスクが大きいため、曳家工法を採用することにより、歴史を背負った「アラベスク模様のテラコッタ」や「壁コーナーの曲線美」などが、創建当時のまま保存されることになります。
 外壁の移動・固定作業が完了すれば、外壁に付いているテラコッタやタイルなどが、健全に固定されているかどうか、安全性の確認をし、タイルの浮きなどがあれば、モルタルや樹脂接着剤の注入により、剥離・落下を防ぎます。
 また、新しい躯体に構造上必要な「耐震スリット」部分の目地が、保存壁にも必要となります。地震などの応力による外壁の安全性を担保するための措置です。

■立地/背景
 『グランサンクタス淀屋橋』の建設地である淀屋橋エリアは、大阪市中心部を南北に縦断する御堂筋にあり、土佐堀川を臨む周辺には、大阪市役所、日本銀行大阪支店をはじめ、大手企業が連なる大阪を代表するオフィス街です。
 江戸時代初期に活躍した豪商「淀屋」によって架けられた淀屋橋に由来しているといわれ、蘭学者・医者として知られる緒方洪庵が開いた適塾跡が当時の風情を残すなど、多くの文化遺産が存在します。
 また、明治時代~昭和初期にかけては、日本銀行大阪支店旧館(明治36年)をはじめ、大阪府立中之島図書館(明治37年)、大阪市中央公会堂(大正7年)、新井ビル(大正11年)、芝川ビル(昭和2年)など、今も現存する多くの近代建築物が建てられたエリアです。
 特に本計画地が位置する三休橋筋は、中之島の大阪市中央公会堂から南に延び、大阪の中心部でありながら、近代建築や旧家などのレトロな建物が多く残り、ガス灯が建ち並ぶモダンストリートとして古き良き大阪の雰囲気を残しています。芸術家・文化人の集まるサロンやレストランなども点在し、文化的要素の高いエリアです。
 また、本物件立地は梅田と心斎橋を繋ぐ南北の中心に位置し、鉄道は大阪市内の交通の要所でもある、地下鉄御堂筋線・京阪本線の終着駅「淀屋橋」駅を最寄り駅とします。道路も御堂筋に近接し、東西に土佐堀通りが走るなど発達した交通網を有しています。

■外壁について
 『グランサンクタス淀屋橋』の外壁に活用する旧建物は、1918年に大阪で辰野片岡建築事務所の設計により大阪農工銀行として竣工した後、1929年に繊細で華やかな装飾を得意とする國枝博により全面的な改修設計が行われ、アラベスク文様のテラコッタで全体が覆われています(当初は2階建て、後年3階部分を増築改修)。本物件では、この歴史的建造物の外観を保存することを目的に「曳家工法」を採用し、当時の意匠を残したままに、新たに内層に居住空間を取り入れます。

辰野 金吾(たつの きんご)
1854年~1919年。明治、大正時代の建築家。嘉永7年8月22日生まれ。
辰野隆の父。イギリスに留学し、帰国後帝国大学工学大学教授、後、工科大学 長を務める。
退官後は、設計者として、建築界に貢献した。
代表作に、日本銀行本店、東京駅等。大正8年3月25日死去。66才。
肥前唐津(佐賀県)出身。工部大学校(現東大)卒。旧姓は松倉。
(『日本人名大辞典』講談社 より)

國枝 博(くにえだ ひろし)
1879年~1943年。
明治12年6月20日岐阜県生まれ。
明治38年、東京帝国大学 工科大学建築科卒業。
明治40年、韓国統督府技師に就任。
明治45年、欧米各国に出張を任ぜられ、
大正7年9月、高等官3等、同年10月、正5位に叙せられる。
同年10月、國枝工務所を開設する。
(「建築と社会」社団法人日本建築協会 昭和18年9月号 より要約)

■『グランサンクタス淀屋橋』の主な特徴
①保存外壁の高さを利用した約4.4mの天井高さを有するロフト付2階住戸(リビングダイニングのみ)
②エントランスロビーの一部に、旧建物で使われた木材を保存して移築
③「大阪市防災力強化マンション」に計画認定
④外壁保存工事の一部に「大阪市HOPEゾーン事業」の制度を活用
⑤省エネルギー対策等級4(最高等級)を取得
⑥ホテルライクな内廊下設計
⑦全戸ディスポーザー標準装備
⑧暮らしを守るセキュリティプラン
 ・ALSOKと提携したセキュリティシステム
 ・ハンズフリーでエントランスドア等を開錠可能なClavis Tebraシステムを採用
 ・エントランス、住戸扉に加え Clavis Tebraシステム連動エレベーターを導入した、トリプルセキュリティオートロックシステム
 ・全開口部に防犯センサーを設置(FIX窓除く)
 ・共用部にAED(自動体外式除細動器)を設置

■『グランサンクタス淀屋橋』の名称について
 オリックス不動産は、マンションブランド「サンクタス」を提供しています。『グランサンクタス淀屋橋』は、「サンクタス」に「グラン」を加え、歴史的建造物を生かした壮大で価値の高い住まいのブランドイメージを表現しました。「グランサンクタス」の名称での展開は、本物件が初となります。

名称 グランサンクタス淀屋橋
所在地 大阪市中央区今橋3-20-1(地番)
交通 大阪市営地下鉄御堂筋線線「淀屋橋」駅より徒歩3分
京阪電鉄京阪本線「淀屋橋」駅より徒歩3分
大阪市営地下鉄堺筋線「北浜」駅より徒歩5分
京阪電鉄京阪本線「北浜」駅より徒歩5分
用途地域 商業地域
敷地面積 774.13m2
建築面積 486.79m2
建築延床面積 5666.09m2
構造・規模 鉄筋コンクリート造/地上13階、地下1階建
建築確認番号 BCJ11大建確024(平成23年7月27日) BCJ11大建確024変1(平成24年2月16日) BCJ11大建確024変2(平成24年4月24日)
総戸数 60戸(他、店舗1戸)
販売戸数 45戸(第1期)
販売価格 3,760万円~5,650万円
販売時期 2012年7月
専有面積 56.09m2~78.83m2
間取り 1LDK+S~2LDK+S
バルコニー面積 4.56m2~12.32m2
駐車場 機械式10台(月額利用料:未定)
駐輪場 60台(月額利用料:未定)
バイク置場 バイク2台、ミニバイク6台(月額利用料:未定)
竣工予定 2013年7月(予定)
入居予定 2013年9月(予定)
分譲後の権利形態 専有部分は区分所有権、共有部分は専有面積割合による所有権の共有
管理形態 区分所有者全員により管理組合を結成し管理会社に委託予定
事業主(売主) オリックス不動産株式会社
設計・監理 株式会社IAO竹田設計
施工会社 鹿島建設株式会社
販売提携(代理) 株式会社プロヴァンスコーポレーション
管理会社 株式会社ジャパン・リビング・コミュニティ

お問い合わせ先

【本件に関するお問い合わせ先】
オリックス不動産株式会社 社長室 永井・中村・石井
TEL : 03-5418-4313
【グランサンクタス淀屋橋ホームページ】
URL : http://www.y-60.jp新しいウィンドウで開きます。

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