産休・育休復帰後の女性が働き続けられる環境はもちろんのこと、「男性の育休取得」が社会的に広がりを見せている中で、オリックス・システムでも多くの社員が制度を利用しています。しかし、子育てと仕事の両立がしやすい社内環境は、外部からはなかなか実態が見えにくい部分。そこで、今回は実際に育休を取得して働き続けるパパ・ママ社員に当社でのワークライフバランス実践をざっくばらんに語ってもらいました。

Profile

オリックスIT支援部
コーポレート財務経理チーム

K.I

前職は独立系SIerでアプリ開発・保守をしていたが、よりユーザーに近いところで働きたいという思いから、2017年にオリックス・システムに入社。2019年、2021年に育休取得した二児の母。

基盤運用部
プラットフォーム運用チーム

M.M

前職の独立系SIerでは業務システムの開発・提案活動をしていたが、時間外労働が多く休日出勤も多い環境で、子育てにも参加できない状態に。2017年に労働環境の改善を求めてオリックス・システムに入社。2020年に第二子が誕生し、半年間の育休を取得。

Theme 01

家族の負担を減らせる育休取得。気づかいがありがたかった

育休の取得から家庭と仕事の両立まで、これまでの経緯を教えてください。

K.I 1人目の子のときは2018年11月から産休に入り、翌年の4月まで約4カ月間育休を取得しました。周囲の男性社員にもお子さんを持つ方が多く、「育休、こんなに短くて大丈夫?」と心配して声をかけてもらっていましたが、当時はとにかく早く仕事に復帰したくて「大丈夫だと思います!」と答えていました。現場から離れるとモチベーションが下がってしまうという懸念もあって短めの育休を選びましたが、周囲の気づかいはありがたかったですね。

M.M 私も二児の父ですが、上の子が生まれたときは前職でハードな働き方をしており、育休はおろかふだんの育児にも参加できませんでした。リモートワークもできないので毎日夜中に帰宅し、子どもの寝顔を見るだけ。土日にようやく遊び相手になれるという状態で、同じくシステムエンジニア(SE)として働く妻に負担をかけてしまいました。

そんな環境を変えたいとオリックス・システムに転職。2020年に2人目が生まれる際に、一足先に育休を取得していた同僚から「絶対に取った方が良い」とすすめられました。上の子がママ大好きでベッタリなので、産後母親が赤ちゃんにつきっきりになると寂しがりそうという思いもあり、育休取得を決めました。

K.I 弟妹ができると、上の子が甘えられなくなってしまうという問題はとてもよくわかります。わが家も2021年に2人目が生まれ、上の子が寂しくてわがままになってしまったとき、夫が面倒を見てくれたり、一緒に遊んでストレスを発散してくれたりして、どうにか乗り越えられました。このときはコロナ禍のさなかということもあり、2021年度の1年間、育休を取得しました。夫婦で子育てに専念できたのがよかったですね。

Theme 02

周囲のサポートも手厚く、引き継ぎや休業のブランクも乗り越えられる

育休取得や仕事の両立で、大変だったことはありましたか?

M.M 私はもともと育休をとるという発想がなかったので、同僚から話を聞いた後に制度面を確認して、収入も一定保証があることや、復職時にも不利にならないことを調べることからスタートしました。上長に相談したときには私の選択を尊重してくれて、すんなりと育休に入れることになったのは驚きでしたね。忙しい時期だったにも関わらず、1カ月前から仕事の量を調整してくれて、チームメンバーへの引き継ぎも案内してくれるなど、周囲からはとても助けてもらえました。

申請などの手続き面でも、人事担当に相談したら復帰までに必要な書類などをまとめて用意してもらえたので迷うことはありませんでした。会社としてもサポート体制がしっかり整えられていて、心強かったですね。

K.I 仕事との両立という面では、1人目の育休取得は4カ月と短期間だったこともあり、復帰したときに周囲の環境もユーザーも変わっていなかったので、すぐに業務に戻れました。一方で、2人目は1年間の育休だったので、仕事に復帰したときブランクがあって戸惑うことに。システム用語やユーザーとのコミュニケーション、ビジネスメールの送り方などがわからなくなっていて、周囲にも助けてもらいながら一つ一つ仕事を進めなければならず大変でした。3カ月ほどが経って、ようやく勘が戻ってきたと思います。

また、復帰後は時短勤務に変更したため、限られた時間の中で効率的に仕事を進めることを意識していました。15時までしか働くことができないからこそ、自分が案件を止めることがないよう、相手にボールを迅速に返すことを意識してやり取りすることが大切だと思います。

Theme 03

リモート環境が家事・育児と仕事を両立する秘訣

育休を取得して変わった点や、良かった点はありますか?

M.M 前職での1人目の育児は、妻が時短で働きながらワンオペで子育てをしている状態でした。育休を取得できた2人目の育児では、私も念願の育児に参加。夜中に泣き声で起こされて世話をしたり、ミルクを飲まなくて悩んだり、育児の苦労を味わうことができたことが、大変だけどとてもうれしかったです。新生児期だけの赤ちゃんのかわいさを、ようやく親として経験できたと感じました。周囲で育休を検討している同僚にも、「子どもの小さい頃はすぐに終わってしまうから、本当に貴重だよ」と取得をすすめています。

また、職場からは復帰前に「ちゃんと君の仕事があるから、いつ戻ってきても大丈夫」と声をかけられていたので、安心して復職できたという面もありがたかったですね。

K.I 確かに復職直前は不安ですよね。仕事がある、と事前に連絡してもらえるのはうらやましい!私としては、2回の育休を取得するときに、どちらも余裕を持って仕事を離れるための引き継ぎができたことで安心感がありました。相談しながら仕事を引き継いでいけるのは、計画的に育休を取得できる当社環境のメリットかなと思います。

M.M オリックス・システムはリモートワークができる環境だから、育休復帰後も家事と育児が両立できている面もありますね。始業前に掃除をする、お昼休みに洗濯物を取りこめる、ということができ助かっています。通勤がないのもありがたいですが「メリハリがなくなって気づけばずっと働いてしまう」ということにならないよう「保育園のお迎えには必ず自分が行く」など役割分担やルールを決めて両立しています。

K.I 休み時間に洗濯機をまわす、保育園のお迎え前にご飯を炊いておく、といった動きができるのはリモートワークならではですよね。わが家の場合、育児は私、家事は夫と明確に役割を分けています。そうすると、だんだんと「多少散らかっていてもいいか」という気持ちになってきます(笑)。寛容な気持ちを持つことも仕事と育児の両立では大切かもしれませんね。

Theme 04

オリックスグループがユーザーだから、理解ある環境が整っている

働きながら子育てができる環境のために、何が求められると思いますか?

M.M オリックス・システムはチームメンバーや上司の理解もあって、男性社員でも育休がとりやすい環境ですが、制度があっても利用しにくい会社も多いと思います。そうした文化は外部からは見えづらいので、就職先を選ぶときにもっと情報があるといいですね。

K.I 当社はオリックスグループがユーザーということもあって、ワークライフバランスに関する考えが浸透しており、時短勤務にも理解があります。先方の担当者が「打ち合わせの時間早めますね」など自然に対応をしてくださったのが印象的でした。男性の育休取得についても、実際に取得した社員が増えているからこそ、より取得しやすい雰囲気になってきたと感じています。

一方で、男性の育休は女性の産休・育休と比べて産後しか取得できないのがネックですよね。2人目の出産では、いつ陣痛が来るか分からない中で上の子の面倒を見てほしい、というニーズがあります。予定日の何週間か前から取得できるといいな、と感じました。

M.M それは確かにそうですね。私も業務の節目となるタイミングを見ながら妻の産後1カ月で育休に入りました。出産日以降に育休申請ができるようになるという事情もありますが、臨月の女性は体調もつらく家事も難しい。妻が大変なときに私も休みが取れたらな、と思っていました。

男性がもっと子育てに参加できる社会になっていってほしいですね。当社は子育て関連や家事代行などに年間6万円分使用できる福利厚生もあり、落ち着いて働き続けられる環境は整っていると思います。だからこそ、これから入社される方にも育休取得はどんどんすすめていきたいですね!