「働くパパママ川柳」が見据える、多様な価値観を認め合う社会

[Publisher] withnewsより転載

多様な人材が、多様なライフステージに応じて、多様な価値を十分に発揮する「ダイバーシティ&インクルージョン」という考え方は、今や企業が達成しなければならない価値観になりました。『オリックス 働くパパママ川柳』を主催するオリックスでは、多様な働き方を後押しする中で「仕事と育児の両立」という一つの課題に着目し、5年前からこの企画に取り組んでいます。

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慌ただしい毎日の中から生まれる感謝の気持ちや幸せを感じる日常の一コマが共感を呼ぶ『働くパパママ川柳』。なぜオリックスがこの企画を実施するのか。多様な価値観が反映された「働き方」を実現するためにオリックスがどのようなことに取り組んでいるか。フリージャーナリストの浜田敬子さんとともに探ります。

「必要に迫られて」進めてきた職場改革

オリックスは「Keep Mixed」という考えのもと、社員それぞれの能力や専門性を最大限に生かす職場づくりに早期から注力してきました。例えば、1997年に女性の部長や支店長が誕生し、2014年には女性の執行役も誕生。2021年3月末時点で、管理職のうち、23.5%(812人)が女性です。

※ オリックスグループ主要10社における割合(人数)。

その背景を、グループ人事・総務本部の直井厚郎副本部長は語ります。

理事職 グループ人事・総務本部 副本部長 直井 厚郎さん
1993年オリックス入社。浜松町支店を皮切りに支店営業を経験し、2010年から人事部人事・組織管理チーム。2016年にグループ人事部長となり、2018年より現職

「必要に迫られてやってきたというのが正直なところです。オリックスのビジネスはリース業からスタートして、金融を中心に幅広い事業に展開してきました。その変化に対応するためには多様な人材に集ってもらう必要があり、男女問わずに採用活動に力を入れてきました」

ところが、女性社員の採用を増やしても、当初は4、5年で辞めてしまう社員がほとんどだったそうです。出産や結婚による退社が多く、社員にもっと長く会社で働いてもらう仕組みづくりをしようと大きく舵を切っていきました。

育児や介護などを理由に一時的に職種や等級をシフトできる「キャリアセレクト制度」(2012年〜)、退職者が退職時の理由を問わず再入社に応募できる「カムバック再雇用制度」(2016年〜)、通常のフレックスタイム制度からコアタイムを廃止し、1日の最低勤務時間を1時間とした「スーパーフレックスタイム制度」(2017年〜)など、次々と柔軟な働き方を支援する制度が生まれていきます。

「2016年から職場改革推進プロジェクトを進め、200名以上の社員に、マネージャークラス・若手社員・男性・女性などのグループにわかれて現行制度の課題や必要な施策を検討してもらいました。社員の声を聞いていくと、特に時間に関する要望が多かった。弊社は営業力を重視してきた会社で、『最後は気合いと根性だよね』という文化がどうしても根強い。時間をかければなんとかなる、という価値観を変えていく必要がありました」(直井さん)

例えば、2017年に終業時刻を午後5時20分から午後5時に変更したのも、この職場改革推進プロジェクトでの社員からの提言がきっかけでした。たかが20分ですが、されど20分。この変更が“早く帰りやすい雰囲気”を作り出したといいます。「残業時間も結果的に減りましたし、会社全体としての生産性もあがりました」と直井さん。

ジャーナリスト 浜田 敬子さん
前Business Insider Japan統括編集長。元アエラ編集長。著書に『働く女子と罪悪感』。「羽鳥慎一モーニングショー」「サンデーモーニング」コメンテーターも務める

浜田さんは「定時の変更には、二つの大きな意味がある」と話します。

「コロナ禍で在宅勤務が普及し、時短勤務からフルタイムに戻せたという女性が多い。時短勤務を選ぶ限り、給料が減るだけでなく、重要な仕事が任されなくなったり、それが昇進に影響したりすることもある。何より本人が精神的に後ろめたさを感じてしまい、キャリアに前向きになれなくなる。オリックスでは、定時の変更によって短時間勤務を選ばずにすんだという女性社員が多かったようで、これはその後のキャリアに大きな影響もあると思います」

「そして定時の変更というのは女性のためだけの施策ではないこともポイント。女性たちは私たちだけ特別扱いされていると肩身の狭い思いをしなくて済む。さらに男性も保育園のお迎えなどに行きやすくなります。男性女性に限らず、家庭との両立がしやすい環境になっているところがいいなと思いました」

また、オリックスでは、社員の評価基準における時間の考え方にも変化が起きたそうです。

「同じ成果の社員を比べたときに、『あいつは夜遅くまで頑張っているから』といった理由で評価してしまう傾向がありました。でも残業時間の長さで評価するのはやめて、むしろ効率的に成果を出している社員を評価するように呼びかけ、意識は変わってきています」(直井さん)

女性のみならず、外国人やシニア、障がい者も積極的に登用し、2020年には経済産業省の「新・ダイバーシティ経営100選」に選ばれたオリックス。直井さんは「オリックスは世間一般的には金融の会社、もしくは野球のイメージが強いと思うのですが、『働くパパママ川柳』を通じて、オリックスの人材に対する想いや価値観を知っていただき、多くの人が多様な働き方を通じて各々の価値を十分発揮できる社会の実現を少しでも後押しできれば」と話しました。

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現役女性社員たちが「働きやすさ」を本音で語る

つづいて、オリックスで働く女性3人に現場の本音を語ってもらいました。

〈座談会の参加者〉

音田 りえさん/1998年に入社し、法人営業を担当。1人目の子どもの産休・育休復帰後、広報業務に従事。2人目の産休・育休後は、総務に復職。課長職を経験し、現在はグループコンプライアンス部コンプライアンス推進チーム長。

宇埜 涼子さん/2004年に大学卒業後、証券会社に入社。2006年にオリックスに転職。夫の転勤に合わせ、福岡支店、熊本支店、名古屋支店と異動しながら法人営業に従事。現在は、名古屋支店第一チーム(取材当時)。

半田 敦子さん/2008年に大学卒業後、損害保険会社に入社し、内勤事務に5年ほど従事。その後鍼灸マッサージの資格を取得するべく学校に通いながら派遣事務を経験。2015年にオリックス生命に転職。キャリアチャレンジ制度を利用して、2019年からオリックスのグループ広報・渉外部宣伝チーム。

浜田:さまざまな経験を積まれている皆さんですが、ずばりオリックスは働きやすい会社ですか。

音田:そうですね。私は新卒で入って会社を変えていないので、比較ができませんが、働きやすい会社だと思います。理由は、お子さんが生まれてもそのまま働き続けている女性の先輩たちが近くにいたから。キャリアをイメージしやすかったので、子どもができたから仕事を辞めるという選択肢は考えなかったですね。

グループコンプライアンス部コンプライアンス推進チーム長 音田 りえさん

半田:私もそこは働きやすいポイントだと思います。私は結婚していないですが、チームのメンバーを見ていると、結婚し子どももいるけれど仕事を続けている。自分にも何かしらの生活の変化が起こったとしても、その先の働き方をイメージができるのはいいですよね。ロールモデルが身近にいるので。

浜田:やはり女性の数が多いというのはメリットなんですね。特に働いていて、良いと感じる制度はありますか。

音田:子の看護休暇制度ですね。未就学児がいる社員は、年5日、自分の有給とは別に休暇があります。最初は1日単位でしか取れなかったけれど、半休単位でも取得できます。また時間単位の年次有給休暇制度(2018年~)を利用すれば、1時間単位で休むこともできるようになりました。子どもが小さいと、予防接種などで仕事を休まないといけないことがあるんですが、それは非常にありがたかったかなと思います。

宇埜:私も働きやすい会社だと思います。私は夫と暮らしたいという思いがあるので、彼の転勤に合わせて勤務地を選ぶ配偶者転勤エリア変更制度を利用しました。その制度がなければ転職していたと思います。

名古屋支店第一チーム 宇埜 涼子さん

浜田:福岡、熊本、名古屋と異動されているんですね。かなりフレキシブルですよね。ご家庭の事情を躊躇(ちゅうちょ)なく会社に言える風土はありますか。

宇埜:そうですね。自分自身の家庭環境や働き方について、相談できる風土や制度は整っていると思います。

浜田:女性で営業の方も結構いらっしゃいますか?

宇埜:はい、います。前いた会社ですと、女性だからという理由で、担当先が違ったり、目標が少し小さくなったりしたことがあったんです。でもオリックスは、性別を理由に差をつけられることはないですし、ありがたいです。

浜田:コロナ禍で営業のスタイルも変わったのではないですか?

宇埜:そうですね。融資の際など、一連の手続きをオンラインでできるようになりました。そのため自宅でも作業が可能になり、決裁をいただけるのは大きな変化でした。

浜田:今後、ご自分のキャリアについてはどう考えていらっしゃるのですか?

宇埜:営業職の経験が長くなってきたので、さらなる成長機会を求めて、会社の自己研修制度を活用して大学院に通いました。仕事以外の場でも経験を積みながら自分を高めていくことを考えています。大学院通学はプレゼン能力や論理的思考力を磨くことが目的だったのですが、税理士や弁護士、企業の社長など、仕事以外のネットワークができたことが非常に大きかったですね。

いろいろな制度を活用するほかない

浜田:制度はあっても使いづらいとか、短時間勤務になると嫌な顔をされるとか、そういう雰囲気はないんですね。

音田:使いにくいことはないと思いますし、時短で働く方も結構いらっしゃいます。私は管理職ですが、子どもの保育園のお迎えがあったので、5時で帰ると決めていました。チーム長になるときに、「子どものお迎えのために定時で帰りますが、いいですか」と念を押したら、「5時以降はサポートするから」と上司が言ってくれました。日中に部下から受けた相談はその日のうちに返すなど、細やかに対応していれば長く会社にいる必要はない。今はパソコンや携帯もありますし、必要に応じて退社後に連絡を取り合うこともできますから。

浜田:課長クラスの女性管理職を対象にした「メンタリングプログラム」というものもありますね。音田さんは実際に参加されてみてどうですか。

音田:互いに客観的な意見を言い合えるのが良かったですね。私は管理部門が長くなっていたので、営業部門の上席の方と接点を持ちたいと思い、人事にマッチングしてもらいました。私自身、キャリアパスについていろいろ相談できましたし、相手の相談を聴く機会もありました。

浜田:半田さんはキャリアチャレンジ制度を利用されたということですが、なぜ利用しようと思ったのですか?

※ キャリアチャレンジ制度…異動希望者が希望する部門と直接面談を行い、希望部署への異動にチャレンジできる制度。

半田:社内広報の業務に携わりたいと思っていたところ、キャリアチャレンジ制度を利用して手を挙げ、うまくマッチングすれば、グループ会社間でもいわば社内転職ができる、と知りました。もともといたオリックス生命の広報というポジションも考えたのですが、もう少し広い事業を視野に入れて仕事をしてみたいと思って制度を利用しました。

グループ広報・渉外部宣伝チーム 半田 敦子さん

浜田:結構な人が使ってらっしゃると伺っています。自分から手を挙げて異動することが、何も特別なことではないんですね。

半田:そうですね。毎年、数十名が希望して採用されているので、活用されている制度だと思います。

浜田:これまでのお話を聞いて印象的だったのは、女性社員の数が多いことに加え、いろいろなタイプのキャリアの描き方を会社が許容、推奨していることです。ヒエラルキーが強い企業だと、出世をしないと意味がないというような風潮が見られますが、オリックスは一旦ご自分のライフスタイルに合わせて働き方をペースダウンするような制度もある。多様な働き方が認められていますよね。

半田:そうですね。私自身、正直、中途で入社するまで知らなかったです(笑)。入ってみて、こんな会社だったんだ!と。今は社内広報の仕事をしているので、社内報の企画でいろいろな社員を取り上げて記事にしているのですが、昇進だけがキャリアアップではないという考え方を持っている社員がたくさんいます。自分の中でもキャリアを築く上で参考になります。

浜田:大企業の場合、制度は整っているけれど、実際には使いづらいことが課題になっている会社もありますが、オリックスはある制度が躊躇なく使えるところが一番のポイントになりますね。

半田:使える制度は必要に応じてどんどん活用していこう、と考える社員が多い気がします(笑)。選択肢があるということは、例えばキャリアチャレンジ制度を通した異動が仮にかなわなかったとしても、次に別の挑戦をしようというように考えられますから。

音田:自己主張できる社員が多いと思います。私も子どもが小さいうちは、「この1年はちょっと無理だな」と思って、自分で働き方をセーブしながらやっていた時期がありました。でも子どもが大きくなって、フルで仕事ができる環境が整ったら、そう主張する。それを女性だからダメとか、子どもがいるからダメと捉える社風ではないと思いますね。社員一人一人が声をあげることで制度が生まれ、活用が広がっていくのだと思います。

浜田さんは「こんな風通しのいいコミュニケーションがある会社、なかなかないですよ」と話しました。多様な働き方を実現してきたオリックスが、当初はビジネスの拡大・変化に対応する形で早期から人事制度改革を行ってきたとともに、社員一人一人が声をあげて制度を活用しながら自己実現を目指し、現在多様な社員がそれぞれのキャリアを描きながら活躍している様子を感じることができました。オリックスが、仕事と子育てを両立するパパやママを応援する『働くパパママ川柳』に取り組んできた背景もお分かりいただけたのではないでしょうか。それぞれがやりがいを持ちながら働ける社会の実現にむけてのヒントがここにあるかもしれません。

(構成・五月女菜穂、撮影・伊ケ崎忍)

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