「オリックス 働くパパママ川柳」特別審査員「爆笑問題」の田中裕二さんに子育ての喜びとモヤモヤをうかがいました
[Publisher] withnewsより転載
6回目を迎えた「オリックス 働くパパママ川柳」には、4万7,188作品と今年も多くの応募が寄せられました。特別審査員を務める田中裕二さんは、妻の山口もえさんと一緒に、働きながら子育てに奮闘中です。「時代をよむという意味で、漫才と川柳は似ている」と話す田中さんとともに今回の受賞作品を振り返りながら、慌ただしい日々の中で過ごす家族との時間や、子育てに奮闘するパパの葛藤について語っていただきました。
「まさに今朝の我が家!」子育て世代の日常の風景
今年の大賞は「毎食が SDGs 子の残り」。子どもが残していった食事を食べるという、ともすればネガティブに受け取られがちな要素を、SDGsへの貢献という大きな視点でポジティブに捉えた作品です。
「この状況、まさに今朝の我が家でも見たなと。『子どもの残りものを食べる』という日常の何気ない風景を大きな視点で捉え、くすりと笑わせてくれるこの作品は、今の時代の働くパパママ川柳だなと感心しました。他にも、〈テレワーク〉〈リモート会議〉〈オミクロン株〉などについてよんだ句も多くあり、コロナ禍における仕事と子育てのリアルが伝わってきました」
おままごとで聞く力と対応力が鍛えられる!?
大賞の他にも、田中さんを「うんうん、あるある」とうなずかせたのが「聞く力 おしゃべり娘に 鍛えられ」という作品です。田中家の4歳の末っ子がまさに「おしゃべり娘」なのだといいます。
「いろいろな言葉を覚えてくる娘は、本当におしゃべりで、“ごっこ遊び”が大好き。今日も朝から、『私がこう言うから、そうしたらパパはこう言ってね。』といろいろな設定を決めて、演出してきました。まだ4歳なので、途中で設定はめちゃくちゃになってくるし、架空の友だちが突然現れたり、急に僕が攻撃されたり——。仕事が忙しくて疲れがたまっていると、おままごとに付き合いながら眠くなってくるので、苦しまぎれに『夜になりました。おやすみなさい』って少しでも仮眠しようとすれば、5秒も経たないうちに『コケコッコー!朝ですよ』と起こされるんです」
ほほえましいエピソードですが、仕事で疲れている時に子どもたちと向き合うことの大変さもひしひしと伝わってきます。
「楽しいけれど、ヘトヘトという状況のなか、“でもここで、仕事にもきっと役立つ聞く力が鍛えられているんだ”と思えたら少しハッピーですよね。我が家の場合は、ごっこ遊びの中で、聞く力だけではなく対応力も鍛えられているかもしれません(笑)」
多くの働くパパが、時には「もうお手あげだ!」と感じてしまうこともある子どもとのコミュニケーションも、自らのスキルとパワーに変えていく。田中さんならではの子育ての楽しみ方と、前向きなスタンスが垣間見られました。
「会えないから」「そばにいるから」伝えたい気持ち
「じぃじばぁば目線の『“高い高い” じぃじぃパソコン 持ち上げる』という作品は、本当にその景色が目に浮かぶようで、ぐっときました。コロナ禍で帰省できない、孫に会えない、という方は多かったと思います。パソコンで孫の顔を見て、思わずパソコンを高く持ち上げてしまう気持ちには、孫に会いたい気持ちがあふれ出ていて素敵だと思いました。『子がお菓子 こっそりくれる テレワーク』も好きですね。僕自身は家で仕事をすることはあまりないのですが、家にいると、息子が自分のおやつをそっと僕にくれることがあります。かまってほしかったり、聞いてほしいことがあったりするんだと思います。こうした家族と過ごす時間の中であふれ出てくるあたたかな気持ちを五・七・五のリズムに乗せてくみ上げられることも、川柳の魅力だと感じました」
成長する子どもたち、変わっていく家族を取り巻く環境
コロナ禍で学級閉鎖になり、家で子どもたちがリモート授業を受けていた時には、ママの大変さを目の当たりにしたという田中さん。
「毎日子どもが家にいて、3度の食事の支度をして、洗濯をして掃除をして——。洗濯や掃除はなるべく自分が担当するようにしていますが、それでも、子育てをしているとパパは無力だと感じることもしばしば。例えば、末っ子がママの隣で寝たいとぐずり出してしまったら、ママが寝かしつけないと、その状況はおさまらない。ママの都合がどうであれ、パパではその代わりはきかないんです。代わってあげたいのに、代わってあげられない、そんなもどかしさがあります。そんな時、そっとママを手伝う長女を頼もしく思うことも。『いつの間に 小さなママの レシピ増え』という作品には、成長する長女の姿を重ねてしまいます。家族のためにもっといろいろ貢献したいと思うばかりで、その思いが空回りしがちなパパよりも、子どもたちの方がママを手助けできる存在に成長しているなんてことも、多いでしょうね」
仕事や子育てを取り巻く環境が日々変化する中で、「働くパパママ川柳」に描かれた日常の一コマを通して、応募句の数だけ多様な家族のカタチや関係性があることがわかります。慌ただしい毎日の中で、ふとした家族の優しさや昨日まではなかった子どもの頼もしさに触れ、あふれ出てくる気持ちを川柳によみこむ。時には自分の無力さを感じてモヤモヤすることはあっても、日々仕事と子育てにまっすぐ向き合う田中さんが見つめる日常もまた、働くパパママ川柳の世界と重なり合いました。
【プロフィル】
田中裕二(たなか・ゆうじ)
1965年東京都生まれ。88年にお笑いコンビ「爆笑問題」を結成。以後ライブをはじめ、テレビやラジオ番組で人気を博す。2015年に山口もえさんと結婚。17年に「イクメン オブ ザ イヤー」を受賞した。14歳、11歳、4歳の3児の父。
みんなで選ぶ共感賞 皆さまの投票をお待ちしています
思わず笑顔、思わず涙、あなたの心を動かした一句を教えてください。第6回「オリックス 働くパパママ川柳」の受賞作品と佳作の合計39句の中から、皆さまの投票により、“みんなで選ぶ共感賞”を選定します。
投票いただいた方の中から抽選で20名様にAmazonギフト券2万円分をプレゼントします!以下のバナーをクリックして詳細をご確認のうえ、ぜひご参加ください。たくさんのご投票、お待ちしております。