イノベーションは破壊的である必要はない。イノベーションを再考する五つの着眼点

[Publisher] Inc.

この記事はInc.のMartin Zwillingが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。 

筆者がコンサルタント業務のなかで出会う起業家や積極的な事業主のほとんどは、目新しい破壊的ソリューションを見つけて競合他社を駆逐することを、成功への鍵と考えているようです。ただ、もしあなたがその一人なら、Win-Winとなる機会を逃しているかもしれません。その機会とは、既存市場を漸進的に拡大したり、技術によって新市場を創出したり、新しい時代の社会に貢献したりすることです。

例えば現在、宇宙観光旅行を提供する企業や新型ウイルスを抑えるワクチンの開発企業では、製品が一つ売れるたびに貧困者に無料で製品を一つ提供するアイデアなどが生み出されています。ネットフリックス社は、レンタルDVD事業を提供するブロックバスター社のビジネスに多大な影響を及ぼしましたが、すべてのイノベーションが同じくらい破壊的である必要はないのです。

リーダーシップの概念に関して学術的な賞や経営に関する賞を多数受賞しているW・チャン・キムとレネ・モボルニュ氏の新著『Beyond Disruption(破壊的革新を超えて)』には、推奨される提案が多数掲載されています。この記事では、同書で紹介されている主要な戦略的洞察を、筆者自身の体験と合わせてまとめています。

1. 顧客価値の発見に重点を置いて市場をリードする

まずは「既存の状態を壊さずに、市場を改善させること」に関する観点から始めましょう。これは「現行プラットホームを再構築する」という姿勢から、「将来どうなる可能性があるかを構想すること」に姿勢を切り替えることを意味します。新たな現実を作り出し、環境を変え、これまでとは異なる行動によって新たな世界を構築するのです

その際、手段と目的を混同しないようにしましょう。革新的な技術に魅了されがちですが、新製品の導入により、使いこなすための学習曲線とインフラの変更が必要となる場合があるため、それらを相殺できるだけの「直接的な価値がある」と、顧客や市場に認識させる必要があります。破壊的ではない価値を伴うイノベーションを追求してみてください。

2. 未解決・未開拓の課題や新たな需要に対して取り組む

新たなチャンスは、「ずっと前から存在するが、これまでは解決が不可能だった課題」や、「有効な新しい市場であるとみなされず、探究されてこなかった課題」にあるかもしれません。また、既存業界の垣根を越えて生まれつつある需要を探してみましょう。夢は大きく、しかし小規模から始めて、チャンスをつかむことをおすすめします。

筆者の経験では、ビジネスにおける最大の勝者は「いまは見えていない『曲がり角の先』を見通す」ができる、つまり、顧客ニーズや課題を発生する前に予見することが得意な人です。これを可能にするには、常に先を見越して、新たな動向に迅速に反応するよう心がける必要があります。

3. 前提をゼロベースで捉え直す

このプロセスは、チャンスの存在を隠してきた「既存の前提」を覆すことから始まります。解決策を見つけるために、今日の技術で捉え直す(リフレーミングする)のです。独自の観点を切り開く勇気と、識者からの干渉や憶測に動じない覚悟を持ちましょう。

筆者は、最も革新的なビジネスリーダーたちが、自分の視点を変え、異なる考え方を採用して不安を軽減するために、リフレーミングを使いこなすのを見てきました。リフレーミングとは、課題や問題をこれまでとは異なった視点から見て、代替となる解決策を見出すことにより再概念化することなのです。

4. チームの自信と能力をフル活用して成功に導く

成功につながる要素としては、自分とチームの問題対応能力を十分に活用する、社内リソースを結集させる、「できる」という心構えを育てるなどが挙げられます。どんなイノベーションでもそうであるように、市場からのフィードバックを得る必要もあります。自社が支援しようとしている実際の顧客を対象とした、迅速な市場調査を実施するのです。

筆者はメンターとして多数のビジネスパーソンに出会ってきましたが、なかにはリスクを嫌う人や、前向きな決断をする能力に自信がない人も多いことに気づきました。ビジネスリーダーとしては、成功に焦点を当て、リスクを負う人たちに対して正当に報いることで、不安に対処しなければなりません。

5. 高い目標を設定し、顧客にとって「より良い世界」を築く

「破壊的でないイノベーション」の機が熟した領域はたくさんあります。例えば、世界人口の高齢化、世界のエネルギー需要への対処、宇宙における人間の立ち位置に関する、より詳細な探査などです。どれも社会的な混乱や破壊を生じさせることなく、また、既存ビジネスへの影響を引き起こすことなく、事業の成長をもたらすものと考えられます。

そうした高い目標こそが、金銭の獲得だけでは決して引き出すことのできない側面で、人々に意欲を起こさせるでしょう。企業が成長して繁栄するためには、自社が行うすべての事業領域において高い目標を見出し、外部に発信する必要があります。それによって、若い世代の顧客や従業員も、より高い目標に真の価値を見出すことができるようになります。

このような段階を踏むことにより、経済成長と社会的利益がトレードオフにはならない世界で、Win-Winの結果を生み出すためのイノベーションを起こすことができます。変化に関する従来のアプローチ(破壊的革新など)は、すべてにとっての苦痛を伴うことに加えて、時間がかかり過ぎてしまうのです。現代の消費者によって最も好意的に評価されるビジネスの世界を構築するために、ポジティブサム(positive-sum:互いが利益を得る)という考え方に基づくこの新しい戦略を推奨します。

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