後継者育成における長期メンターシップの重要性とその事例

[Publisher] HR Dive

この記事はHR DiveのCarla Bellが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。 

メンターによる指導は、あらゆる学習・人材育成計画の柱になり得ますが、後継者の育成計画においても重要な役割を果たす可能性があると、ある人事部幹部は述べています。

ジル・リトル氏は、金融サービス企業・ファーストコマンド社の人事およびリーダーシップ育成担当エグゼクティブバイスプレジデントです。同社では、幹部が退職する4年前から引き継ぎを開始することができるプロセスが策定されています。ファーストコマンド社で12年間働いてきたリトル氏自身も、2023年10月に退職する予定です。

オン・ザ・ジョブ・トレーニング(OJT)

この記事が公開されている『HR Dive』とのやり取りのなかでリトル氏は、自分と会社が、後任となる人物とどのように連携して今回の引き継ぎの準備を行ったかを語ってくれました。後任は人事・人材育成担当シニアバイスプレジデントのショーナ・ドーバー氏で、すでにかなり長い期間をかけて引き継ぎに向けた準備を進めてきたと言います。

オープンな引き継ぎ計画のプロセスは複雑になる可能性がある、とリトル氏は述べています。その理由は、多くの組織で「レームダック化(任期が残っているのに影響力を失うこと)」が懸念され、一方でより長い引き継ぎ期間を望むリーダーたちからの意見も考慮しなければならないからだそうです。「われわれの場合、社内で候補者を見つけられたことと、退職までの期間を長く取ることを支持する社風があったのは幸運でした」と、リトル氏は語ります。

リトル氏によれば、ファーストコマンド社の経営陣は彼女からドーバー氏への引き継ぎ期間について、綿密に計画して混乱なく行うには2~3年が最適だと判断したそうです。これにより「私が担当するプロジェクトを段階的に減らしてファイルを整理しながら知識を共有する機会を得られ、ドーバー氏には質問する機会を与えることができました」とリトル氏は言います。また、効果的な引き継ぎは少なくとも1年間のスケジュールで行われる、と付け加えました。

とは言え、引き継ぎ計画と移行期間について完璧な公式が存在するわけではない、とリトル氏は指摘します。状況が変われば計画も変化するものです。リトル氏とドーバー氏の場合も、「新型コロナウイルス感染症によって計画が後回し」になったことで、2年の引き継ぎ計画が3年に伸びました。ただスケジュールが長期化したことで、二人はコロナ禍への対策として「分割統治」的なアプローチをリアルタイムで策定することができたそうです。つまり、ドーバー氏が新型コロナ関連の従業員対応を主導し、リトルが組織変革を主導したのです。「一刻を争う決断を下すにあたり、新しいリーダーがトレーニング中だったことは非常に有益でした」とリトル氏は述べています。

リトル氏とドーバー氏の双方で準備が整ったと合意したときに、二人はドーバー氏の人材育成計画や引き継ぎ計画を更新しました。そして、ファーストコマンド社の経営陣の他のメンバーとの会合を四半期に1回の頻度で開催し、ビジネス上の関係を構築していったのです。

「随時更新」される引き継ぎロードマップ

ファーストコマンド社における2年間の引き継ぎロードマップは、ある幹部が組織を離れるという決定が共有されたところから始まります。次に、人材育成計画や準備計画がロードマップに組み込まれます。これは四半期ごとに新しいリーダーの関係構築や、リーダーシップ育成、幹部教育に関して重点を置いて運用されるとリトル氏は説明します。このように、常に変化を続ける「随時更新」的なロードマップで重要なのは、後継者の強みと弱みを見極めることだとリトル氏は語っています。

ファーストコマンド社の人事・リーダーシップ育成担当エグゼクティブバイスプレジデントのジル・リトル氏。 画像提供:ジル・リトル氏

第二四半期に、ドーバー氏がリトル氏の役職を継ぐつもりがあることが最終確認された後、取締役会が引き継ぎ計画を検討し「随時更新される作業計画」が作成されました。そして、引き継ぎプロセス全体を通して、必要に応じて改定・更新されました。

第三四半期では、ドーバー氏は、会議でリトル氏のシャドウイング(メンターの日々の仕事に同行し業務を間近に見ることで、仕事のスキルなどを学ぶこと)を行いました。最終的にはドーバー氏が会議を進行するようになり、社外会議で会社の代表を務めました。「この重要な時期に、ドーバー氏は他の経営陣との1対1の会議を通して、関係を築き始めました」とリトル氏は述べています。

ドーバー氏の昇進に関する正式な社内発表は、その次の第四四半期で行われました。人事部の再編成により、さまざまな責任がドーバー氏の管理下に置かれ、最高経営責任者と定期的に1対1の会議を行っています。引き継ぎロードマップにおける最後の四半期で、新しいリーダーが離職する幹部によってシャドウイングされながらトップに立っている、とリトル氏は説明します(この場合、離職する幹部とはリトル氏自身です)。

リトル氏は、「最後の6カ月間、ドーバー氏は実際にこの役職を務めています。そして、引き継ぎを滞りなく行うために、私が退職する前に、私のオフィスに移ってくる予定です」と述べています。「私にとっては質問に答えつつ引退に向かう期間であり、ドーバーにとっては、学んだことをすべて生かして本当の意味で自ら輝こうとする期間なのです」。

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