AI時代の業務改善に、今すぐ取り入れたい三つの打ち手を紹介

[Publisher] Inc.

この記事はInc.のJoel Commが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。 

AIは最近のホットな話題であり、ジャーナリストやテクノロジー専門家、政策立案者のあいだで注目の的となっています。対話型AI「ChatGPT」や「Bard」、画像生成AI「Midjourney」などのAIモデルが、アート、テキスト、コードなどの生成方法に大きな変革をもたらしていますが、これが新たな流行のサイクルにすぎないのか、それとも真の転換点なのかを判断するのは困難です。

AIに関する筆者の考えは過去に公開した記事から変わらず、自分の予測を翻すつもりはありません。つまりAIを恐れる理由は何もないと予想しているだけでなく、企業はコスト削減のためにAIを積極的に活用するべきだと考えています。この記事では、どのような方法で、誰も解雇せずに、AIによる業務改善を実行できるかについて解説していきます。

1. アウトソーシングの最適化

スタートアップや企業が提供するサービスや製品が何であれ、企業が成長する途上ではアウトソーシング(外部委託)が必要になる段階が生じます。外部委託プロセスに非効率性が存在すると、企業成長に伴ってその重大性も増し、最終的には無視できないほどになるでしょう。残念ながら、こうした非効率性の発見と解決にはコストがかかり、高くつく可能性があります。

幸い、この問題をAIがさまざまな業界においてすでに解決しつつあります。ロンダ・ディバック氏が設立したヘイ・スコッティー社は、自動価格設定エンジン技術を用いて、製造業者が部品の仕上げ加工をアウトソーシングできるオンラインサービスを提供しています。機械学習を使用したこのプラットホームは、何百万もの登録項目からAIを使って数分程度で評価し、利用者にとって最適な加工業者を紹介するという仕組みです。

AIを活用した最適なアウトソーシングでコスト削減を図るには、自社業務のどの領域がすでに外部委託されているか、またどの領域を外部委託できるかを特定することから始めるとよいでしょう。その上で、ヘイ・スコッティー社のサービスのような、各領域に存在する既存のAI搭載プラットホームを探すことができれば簡単に解決できるはずです。万一そのようなプラットホームが存在しない場合には、AIに特化した開発者を雇うか、カスタマイズした機械学習ソリューションを導入する作業を外部委託するのが、長期的に見て有益である可能性があります。

2. リスキリングの促進

どんな企業でも、事業を成功させるためには従業員のスキルギャップの解消が不可欠なことは言うまでもありません。そうすることで、チームワークを向上させてイノベーションを促進するだけでなく、最悪の事態への備えという点においても役立ちます。残念なことに、スキルアップとリスキリングの取り組みに関する進捗状況の追跡とROI(投資利益率)の測定は、かなり難しい場合があります。

バクティ・ヴィサラン氏が設立したビッグ・スプリング社が提供する、AIを利用した技能支援プラットホームは、雇用主と従業員の両方がスキルアップに取り組みつつ、お互いが同じ目標に向かって進むことを支援するものです。AIによって一人一人に最適化されたコーチング体験を提供し、従業員に対しては雇用を長期的に維持する上で最もスキルアップを図ったほうがよい分野を判定します。一方で雇用主に対しては、従業員のスキルを評価し、ROIを推定するための手段を提供しています。

リスキリングの取り組みを加速させるためには、AIを活用して従業員の学習体験を個別最適化してみてはいかがでしょうか。AIを利用したスキルギャップ評価ツールは、従業員のスキルを将来にわたって適切なものにするために不可欠なスキルを特定する手段にもなります。

3. 複雑化しすぎた工程を簡素化する

工程を簡素化することは、AIの本質の一つです。複雑化しすぎた工程をAIで特定し、社内チームがより効率的に作業できるようにすることは、コスト削減の有力な手段になります。またチームが重要な問題に取り組めるようになれば、長期的なコスト削減にもつながるのです。工程の簡素化には、データ収集の自動化からサプライチェーンの最適化に至るまで、あらゆることが含まれます。

アーメド・レザ氏が設立したヨビ社は、AIを利用して、顧客と企業のコミュニケーションの合理化を図るスタートアップです。同社のプラットホームは、コミュニケーション経路を一本化するだけでなく、感情分析、同期、アラート、統合を自動化します。これにより、企業のコミュニケーション管理を容易にし、仕事量も削減されるため、企業が量より質にこだわることが可能になるのです。

AIの本質はプロセスをより単純にすることなので、自動化と簡素化はAIの得意分野です。ChatGPTのような生成型AIによって、AutoHotKeyなどのさまざまなツール用の簡単なスクリプトの作成ができるようになっており、これは、誰もが利用できる強力な自動化機能につながる可能性があるでしょう。しかし、自動化したいタスクによっては、社内ツールを作成する適切なプラットホームを見つけるか開発者を雇うことが、最も確実な方法である場合もあります。

AIの力を借りて、コストを削減し、事業主と従業員の両方にとって日常業務を改善するために活用する方法はたくさんあります。AIは強力なツールであり、現時点では個々人の創造性によって活用の限界が決まると言っていいでしょう。既存のAI搭載プラットホームを利用するのであれ、個別最適化されたツールの開発に投資するのであれ、もはやAIを無視することはできなくなっています。

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