古くて新しいシカゴのスマートシティ現在地

[Publisher] TechBullion

この記事はTechBullionのLuke Fitzpatrickが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

米イリノイ州で最も人口の多い街であるシカゴでは、古いものと新しいものが美しく調和しています。19世紀後半に建設された建物が現在も立ち並ぶ一方で、驚くほど斬新な建築がさまざまに混在しており、シカゴを訪れる大勢の人を引きつけています。

街の至るところで見られる「古びた感じ」とは裏腹に、シカゴ市では街が提供するサービスの多くをテクノロジーの活用によって大きく改善しています。公共交通機関から公共インフラに至るまで、環境に優しい技術の採用と導入や「スマートグリッド」への投資など、数多くの方法でテクノロジーを活用し、住民に提供するサービスを向上させています。

環境志向のシカゴ交通局

シカゴ交通局(CTA)では、新型の「L-5000系」の導入をはじめとする鉄道車両の電化を推し進めています。これらの新型車両には、回生ブレーキが搭載されています。車両がブレーキをかけたとき、モーターを発電機として作用させ、発生した電力を電車線に戻し、他の電車が使えるようにする仕組みです。最新技術というわけではありませんが、これによりCTAの車両が電力網から取り込む電力の全体量が少なくなるため、シカゴ市とその住民にとってエネルギーの削減になっています。

CTAでは完全電気式バスの台数を増やし、それ以外の車両はクリーンディーゼルエンジンで走行させる取り組みも行っています。さらに、CTAはシカゴ市民に故障時の対応やその他サービスを提供しており、その支援車両はハイブリッド電気自動車または圧縮天然ガス(CNG)で走る車両のどちらかになっています。

スマート街灯

シカゴ市がもう一つテクノロジーを取り入れているのが、スマート街灯です。市はエネルギー効率の高いLEDを使ったスマート街灯を27万基設置しました。これらの街灯は、カメラとその他の先進的な技術による検知方法を利用して、その場所に適正な量の光を照らします。また、センサーなどのデータポイントを利用して自動的に明暗を調整するので、シカゴにおけるスマート電気グリッドの費用を削減しているのです。

移動を簡単で安価に

環境に優しい交通システムへの投資と並行して、シカゴ市とさまざまなソフトウエア開発企業は、人々が利用する電話アプリにスマートテクノロジーを導入し、シカゴ市民が街を移動する方法を変えています。

アプリが自転車や徒歩用ルートの地図を作製してくれるほか、リアルタイムに調整される駐車場アプリケーションは、最安値ですぐに駐車できる最適な場所を見つけてくれます。最良の価格を提供すると同時に、運転者は駐車場を探す時間を短縮できるため、交通渋滞と大気汚染を減らすことにもつながっています。

イリノイ州シカゴでの駐車は高額になることがあります。平均的な1カ月分の駐車場料金が300.33ドルと、驚くような価格になることもあるのです。これはシカゴの物価の高さを物語っており、特に渋滞の激しい地域では住民と観光客の両方にとって大きな課題となっています。

シカゴへ旅行したり生活したりする際に、このような出費の計画を立てて予算を当てておくことは、経済的な負担を避けるために不可欠です。駐車料金はたとえ高額でも避けられない出費であることが多いため、経済的負担の一部を軽減するには、別の駐車場の手配を検討したり、公共交通機関を利用したりする方法もあるでしょう。

電気自動車(EV)の充電

全米各地のEVの普及に伴い、シカゴをはじめとする大都市では、それを支援するためのインフラ整備が急速に進んでいます。シカゴのダウンタウンから15キロメートル以内に602カ所のEV充電ステーションがあります。そのほとんどは無料で駐車でき、無料でない場合でも手頃な料金設定となっています。このような大きな変革を取り入れることにより、シカゴは急速に未来都市になりつつあります。

市民に対する自転車利用の奨励

いまよりも環境に優しい未来を手にするために、シカゴがテクノロジーを活用したもう一つの事例が、市民に対する自転車利用の奨励です。シカゴには117マイル(約190キロメートル)を超える自転車専用道路があり、自転車での移動は簡単で場合によっては車よりも速いことがあります。シカゴでは自転車向けの地図作成技術を活用しながら道路を整備し、利用する人々に向けてリアルタイムに情報提供を行っています。

また、電動自転車の利用範囲を大幅に拡大したほか、電動キックスケーターの共有サービスも拡大させています。さらに、現在はポールなどで区切って保護されている自転車専用レーンを、2023年末までにはコンクリートの縁石を使った区切りに改良して路面整備を行い、利用者の乗り心地の質や自転車の寿命を向上させることのことです。

屋上緑化の推進

自分の家の屋根を畑にすることができるかもしれないと考えたことはありますか? シカゴ市はそう考えて屋上緑化を実現しました。食料や植物が自宅と環境に貢献することに加え、建物の屋根の上で生きた植物を育てることで雨水の管理が改善され、飲料水へのカドミウムや銅、鉛の流出を減らすことにつながっています。

屋上緑化は大気汚染を改善するとともに、都市環境では生息できない鳥や他の動物たちにとっての、自然の生息場所を守ります。

まとめ

シカゴは、アメリカの「スマートシティ」の一つになるという計画を掲げ、国内で最もテクノロジーを活用しながら進歩した街として、その地位を急速に確立しつつあります。市長と市の当局者たちは、水、エネルギー、時間、資金などさまざまな分野における無駄を削減するためのテクノロジーに重点的に投資しています。

そうすることによって、彼らはシカゴが住民にとってさらに住みやすく、観光客にとっては手頃で訪れやすい場所にしたいと望んでいます。こうした取り組みには、テクノロジーの活用によってこの街で生活したり旅行したりする人々に、より良く、環境に優しく、安全な街を作ろうとする市の努力が反映されているのです。

テクノロジーの進歩が続くなかで、市長と市の職員は、それらをシカゴのインフラに積極的に取り込み、シカゴという街の可能性をさらに高めることに意欲を見せています。

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