[Publisher] TechRadar
この記事はTechRadarのPiero Gallucciが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。
テクノロジーとデジタル化、そしてサステナビリティーという三つの言葉は、現在、かつてないほど強く結びついています。
新型コロナウイルスの感染拡大を通じて、多くの企業では、急速なデジタルトランスフォーメーション(DX)を経験しました。これにより、多くの経営者たちは、優れたDX戦略を持つことの重要性を認識しました。
DXが日常業務の一部となったいま、経営者たちにはもう一つ、挑戦すべき課題があります──それはサステナビリティーです。世界は、この実現に向けた改革の歩みを進めており、ダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)やCOP27(第27回気候変動枠組条約締約国会議)といった世界の舞台で議論されています。
現代の都市のなかには、「低排出ゾーン(Low Emission Zone:ディーゼル自動車の排ガス削減を目的とした交通公害対策)」と呼ばれる区域を設けている都市もあります。従来型の都市政策から、市民参加型の「スマートシティー」への変化が進んでいるのです。自動車産業では電気自動車(EV)に重点が置かれ、地方自治体や各国政府はCO2排出量の高い車両に対する法規制を進めています。自動車産業にとどまらず、幅広い産業で、自社のカーボンフットプリントを削減するための具体策を構築し始めている一方で、テクノロジー企業はどのような取り組みを行っているのでしょうか。
2020年には、情報通信技術(ICT)部門は世界のCO2排出量の2%を占めていましたが、2030年には8%を占めるようになると推測されています。さらにその内訳を見てみると、データセンターのエネルギー消費が10~15%を占めています。明るい材料としては、電子廃棄物とエネルギー消費を減らす手段として、2025年までには、データの49%がパブリッククラウド環境に保管されることになるでしょう。しかし、それで十分というわけではありません。テクノロジー企業は、気候変動と闘いCO2排出とカーボンフットプリントを削減するために、さらに多くの行動を求められることになります。
では、私たちは一体何ができるでしょうか。この記事では、企業、特にテクノロジー企業が、自社のサステナビリティーを向上させるためにできる五つの重要なステップについて述べています。
1. 脱炭素化戦略の構築
脱炭素化戦略が効果的に機能するためには、企業は目標を設定し、その達成のために自社のカーボンフットプリントと、自社が毎年排出する温室効果ガスの量を監視する必要があります。
顧客の脱炭素化については、顧客にデータの保存方法について考えてもらう必要があります。データ保存は、それがクラウドにあるかオンプレミス(システムを自社で保有・運用する利用形態)であるかにかかわらず、膨大なCO2排出をもたらします。そのため、各企業が自社のデータを理解し、どのデータが必要で、どのデータが不要かを知ることが極めて重要になります。次に必要なステップは、そのデータをどこに保管するのが最適かを知ることです。クラウドストレージはデータを効率的に保管し、エネルギー消費を少なくして、企業のカーボンフットプリントを削減するように設計されています。クラウドの提供業者と協力して、自社の製品やサービスに直接関係のあるカーボンフットプリントをさらに削減することも非常に重要です。
2. エネルギー消費量の見直し
テクノロジー分野では、使用している施設とオフィスが使いやすく、かつ環境的にも持続可能であることが重要であり、そのためには再生可能エネルギーの導入や高度な照明技術を利用した建物の総面積の削減が有効です。エネルギー効率に関する目標を達成するためには、建物、研究所、データセンター、オフィスなどの設計をどう改善・設計するかの検討が重要になります。
3. 廃棄物管理の検討
テクノロジー企業全体を製造という視点から見たとき、主な目標は埋め立て地やリサイクルセンターに送り出す廃棄物の量を最小化することであるべきです。さらに長期的な目標としては、包装から、リサイクルできない素材の使用を取り除く必要があります。また、電子廃棄物の扱いについて検討することも不可欠です。テクノロジー企業はこの種の廃棄物管理について、社内と、顧客やパートナー企業の双方に対して積極的に取り組む必要があります。
4. 水の消費量の削減
水の消費量を減らす方法として、例えば、HVAC(暖房・換気・空調)システムであれば、水冷式冷却装置の代わりに、風力発電で動作する冷却装置を建物の屋上に設置することなどが考えられます。
5. 持続可能な製品やサービスの設計
最後に、サステナビリティー戦略を企業独自のビジネスモデルに組み込み、あらゆる製品とサービスに持続可能な構成要素が含まれるようにすることが極めて重要です。
データストレージという特定の部門に関しては、非常にシンプルです。私たちがオンラインで行うことは、すべてCO2を排出します。例えば、各企業が保管しているデータの68%は今後も決して使われることはないと見られており、それを保管することはより多くのCO2排出を生み出すだけということです。われわれの事例においては、どのデータを利用し、どのデータを廃棄するかだけでなく、データをどこに保管するか(パブリッククラウド、プライベートクラウド、ハイブリッドクラウド、またはデータセンター)についても、顧客と連携しながら明確にしています。
以上述べてきたことは、すべてのテクノロジー企業が実行できる要素のほんの一部にすぎません。すべての企業が少しずつ変わることで、私たちは、国連が定めた「2030アジェンダ」と「持続可能な開発目標(SDGs)」を達成することができるのです。こうした努力を怠れば、現代という輝かしい世代のリーダーや企業家、専門家たちの失態を目にすることになるかもしれません。解決策は極めて明確で、つまりテクノロジーとサステナビリティーなのです。
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