シンガポール企業が提供する次世代地図サービスは、地図アプリを民主化できるのか?

[Publisher] e27

この記事はe27のHanh Vuが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

地図テクノロジーは今や、さまざまな製品やサービスに欠かせないものになっており、その有用性はWebやモバイルのアプリケーションで証明されています。例えば、「Uber」「Grab」などの配車サービスや「Shopee」などのeコマースアプリは、オンデマンドサービスの提供、正確な到着時間の算出、経路の最適化、的確な交通情報の参照に、地図テクノロジーを大いに活用しています。

とはいえ、米国における現在の地図や住所データベースに関するソリューションには、正確さとコンテキスト(一連のつながりや前後関係、文脈を含んだデータ同士の関係)に欠けており、情報が不足している地域もたくさんあります。事実として、運送ドライバーの95%は不正確な地図の問題を報告したことがあり、約71%の運送ドライバーは、正確な届け先を突き止めるのに平均で4~11分も時間を費やすことがあったと言います。結果として、地図の情報に問題がなければ、1年で約25億ドル(約3320億円)が節約できたという試算もあるのです。

さらに、アプリケーションの相互接続がますます進む昨今、特に供給網と配送のオンラインでの統合が進んでいることで、一つの住所の不正確さが複数の遅延や混乱を呼び、輸送費の増加や時間の損失につながる可能性が高まっています。

高まる超地域密着配送と関連サービスの機運

米国では、このような技術環境を受けて、この数年でハイパーローカルと呼ばれる超地域密着配送に向けた動きが進み、配送の現場が変化しています。

「位置情報に基づく検索」が実現したことで、消費者は近隣の製品やサービスを探せるようになりました。それにより時間と輸送費を節約したり、地元の新鮮な生鮮品を楽しんだりできるようになったのです。加えて小売業者にとっても配送の負担を最小化でき、位置情報を利用して顧客の要望や好みにより適合したサービスを提供できるようになっています。

一方で、新型コロナウイルスの流行により移動制限の常態化が進んだことによって、消費者の間ではオンラインショッピングへの適応が進みました。これらはすべて、デジタルインフラ、人工知能(AI)や機械学習といった破壊的技術の急速な発展、スマートフォンを中心とするモバイル機器の普及率の急激な上昇と共に起こっていることです。これらが相まって、超地域密着配送が現実のものになりました。

超地域密着配送サービスの世界市場は、2022年から2028年に、年平均成長率12.5%と大きく成長し、3兆7300億ドル(約495兆円)の規模になると予測されています。

既存の地図テクノロジーの限界

地図テクノロジーの今後に目を向け、超地域密着配送の需要が力強く成長することを考えると、1枚の地図ですべてのニーズを満たすようなソリューションは、今日のデジタル環境ではもはや機能しなくなると予想されます。これからの地図には、地域密着型で利用ニーズに合致する必要があります。利用環境に合わせて提供する情報を変化させながらも、各地点のより正確で詳細な情報を提供しなければならないのです。

さらに言うと、世界の多くでは、現行の地図と住所データベースの情報は都市部が中心であり、地方、会場内、屋内についてはデータが圧倒的に不足しています。また、位置情報データや変更が即時的に更新されないことも弱点です。特に、経済が急成長している東南アジア諸国など新興経済国では、位置情報が絶えず変化しています。この変化は1日、1時間、時には1分ごとに起こるため、配送サービスにとって大きな障壁になっています。現実世界を反映していないデータ、さらには、現実をゆがめて提示しかねないデータに、企業側が対処する必要があるのです。

配送業者には、位置情報の所有権がありません。配送業者が生み出す位置情報データは、地図提供業者のデータベースに追加されていますが、分析のためにそのデータにアクセスするのは困難です。物流企業の場合、運送ドライバーが追加する位置情報データから得られる情報や洞察は競争力の強化につなげられるものですが、データは自社の管理下にはありません。現在、多くの企業がこの問題に直面しています。

次世代の地図テクノロジーを、どのように再定義するのか?


UNL社の創業者兼CEO、ザンダー・ファン・デル・ヘイデン氏

シンガポールに本社を置く地図テクノロジースタートアップのUNL社は、市場に存在するギャップを埋めるべく、「Virtual Private Maps(VPMs)」を提案しています。これは、各社が独自の非公開地図をワンクリックで作成して、位置情報データとサービスを一つにまとめられるものです。VPMsはモジュール式で「特定のデータに依存しない(data-agnostic)」設計なので、複数のデータソースに接続することができます。各社は、自社のビジネス用途に最適な地図を活用できるわけです。

UNL社のザンダー・ファン・デル・ヘイデンCEOは、次のように説明します。「ITインフラ、住所データベースの標準化を巡っては、どの地域にもそれぞれの難しい課題があります。地図と位置情報について、超地域密着と言える正確性と適合性を達成するとなると、リソース、アセット、技術、労働力の負担があまりに大きくなり、単一の地図提供業者がまかなうのは困難でしょう。これを実現する唯一の方法は、地図の分散化と超地域密着化です。現地のあらゆるステークホルダーを巻き込んで地図を共に作製し、品質と適合性を高めるのです」。

VPMsが企業にとってビジネスの強力なツールになるのは、データの所有権が利用企業側にあり、加えて位置情報と地点データの更新を即時的に公開する機能を組み合わせているためです。VPMsなら、企業は自社独自のデータを安全に地図に取り込み、所有権と管理を社内に保持することができます。また、さまざまな情報レイヤーで第三者のデータソースに接続し、フィードバック・ループを構築することにより、現実の世界を反映した正確な情報源を整備することができます。

「データの自律性と所有は、UNL社が創業以来、会社の哲学と価値の中核に据えているものです。取り込まれるデータは引き続き利用企業が所有し、データへのアクセス権とともに顧客によって管理されます」とザンダー・ファン・デル・ヘイデン氏は述べています。

UNL社のVPMsデータは、位置情報に関する同社のあらゆるAPI、SDK、接続アプリケーションと、継ぎ目なく統合することが可能です。そして、同社による利用企業が自由に構築する位置情報プラットホームのなかで利用できます。また同社は、強力な位置情報サービスを一式提供しており、プラグを一挿しするだけですぐに使える地図作製や、地理座標の付与、検索、経路検索、データ管理のAPI、SDK(ソフトウエア開発キット)、プラグインを備えています。

世界のどこにある企業も独自のVPMsを作成することができれば、自社による位置情報ベースのサービスと、eコマース、配送、スマートシティーなどの自律的ソリューションを強化することができるでしょう。

UNL社のVPMsには、「UNL Studio」という特に便利なツールがついています。地図と位置情報データの視覚化、管理、更新のためのインタラクティブなビジュアルデザインインターフェースで、さまざまな位置情報のインテリジェンスツールやデータソースとスムーズにやり取りすることができます。地図スタイルの編集、カスタムデータ/ビジネスデータの視覚化も可能で、コーディングの必要がありません。

各社は近い将来、データを非公開にしておくか、あるいは、データと統合アプリケーションをマーケットプレイスに公開して、データの収益化に乗り出すかを選択できるようになると言います。

UNL社のVPMsのおかげで、各社はもはや、汎用地図ソリューションの限界に対処する必要はなくなったと言えるでしょう。UNL社のVPMsを使うユーザーは、ビジネスに合わせて規模を変更できる非公開地図を作製でき、位置情報データの品質と所有権を管理することが可能です。また、非公開地図の妥当性を保ちながら利用できるだけでなく、収益化のために活用することができるのです。

UNL社についての詳細はこちらから。

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