米国DX支援企業が考える2023年のDX七大トレンド

[Publisher] VentureBeat

この記事はVentureBeatのShubham Sharmaが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

数年続くコロナ禍を契機に、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みは大きく加速しました。企業は規模を問わず、ニューノーマルを生き抜くため、あらゆる先進技術に投資しています。こうした動きは、短期間の例外的なものではありません。景気に暗雲が立ち込み、顧客のニーズが変化するなかで、各社は効率的なオペレーションや生産性・レジリエンス向上を新たな目標に定め、よりDXに注力しています。

この現在進行形のトレンドについて、セールスフォース社傘下のミュールソフト社は、事業が直面する課題を克服して効果的かつ持続的な成長を生み出す上で重要な、DXの七つのテーマに注目しています

自動化による効率化

企業は以前から自動化を進めてきましたが、2023年には、自動化技術への投資が特定の企業だけのものではなくなるだろうと、ミュールソフト社は提言しています。自動化への投資目的は、より少ない人員でより多くのことをできるようにすることです。急速なインフレ、エネルギーコストの高騰、労働力不足の深刻化、地政学的緊張の高まりといった逆境を受けて事業の先行きが不透明になるなかでも、企業は自動化によって効率的な成長を加速させ、生産性を向上し、コストを削減することができるようになるのです。

デロイト社の調査によれば、53%の企業がすでにロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)の導入を始めています。一方でガートナー社は、ハイパーオートメーション(AIとRPAを組み合わせた自動化)の進展により、企業は2024年までに業務コストを30%削減できると予測しています。また、ハイパーオートメーションソフトウエアの市場規模は、2025年までに8600億ドル(約113兆円)を超えると試算されています。

ミュールソフト社のブレント・ヘイワードCEOは、「誰もが自分の仕事を自動化したいと思っています。一方で、現状を考えれば、企業はコスト効率を最優先させなくてはなりません。自動化とはつまり、時間を節約しつつ効果的な成長を促進するような働き方を創造し、少ないリソースで多くの成果を生み出すことです」

機動性を高める“コンポーザビリティー”

アジリティー(機動性、敏捷さ)は現代のビジネスに必須とされる要素ですが、古い技術を使い続けていることやデータのサイロ化(連携や共有がされていない状態)が原因で、ほとんどの企業は社会の変化に対して十分なアジリティーのレベルに達していません。2023年、企業はコンポーザブルな(要件に応じて「部品」を結合しながら作り上げる)戦略を導入することで、この課題に取り組むことになるとミュールソフト社は予測しています。これにより、チームは既存の能力を活用しながら市場ニーズの変化に対応し、顧客ロイヤルティーの向上や、戦略的かつコスト効率的な成長を実現できるでしょう。

ガートナー社は、2023年内に主要企業の60%が戦略目標の一つとして「コンポーザブルな企業への転換」を掲げると予測しています。このアプローチをとる企業は、新機能を確立・実装する速度に関して、競合他社を80%上回るとされているのです。

労働力不足を補うローコード/ノーコードツール

企業のITチームは常に、DX課題を解決しなければならない重圧にさらされています。しかし、取り組みを進める人材はかつてないほどに不足しているのです。ミュールソフト社は、2023年にローコード/ノーコードツールが普及することにより、この問題は解決されると示唆しました。

これらのツールを用いて、ビジネスとテクノロジーそれぞれの専門家からなる混成チームを作り、厳しい納期のなかでもDXプロジェクトを加速させられる力を持つ企業が増えるでしょう。ガートナー社によれば、IT部門がこの方法でビジネスユーザーに権限を与えた場合、DXプロジェクトの進展が加速する確率は2.6倍に増加するとされています。

顧客と従業員の双方から支持される総合体験

企業は以前から顧客体験(CX)の向上に注力してきました。事業の成長を促進し、収益とロイヤルティーを確保するためです。しかし現在、従業員体験(EX)の改善もまた、企業の成功に不可欠な要素であると認識され始めています。

そのため、2023年にはますます多くの主要企業が、顧客と従業員の両方、特に両者が接する場面における体験を改善する手段として、総合体験(TX)に注目するようになるとミュールソフト社は予測しています。こうした企業は、顧客体験と従業員体験の根幹をなす既存のテクノロジーを再利用してより良い共通体験を生み、事業の付加価値をさらに増大させるでしょう。

ガートナー社によれば、2026年までに、大企業の60%がTXを利用してビジネスモデルを転換させ、「世界レベルの顧客・従業員支持率」を達成するとされています。TXを重視する企業は、CXおよびEXの満足度指標において、2024年までに競合他社を25%上回ることになるのです。

データ・インテリジェンスの自動化

多くの企業がデータ主導への転換を図っていますが、実用的かつ重要な洞察を得るために必要とされるデータ資産の大部分は依然としてサイロ化しており、各部署のシステムの内部に埋もれています。2023年、企業はこの問題に対して、現代的でコンポーザブルな手法による統合を行うだろうと、ミュールソフト社は予測しています。これを基礎としてプラットホームの壁を越え、ユーザー同士をつなぐ統合的なデータを生み出すことが可能になるでしょう。

データ資産をリアルタイム分析にかけることで、企業は意思決定の自動化やより活発なデータ活用を実現でき、データ管理の労力は70%削減できるようになるということです。

サイバーセキュリティーの多層化と統合

ミュールソフト社によると、2023年には分散型アーキテクチャー(コンピューターでの処理を複数の構成要素に分散して同時に行うシステム、またはその設計思想)とエッジテクノロジー(端末〈エッジ〉で使われるデータ処理技術の総称)に対する投資が増大することにより、セキュリティーリスクが高まるとされています。これを受けて企業は、サイバーセキュリティー対策として「メッシュ方式」を採用し、「柔軟でコンポーザブルな構造を基盤として、広範囲に分散した個々のセキュリティーサービスを統合する」と同社は述べています。

ガートナー社は、この構造を採用する企業は、セキュリティーインシデント(マルウェアの感染や不正アクセス、機密情報の流出など、セキュリティー上の脅威となる事象)による財務的な損失を、2024年までに平均90%削減すると予測しています。ただしその安全性を確実なものにするためには、接続、API、構成、自動化ボットを単一の装置(インターフェース)で接続し、そこから一元管理できるようにする必要があります。

サステナビリティが最優先課題に

企業の幹部は、環境面での持続可能性について積極的に発信するようになっています。地球環境への配慮に加えて、自社を先駆的なグリーン企業と位置づけて差別化することを意図してのことです。

2023年の企業は、コンポーザブルな企業戦略を活用してサステナビリティの推進を目指すことになる、とミュールソフト社は述べています。そのために、データやアプリケーションの利用と統合、自動化と分析を適用した洞察の獲得が鍵となるでしょう。

現在、テック業界のリーダーたちの約90%が、サステナビリティを自社のIT部門における主要目標と認識しており、今後3年間に関連予算が10~20%増額されると予想しています。

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