デジタル技術とAIで物流の脱炭素化を進める五つのトレンド

[Publisher] e27

この記事はe27のDhruv Agrawalが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

世界の物流網は、迅速で回復力のあるオペレーションの構築を切望しています。2020年からの一連の混乱により、これまでの複雑なシステムに、多くの欠点があることが明らかになりました。一方で異常気象や気温上昇は、私たちの注意を重要な問題に向けさせています。

気候危機と、「グリーンな物流」の必要性

気候の影響によって多くの国々、中でも土地の多くが沿岸地域や低地にある東南アジアが危険にさらされています。特にフィリピンとインドネシアは、熱帯暴風(トロピカル・ストーム)や海面上昇の被害を受けやすい地域です。

統計データを提供するスタティスタによると、アジア太平洋地域では2021年に177億4000万トンのCO2が放出されました。これは、他のすべての地域の合計放出量よりも多いものです。こうした状況には、生態学上のリスクがあるだけではありません。東南アジアがこれまで気候変動対策や政策決定に関して後れをとっていたことにより、21世紀末には経済が11パーセント縮小する可能性があるのです。

輸送は、世界のCO2排出量の24パーセントを占めており、そのうち30パーセントは貨物を運ぶトラックによるものです。気候変動を緩和し、人々が協力しあってより持続可能な物流網の構築へと向かうために、東南アジアの各国がやらなければならないことは山ほどあります。

物流網を現在よりもグリーンなものにすることについては、意見が一致しています。そうすればCO2排出量の削減に役立つ、と東南アジア諸国の78.7パーセントが考えているというデータもあります。しかし、積極的な行動はまだ具体化していません。

有言実行:デジタル化で、グリーンな物流を可能に

グリーンな物流はあらゆる過程で、エネルギー消費を減らしたり代替エネルギー源を利用したりすることで、持続可能な物流オペレーションを促進することができます。例えば、配達に電気車両を利用すると、カーボンフットプリントを大幅に抑制することができます。

同じ顧客からの複数注文を1つの荷物にまとめて1回で配達できるようにする発注統合は、排出削減のためのもう一つの方法です。これによって段ボールや気泡シート、ピーナツ型発泡材、エアピロー緩衝材などの梱包(こんぽう)材の消費も抑えられます。

これら以外に、物流企業がグリーンな配達を実行するためにできることはないのでしょうか。

例えばデジタル技術の導入時に、環境を意識した取り組みを行うことで、環境負荷を減らしながら、業務効率を上げることもできます。

スマートな物流管理プラットホームがどのように役立つかについて、説明していきましょう。

ルートを最適化し、カーボンフットプリントを抑制

スマートな物流管理プラットホームは、商品の移動行程をデジタル上で可視化し物流の非効率を改善できる余地を見極めます。文書がデジタル化されるので、書類での追跡や保管を省くことも可能です。また、AIや機械学習による経路選択と最適化により、物流業務全体における複数の接点を結ぶ、最も効率的な移動経路を算出できます。

経路が効率化されると、移動に費やす時間を短縮できます。これは、世界の輸送組織や物流組織の61パーセントで課題となっている、「ラスト・ワンマイル」の非効率性を抑制するために不可欠です。移動経路を状況に合わせて最適化するプログラムは、空荷走行距離の解消や走行距離の5パーセント削減、車両のアイドリング防止、配達回数の6パーセント削減などに役立ちます。

到着予定日時、配達状況のリアルタイム追跡、顧客が希望する時間帯に配達予定を変更できるような柔軟な配達に関する予測可視化を広げることにより、物流関係者は1回目の配達での成功率を最大化し、配達回数とCO2排出を削減できます。

このような技術を使うことで、配達責任者は、環境に優しい短距離配達のための移動手段を設定し、優先順位をつけることができます。このようなロジックを活用することで、システムが自転車や電気自動車、自律走行車を自動的に割り当てて、小回りの利く配送を実現するのです。

住所の正確性を高めて返品を削減

伝票に書かれた住所が不完全だったり、ドライバーが時間通りに顧客のもとに到着できなかったりすることは、企業にとって大きな懸念事項です。燃費悪化やCO2排出の増加につながるからです。さらに、買い物客の51パーセントは、自分の注文が予定通りに届かないと返品しようとするので、物流におけるすべての努力が無駄になってしまいます。

ジオコーディング(地理座標の付与)は、不完全で質が悪い住所を正確な地理座標に変換するのに役立ちます。その結果は、ドライバーのモバイルアプリに明確なポリライン(地図上の各座標をつなぐ線)で表示され、ドライバーを顧客の正確な所在地に導いてくれます。

積載容量の利用率向上

配達能力を高めるもう一つの方法が、積載容量計画の向上です。AIを利用した物流管理ツールは、商品発送と車両データを途切れなくまとめるためのアルゴリズムを活用します。

こうしたツールは、配達場所や重量、体積、時間に関するサービスレベル契約(SLA)、保管の種類といった要素を考慮して、車両の積載容量を最適化することができます。最適な積載量で走行できることから、燃費や車両の寿命に影響を与えることなく、各車両の積載容量を改善するのに役立つのです。これにより、車両の積載容量の利用率が31パーセント向上します。

集荷と配達をまとめて配達回数を削減

AIを利用した物流管理プラットホームでは、ドライバーが1回のルート走行で複数箇所の集荷と配達を可能にすることで、配達の生産性を改善します。途中で注文をまとめれば集配と配達を適切に組み合わせることができるので、ルート走行の頻度が減り、ドライバーの生産性が14パーセント向上します。

持続可能な「クロスボーダー物流」

スマートな物流管理プラットホームは、国境を越える物流関係者が、積み荷のCO2排出量を可視化するのに役立ちます。可視化は輸送を始める前段階から対象にできます。これは、「Tank-to-Wheel(タンクに燃料を入れた状態から、車両の走行まで)」および「Well-to-Wheel(油田からの原油採掘から車両の走行まで)」のCO2排出に関する重要な知識を得ることによって実現します。直感的な持続可能性ダッシュボードは積み荷の発送から到着まで、物流におけるライフサイクル全体での排出を関係者が監視し、早急な対応が必要とされる領域を見つけるのに役立ちます。

ここまでに紹介したようなプラットホームは、企業が走行距離を削減し、返品を減らし、空荷走行距離と車両アイドリングをなくし、ドライバーの生産性を向上することに貢献します。テクノロジーを活用した物流戦略を利用することで、例えば積み荷の返品は18パーセント削減できるでしょう。

東南アジアの企業が、より持続可能性の重視に向かう要素は三つあります。CO2排出に関する世界的規制および国連の規制、コストの最適化、そして顧客からの働きかけです。

賢明なテクノロジーを採択すると、企業は長期的に生態系や環境に対してポジティブな影響をもたらすという重要な役割も果たせるようになります。つまり、一つ一つの配達ごとに顧客の期待に応えることができ、業務コストを削減しながら、地球を救うことにつながるのです。

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