海外の先進事例から学ぶ、デジタルトランスフォーメーション戦略

[Publisher] TechBullion

この記事は、TechBullionでZexprwireが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、各企業がさまざまな方法で達成できるものです。ある企業は、手作業で行っている仕事のデジタル化や自動化を進めたいと考えるかもしれません。またある企業は、自社事業を差別化したり、顧客の要望を満たしたりするための新たな方法を模索するかもしれません。各社の目標は、生産性の向上、売上増加、新たなデジタル化への取り組みなど多岐にわたります。

デジタルトランスフォーメーション専門のコンサルタント企業で英ロンドンに本社を置くエルスフェン社は、あらゆる企業のデジタルトランスフォーメーションプロジェクトを、数多く実行させてきました。

本稿では、デジタルトランスフォーメーションによって企業の業務がどのように改善したかを示す実例を五つ紹介します。

1. 金融サービス企業

デジタルトランスフォーメーションの一般的な目標は、手作業で進めていた業務を自動化し、デジタルを活用したワークフローに切り替えることでしょう。一つ目に挙げるのは、中小企業向けの融資を手掛ける金融サービス企業の事例です。同社は2000社以上の企業顧客を抱える、急成長のオルタナティブ・レンダー(AIを使った融資審査など既存の金融機関とは異なる手法で、消費者や中小企業に向けて融資を行うフィンテック・スタートアップ)であり、現行の業務工程と技術を再検討して自社の成長目標を達成するのに最適なアプローチを判断したいと考えていました。

同社は、顧客に対して魅力的なサービスを提供するために事業を始めましたが、自社のITインフラは、次の成長段階に進むには充分とは言えませんでした。そこで、デジタルトランスフォーメーションパートナーと提携し、より合理化された新たな融資向けカスタマージャーニー(顧客が製品を知り、契約に至るまでのプロセス)の策定を目指すことにしたのです。

プロジェクトメンバーは協力して、まずは目標達成に何が必要なのかを分析し、その結果を資料にまとめました。

そして同社は、顧客がサービスを中断せずに新サイトへと移行できるようにする手法を開発しました。これにより、新しいプラットホームの構築中も、サービスを利用している顧客に支障をきたすことはなかったそうです。

デジタルトランスフォーメーションはこの企業にとって、「中小企業向け融資業者として市場を先導する」という野望を達成する道を開くものでした。新たな業務プロセスの導入で機敏性と拡張性が向上し、最高クラスの顧客体験を提供できるようになったのです。

2. 大手通信企業

AmazonやNetflixなど、絶えず技術革新を行っている企業を目の当たりにすることで、多くの企業は基礎的なデジタル体験をより高品質なものに移行したいと考えるでしょう。次に紹介する通信会社も、Amazonなどの企業が提供している設計や情報と同等の品質で、顧客にパーソナルな体験を提供したいと考えていました。

自社における従来の顧客発注とプロビジョニング(サービスを利用できるようにすること)のプロセス変更を思案していた同社は、顧客が何を望んでいるかに焦点を移したのです。

そして、パートナーと共にデジタル体験のためのカスタマージャーニーを策定しました。目標は、企業間取引(B2B)の顧客に向けて、消費者向け製品と同レベルのシームレスなエンドツーエンド体験を提供することでした。

プロジェクトチームは、セルフサービスでのプロビジョニングが可能な使い勝手の良いポータルサイトを構築し、顧客満足度を大規模に向上させました。

同社はこの変革を行ったあと、顧客によるカスタムメイドのコンテンツ制作を支援するプロジェクトにも着手しました。また、構造化されたデータとパーソナライズされたリポートを利用して、顧客自らがパフォーマンスの分析を行えるようにしたのです。

それまでは、顧客が通信接続のパフォーマンスを把握したい場合、接続業者が各種データログからリポートを作成する必要があり、そのための時間や費用、手間がかかっていました。

パートナーは通信パフォーマンスの向上にデジタル技術がどう役立つかを調査し、その成果として、顧客に焦点を合わせた新しい分析ツールが開発されました。これは接続体験に関して、データから得られる洞察をわかりやすく表示するツールです。位置や天候が接続性にどう影響するかを簡単に確認できるので、顧客は、サービス品質保証(SLA)が満たされているかを検証できます。

同社は最新の可視化ツールを利用することで、手作業を減らすと同時に、顧客満足度と収益を向上させながら、顧客のための新たな価値を生み出すことに成功しました。

3. プライベート・エクイティ・ファンド

デジタルトランスフォーメーションは、企業が既存のスキルやリソース、データを活用することでさまざまなチャンスを開拓し、新規顧客を呼び込むのに役立ちます。

三つ目に取り上げる金融企業は最近、中小企業市場向けのデジタルプラットホームを立ち上げました。同社は顧客企業の持続可能な高成長事業のポートフォリオを管理し、専門知識と資本を用いてその成長を促しています。

同社は、中小企業向けの新しいデジタルサービスに可能性を見いだしました。まずデジタルトランスフォーメーションパートナーと連携して価値提案、サービス設計、技術戦略の観点から、この新サービスがどのように機能するかを調査しました。

その成果として誕生したのが新しいプラットホームで、中小企業のキャッシュフローを分析し、財務管理におけるニーズを把握できます。

プロジェクトチームは、ワークフローやユーザーインターフェース(UI)の設計を含む、プラットホームの開発計画を策定。さらには同プラットホームの機能を提供できるインフラパートナーも特定することができました。

4. プロドライバー向け自動車保険企業

歴史的に見ると、モバイル革命やIoTといった最新技術の発達により、データは意識せずとも当たり前に使っている状態にすること(ユビキタス化)が可能になりました。デジタルトランスフォーメーションはこうしたデータを活用することで、企業の競争優位性を向上する洞察をもたらすことにつながります。

ある自動車保険を扱う企業のチームは、より競争力のある保険商品を開発するために、データを活用しました。テレマティクス(自動車などに搭載した通信システムで情報サービスを提供する)技術を用いて運転挙動の改善を支援し、顧客となる職業運転手たちのリスクを特定・軽減したのです。

同社のプロジェクトチームは、収集するデータ量が増えることで保険請求による損失を削減できることに気付きました。これによって自社商品を適正な価格に見直すなど、顧客がより良い成果を得るための支援ができるようになったのです。

アプリベースのテレマティクス機器は、顧客のスマートフォンのセンサーで運転挙動を監視するタイプなので、従来のテレマティクス技術と比べて手軽で安価に利用できるとのこと。同社はパートナーと協力してこの技術を導入し、運転行動のサポートを通じて顧客のリスク回避に役立てています。

チームは、テレマティクスに関する説得力のあるビジネス事例を構築し、アプリベースの製品をわずか10週間で市場投入できる状態にするなど、加速的に課題を克服していきました。

販売開始から最初の1カ月間で、この新しいテレマティクス保険の契約をした顧客は3000人以上にのぼり、同社は販売目標を達成しています。

5. 高級旅行会社

デジタルトランスフォーメーションによって、問題を速やかに特定して解決し、顧客満足を高めることができます。このような技術を導入している企業は、過去にどこで問題が発生したかを明らかにし、問題解決のための戦略を策定できるのです。

最後に紹介する高級旅行会社では、デジタルソフトウエアを活用し、顧客が自社商品の購入手続きを中止している理由を特定しました。その後に顧客のコンバージョン(購入の完了)獲得につなげるためにデジタルエンジンを用いて、状況を好転させています。

同社はパートナーの協力のもと、高級ブランド体験を可能にするモバイルアプリを開発しました。

プロジェクトチームはこの新しいアプリにGraphQLミドルウエアを組み込み、API(外部ソフトウエアの機能を共有できる仕組み)へのクエリを簡素化することで、以前からあった問題の多くを解決できました。

このアプリの公開後、購入のクリック率が24.4%上昇し、購入率は210%増加。また、顧客生涯価値(その顧客が企業にもたらした価値:LTV)は、新技術を導入したことで25~35%上昇しました。

自社独自のデジタルトランスフォーメーションを始めましょう

ここで紹介してきたようなプロジェクトの実例から学ぶことにより、企業や組織は、独自のデジタルトランスフォーメーションを成功に導くための知識と自信を得ることができるでしょう。

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