ペプシコ社副社長が語る企業変革を促す心構え

[Publisher] VentureBeat

この記事は、この記事はVentureBeatのPepsiCo and Athina Kaniouraが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

この記事の著者であるアシーナ・カニョーラ氏は、ペプシコ社のExecutive Vice Presidentで、同社における戦略・変革最高責任者です。

「コ・イノベーション(co-innovation:企業が外部イノベーターとの有機的な関係性を築きながらイノベーションを実現していくこと)」は、イノベーションがそうだったように、急速にビジネス界の流行語かつ新たな常識となりつつあります。人工知能(AI)やビッグデータなどの最新技術の力を活用するためにテック企業と提携するコ・イノベーションは、特にデジタル業界以外の企業にとって、将来の事業の成功に不可欠なものとして重要視されているのです。

しかし、アメリカの経済界で注目されるこのトレンドを急いで取り入れる前に、企業はコ・イノベーションに関するいくつかの重要原則を念頭に置いておく必要があるでしょう。理論上は素晴らしく輝いて見えるこの新しい可能性に飛びつくも、実際には実現や継続ができなかった、という結果にならないようにする必要があるからです。

筆者は、ペプシコ社のデジタル化戦略を監督する最高戦略・変革責任者です。新しい技術の力を理解したうえで、すでに機械学習やデータ分析を利用して既存のシステムやプロセス、製品の質を向上させています。ただ、それでも「一つの万能なソリューションですべての課題解決を行う」というアプローチには限界があり、外部パートナーとのコ・イノベーションが必要であるとも認識しています。とはいえコ・イノベーション自体にも限界はあり、成功の可否は特定の条件を満たせるかどうかにかかっていると考えているのです。

そこで、筆者はコ・イノベーションを考える際、有効に働く画期的なソリューションを作り出すために、次の五つの主要原則を常に念頭に置いています。

イノベーションは技術的な側面だけにとどまらない

技術イノベーションは、プロセスのイノベーションと連動している必要があります。プロセスがどのように変化すべきかを評価せず、技術に頼るのみで課題を解決しようとすると、一般的にコ・イノベーションはうまくいきません。デジタル技術を使った目新しい機能に魅了されるのは簡単ですが、旧来の行動やシステムがそれに対応できなければ、新機能を組織に取り込み活用することはできない運命にあると言えるでしょう。

「変化を管理すること」の重要性を過小評価しない

画期的なソリューションは、現状を大きく変えるものです。運用を開始することで複数の部署やシステムに影響が出る可能性があるため、コ・イノベーションのプロジェクトは企業の最上層である経営陣からの支援を必要とします。同様に、そのプロセス自体の影響もかなり広範に及ぶため、部門横断型のチームによって監督され、サイロ化を防止しなければなりません。開発段階で社内の幅広い賛同や意見を得られれば、最終的により優れたソリューションとなり、組織全体での導入にもつながります。

コ・イノベーションの目的は実験ではない

コ・イノベーションは、イノベーションのためのイノベーションでもなければ、検証(PoC)のために行うものでもありません。コ・イノベーションは、ビジネス上の明確な目標に対して、課題が特定されている際に最適に働きます。まずは企業として目指すべきゴールを明らかにし、そこから逆算して取り組むようにしましょう。

もちろん、創造的探索や想像力豊かな発想が入る余地はない、と言いたいのではありません。コ・イノベーションでは非常に複雑な課題を解決しようとするので、創造性は必要条件です。しかし、既成概念にとらわれない独創的な発想が持つ混沌(こんとん)としたエネルギーは、いま解決すべき重大な課題に対して注がれるべきなのです。

あえて「対立が生まれる場」を作る

コ・イノベーションは外注とは異なります。それゆえ、パートナーシップの構造が非常に重要になります。成功するパートナーシップの核となるのは、「双方が同じ箱に入る(two in a box)」と筆者が呼んでいるアプローチで、パートナー企業が擁するすべての専門家やリソースが、自社チームの対応する専門家とペアを組むというものです。そうすることで、お互いに学び合えますし、さらに重要なこととして、異なる立場で意見を交わしながら挑戦できる環境になります。パートナーは技術的な専門知識を持っているかもしれませんが、自社のチームはビジネスや運用上の専門知識を持っており、現場で実際に起こることは理論やソフトウエアとはまた大きく異なるものだからです。

ですからコ・イノベーションのあらゆる段階において、ソリューションの論拠や質を問う必要があります。それが結果として、個々のチームで達成できたであろう成果よりもはるかに優れた結果を得ることにつながるでしょう。この協働の成果こそ、コ・イノベーションと単純なイノベーションを区別するものなのです。

「パートナーシップの強さ」こそ、コ・イノベーションの真価である

パートナーを慎重に選び、その使命や価値観、専門性が合致するかを確認することに加えて、両者が成果を得るための強い意志を持つことも大切です。言い換えれば、プロジェクトの成功報酬を双方が得られるようにしたうえで、互いのリソースを無償で提供するのです。その報酬とは、自社にとっては事業の成長であり、パートナーにとっては利益や追加資金といったものでしょう。つまり、適切なインセンティブ構造を持つことは、成功するパートナーシップの必要条件となる信頼性や透明性の向上につながります。

これらは厳密なルールというより、コ・イノベーションに取り組むためのフレームワークです。コ・イノベーションは適切に実行されれば、企業にとって強力な成長手段となり得ます。自社が直面する最も困難な課題に対処することで、飛躍的に利益を生むことができるのです。また、謙虚な姿勢も、コ・イノベーションの成功を確かなものにする要素です。自社の限界を認識し、真のパートナーを受け入れることは、最大の課題を克服するのに役立つでしょう。

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