オフィスとリモートのハイブリッド勤務態勢を構築する際に、企業がやるべきこと・やるべきではないこと

[Publisher] HR Dive

この記事は、HR DiveのKathryn Moodyが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

コロナ禍は、すべての人の生活と仕事に根本的な変化をもたらしました。その変化は元に戻りません──2022年6月13日、米ルイジアナ州ニューオーリンズで開催された人事マネジメント協会(Society for Human Resource Management)の年次会合でこのように述べたのは、グローバルな多様性・公平性・包摂性(DEI)の戦略家として25年以上の経験を持つソニア・アランザ氏です。今は、企業が出社とリモートワークを組み合わせた「ハイブリッド勤務」をどのように形づくっていくかが、業界での課題となっています。

コロナ禍が始まった当時、各社はリモートワークに「一時的に」切り替えたとアランザ氏は述べています。しかし2年以上がたった現在、企業がより意図をもって継続的なハイブリッド勤務態勢を確立するためには、従業員との信頼を構築しなければならないと説きます。

アランザ氏は年次会合で、企業が自社のハイブリッド勤務態勢を構築するために企業が自問自答すべき質問を五つ挙げました。

  1. 対面とリモートワークの選択は誰が行うのか?
  2. 従業員がいつ、どれくらいの頻度で出社するかについて、誰が決めるのか?
  3. 出社とリモートワークは、昇進にどのような影響を与えるのか?
  4. 監視や声掛けなどの管理手法は、誰に対してどのように使うのか?
  5. 従業員のウェルビーイングはどのように測定するのか?

これらの質問に企業側がどう答えるかによって、現在の企業文化を垣間見ることができるとアランザ氏は指摘します。さらに、企業が新しい働き方の世界に適応していくうえで、やるべきこととそうでないこと、またそれらに対する洞察を与えてくれました。

ハイブリッド勤務は「ビジネスの進化」であることを念頭に置く

アランザ氏によれば、多くの従業員はコロナ禍以前から、何らかの形でリモートワークやハイブリッド勤務を行っていたと言います。いわく、「これをきっかけにして、世界的に広がっただけなのです」。

そして、コロナ禍が収束すれば元の日常に戻ると考えてハイブリッド勤務の戦略を練らない企業は、今後驚くことになるだろうとアランザ氏は語っています。その理由は、コロナ禍を機にハイブリッド勤務を始めた従業員の大半が、「出社のみでの業務には戻りたくない」と考えているからです。

ただ、この状況はビジネスにとって良いことであるとも補足しています。ハイブリッドな勤務形態であれば、オフィス周辺の地域以外からも人材を迎えることができ、あるいはオフィスを完全に手放せる企業にとってはコスト削減にもつながります。また従業員は多くの場合、生活と仕事のバランスをうまく取ることができるうえ、結果として生産性を向上できる可能性もあります。

自社に合った勤務形態を選ぶ

各企業はそれぞれ異なるため、すべての企業に合ったハイブリッド勤務の形態は存在しない、とアランザ氏は強調します。というのも、自社で採用すべき形態を模索している間、企業は先に挙げた五つの質問を使って、どのようなハイブリッド勤務にするかを検討する必要があるからです。

オフィス以外の場所で仕事をする時間が必要な従業員もいれば、オフィスで仕事をする従業員を一定数確保しなければならない企業もあります。例えば映像制作会社の場合、多くの従業員がオフィスで作業を行う必要があるでしょう。また別の企業では、オフィスで働く時間を他者との共同作業に充てるため、従業員の時間調整が必要になる、とアランザ氏は説明します。

「社内情報への平等なアクセス」と見える化

ハイブリッド勤務を検討する際、「社内情報へのアクセス」が公平でなければなりません。多くの場合、オフィスにいる従業員のほうが技術や情報、サポートを利用しやすく、オフィス内での雑談といった従業員の交流の機会はリモートワークだと再現しにくい、とアランザ氏は指摘します。しかし、リモートワーカーが経験するこうした不公平は、調整できると言います。つまり企業側は、これらの認識を踏まえたうえでハイブリッド勤務形態を構築することに注力すべきなのです。

アランザ氏は、「従業員一人ひとりの置かれている状況を見える化する必要があります。どうすればできるかが企業側の課題であり、戦略的かつ創造的に考えることが重要です」と補足しました。

全従業員がハイブリッド環境に適応できると思い込まない

企業の人事担当者は「ハイブリッド環境で働くことは一つのスキル」だと意識しておく必要があると、アランザ氏は強調します。そのうえで、担当者には「成長マインドセット(Growth Mindset:人の才能や能力は、本人の努力次第で向上できるという考え方)」と、「踏み込んだ支援(step in and help)」を積極的に行う意思が必要だと述べました。

そして、ハイブリッド勤務を調整する際には従業員との間に多少の衝突があることを恐れないようにしましょう。アランザ氏は、「多様な人材を受け入れる器の大きい企業文化は、組織の卓越性を決定づける要素です」と語っています。衝突は、生産的に処理されればむしろ健全な文化が存在する証拠になるのです。もし衝突がないのであれば、皆が安心して意見できる状況ではないのかもしれません。

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