市民をリサイクルに巻き込み、リサイクル率80%を目指すシンガポール

[Publisher] e27

この記事はe27のJamille Tranが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

シンガポールを拠点とする一般市民を巻き込んだリサイクル「ソーシャルリサイクリング」のスタートアップ、SGRecycle社は、リサイクル企業であるタイヒングループ社が主催するシードラウンド(起業前〜起業直後の成長ステージの企業が行う資金調達)で140万ドル(約1億5300万円)を調達しました。

同社はこの資金を活用して、拡張性の高いクラウドコンピューティングとセンサーを活用したスマートリサイクルステーション事業をシンガポール全土に展開すべく、計画を進めています。

「最終的な目標は、国内の利便性の高い場所を選定して『SGRecycleステーション』を設置し、人々にリサイクル習慣を奨励することです」と、タイヒングループ社のマネージングディレクター、ジャクーリン・リム氏は述べています。

2020年に設立されたSGRecycle社は「SGRecycleステーション」のネットワークをシンガポール全土に展開。内蔵センサーとクラウド技術を組み合わせることで、紙資源のリサイクルを可能にします。

SGRecycle社の共同設立者であるローイ氏は、「これにより、新型コロナウイルス感染リスクの低減と同時に、一般市民がゴミを現金に変えるという意識を持ち、地球環境保護にもつながります。誰もがこのエコシステムの一助を担っているのです」と語りました。

「SGRecycleステーション」は、一般市民が古紙をリサイクルする際に奨励金や加盟店クーポンを受け取れる仕組みになっています。センサーが古紙の重量を計量し、利用者のモバイルアカウントにポイントを加算します。

同社は事業を通じて、2020年に10年ぶりの低水準となったシンガポールのリサイクル率を、5~10%向上させる可能性があるとしています。この水準低下の原因は、従来リサイクル率の高いセクター(建設・解体業)がコロナ禍により操業を停止したことです。同国内のリサイクル率は2020年、わずか13%に落ち込みました。それに対して、アメリカ国内は32%、欧州連合(EU)は46%、ドイツは67%に達しています。

SGRecyle社は、シンガポール国内のショッピングモール、コミュニティーセンター、学校、住宅街など30カ所に、リサイクルステーションを試験的に設置しています。シンガポールが推進する「グリーンプラン2030」の一環として、2025年までにエコタウンのモデル化を目指すタンピネスに、初の「SGRecycleステーション」が設置されました。

同社はさらに、人工知能(AI)や、顔認識、太陽光パネルといった技術をリサイクルステーションに活用する計画も立てています。そうすることで、個人情報を保護しながらビッグデータを分析し、リサイクルのパターンや利用者の行動に関する新たな発見を得ることができるのです。

シンガポールは、2030年までに国内のリサイクル率を22%から30%に、海外のリサイクル率を81%に引き上げることを目標としています

この目標達成に向けて、シンガポールは2021年に、電子廃棄物に対して「拡大生産者責任制度」を適用しました。この制度により、企業が自社で生産・使用する材料に責任を持つことになります。また2025年までには梱包材廃棄物に対しても同じ制度が適用される予定です。

「Singapore Green Technology and Sustainability Market Report(シンガポールのグリーンテクノロジーとサステナビリティ市場リポート)」によると、同国のグリーンテクノロジーとサステナビリティの市場規模は2018年に68億9000万ドル(約7550億円)に達しました。年平均成長率26.8%で、2025年には363億1000万ドル(約3兆9800億円)まで成長すると予想されています。

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