植物油から生まれたバイオ燃料が、イギリスの放送中継車をサステナブルに

[Publisher] TV Technology

この記事はTV TechnologyのGeorge Winslowが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

(ロンドン)各種放送サービスをグローバルに展開するNEP社は、イギリス国内で使用する放送中継車の燃料に、グリーン・バイオフューエル社のリサイクルバイオ燃料「GD+ HVO」を採用することを発表しました。

これは、地球規模の気候変動に対処し、2030年までにネットゼロ/カーボンニュートラルを達成するという大きな取り組みの一部であると、同社は述べています。 

GD+ HVOは植物油を水素化したもので、CO2超低排出ガスであり、ディーゼルエンジン車用に使用する際、車両を改造する必要がないのが特徴。また、使用済みの食用油や農業廃棄物などの有機廃棄物を100%原料としています。NEP社は今回の切り替えで、輸送で発生する温室効果ガスを95%削減し、車両からの排出を最大85%削減し、大気環境の改善を目指します。

「イギリスのNEPは、2030年までの目標達成を目指す中でサステナブルな映像制作に力を入れるとともに、環境負荷を最小限に抑える取り組みを行っています」と、同社ブロードキャストサービスのマネージングディレクター、サイモン・ムーアヘッド氏は説明します。「GD+ HVOを燃料とする車両への切り替えは、当社のグローバルな環境維持活動『プロジェクトアース』を支援するため、イギリスで展開している重要な取り組みの一つです。われわれはサステナビリティを事業と経営の核とし、責任ある事業目標に向けて合意しています。地球に対して正しいビジネスを行うことが使命だと考えています」。 

バイオ燃料は、従来のものに比べてガスの排出量が少ない上、CO2排出量の削減にも有効です。バイオ燃料に移行するだけで完全なネットゼロにすることにはできませんが、NEP イギリスはカーボンオフセットプログラムを通じて、残った排出量も相殺します。

同社のグリーンイニシアチブの一環として、同社がイギリスで所有する大型車メルセデス・ベンツ・アクトロスの全車両に、運動エネルギーを監視して燃料消費を抑える予測型パワートレイン制御(PPC)を搭載しています。また、車両にはウインドディフレクターが装備されており、燃費を最大8%向上させるので、環境負荷の軽減にも有効です。メルセデス・ベンツの協力を受けてドライバートレーニングを行うことで燃費効率に優れた運転パターンを検出でき、持続可能で長期的な節約につながったと同社は述べています。 

こうした取り組みは、以下に挙げた項目を含むNEPイギリスの「プロジェクトアース・サステナビリティイニシアチブ」の一環として進められています。 

  • 再生可能エネルギー:2021年、大規模スポーツイベントでの試験運用に成功し、RFオーディオ機器の電池を使い捨て型から充電式の電池ユニットに切り替えました。これにより、使用済みのリチウム電池を廃棄せず、バッテリーの供給ができるようになりました。
  • 使い捨てプラスチック廃止:放送または制作中の使い捨てプラスチックの廃止にも注力。スタッフがマイボトルやタンブラーに水を補充できるようにウオーターサーバーを完備したり、リサイクルしやすいアルミ缶を用意したりしています。また関連オフィスや事業所からプラスチックカップをすべて排除し、自社ブランドの水筒を従業員に支給しています。
  • 廃棄物管理:リサイクルボックスを設置し、同社から出る少量の廃棄物は再利用やリサイクルしています。使い捨てペットボトルや紙コップを廃止したため、廃棄物量や種類は大幅に削減されました。また、配線固定用のPVCテープも、再利用可能なマジックテープストラップに変更し、廃棄物を最小限に抑えています。
  • 出張・移動:スポーツ中継に伴う走行距離、燃料消費量、排出量を把握しています。これらの情報は、環境サステナビリティの分析機関であるアルバートが、カーボンフットプリントまたはカーボンアクションプランを策定する際に必要となるものです。NEPは、ハイブリッドな業務モデルを導入し、本社だけでなくあらゆるスポーツイベントのCO2排出量の削減に努めています。
  • カーボンオフセットの仕組み:カーボンフットプリントとアルバートの両組織と協力して、カーボンオフセット制度に取り組んでいます。事業活動におけるCO2排出量の削減に取り組んでいますが、「カーボンオフセット」プログラムは、カーボンニュートラルを達成することで、気候変動対策を支援し、発展途上国や生物多様性に配慮する積極的な取り組みです。
  • アルバート・サプライヤー:NEP UKは、アルバートの公認サプライヤーです。業界で認められたアルバート認定制度の一環として、NEPイギリスはクライアントと協力して制作物のカーボンフットプリントを追跡し、CO2排出量の削減に積極的に取り組んだ作品に報酬を与えることで支援しています 。

NEP社は現在、グローバルなスケールで持続可能な制作と環境責任に取り組んでいます。同社は「NEPプロジェクトアース」の枠組みと優先事項を2019年に発表しており、世界中の企業が地域の環境サステナビリティと責任に集中するための礎を作ったと言ってもいいでしょう。

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