「窓」で発電する太陽光パネル技術がアメリカで誕生

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[Publisher] Fast Company

この記事はFast CompanyのAdele Petersが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。 

アメリカのコロラド州ボルダーに最近建設されたオフィスビルの屋根には、太陽光パネルが設置されています。この建物の最大の特徴は、世界初のソーラーウィンドウ技術が導入されていること。一見普通の窓に見える透明なパネルが、目に見えない形で電力を作り出しているのです。

MITで始動した研究をベースにこの技術を開発したスタートアップ、ユビキタスエナジー社のCEOであるスーザン・ストーン氏は、「市場規模を考えると、将来、超高層ビルが垂直型の太陽光発電所に変わる可能性もあります」と語ります。「従来からあった窓ガラスの表面を、太陽光発電に活用するのです」。また、このソーラーウィンドウは一般家庭の窓の替わりにもなると言います。

この技術は、太陽光線の一部の波長(スペクトル)のみを捉えることがポイント。「可視光を透過するような素材をパネルに使用しているのです」と、共同創立者兼最高技術責任者のマイルズ・バール氏は語ります。「そのため、私たちからは実際の発電部分が見えません」。この理由は、従来の太陽光パネルは全ての波長を吸収するので黒く見えるのに対して、ソーラーウィンドウはその約3分の1しか吸収しないからです。しかし、通常の太陽光パネルを設置できない場所でも使用でき、再生可能エネルギーの供給増に貢献します。

2枚のガラスをはめ込んだ窓にはワイヤがつながっていて、照明や電子ブラインドなど窓のそばにある機器に直接接続したり、建物内のバッテリーに蓄電したり、余剰電力を送電線に戻したりできます。

同社は、赤外線と紫外線のみを吸収する半導体素材の開発などに数年をかけ、通常の窓と同等の性能と品質を実現させました。現在、カリフォルニア州レッドウッドシティーにある試験生産施設では、小型のソーラーウィンドウパネルを製造しており、コロラド州のオフィスビルをはじめとする一部の試験拠点に設置されています。現在は、今後の量産に備えて、生産プロセスを開発中です。「私たちは、創造的破壊をもたらす製品を市場に送り出そうとしているのです」と、ストーン氏は語ります。「既存の商流を混乱させることなく、進めていきます」。

世界的な窓メーカーのアンダーセン社も同社に投資しており、最近実施されたシリーズB(投資家が企業に対して投資をする段階の一つ)で出資企業に加わりました。「当社は、業界に先駆けて断熱ガラスユニットへ移行するとともに、『Low-E(低放射率)』コーティング加工を導入しました。いずれも窓のエネルギー性能を飛躍的に向上させ、今では業界標準となっています」と、アンダーソン社のトレジャリー担当者、カール・へ―リング氏は語ります。「今回の投資は、当社の技術進化の流れを踏襲するものと考えています」 。

ユビキタスエナジー社は、製造規模の拡大に伴い、ソーラーウィンドウの価格が従来の窓と比較して30%程度高くなると予想しています。しかし、通常のガラスの代わりに使用できるようになれば、そのインパクトはかなり大きいものになるでしょう。同社の試算によると、世界中で年間200億平方フィート(約18億5800万平方メートル)のガラスが設置されており、そのすべてで発電できれば、地球上のCO2排出量を10%減少することになるといいます。「これがもたらす影響は非常に大きいものになるでしょう」と、ストーン氏は語りました。

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