電力の共同購入始まる。小口購入可能なアメリカの「仮想PPA」

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この記事はこの記事はUtility DiveのIulia Gheorghiuが執筆し、Industry Dive Content Marketplaceを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。 

<このニュースのポイント>

  • 2019年1月、メディア企業からテクノロジー企業まで幅広い業界の5社共同で、仮想電力購入契約(バーチャルPPA)を結びました。これにより、アメリカのノースカロライナ州における100メガワットの太陽光発電計画のうち計42.5メガワットが購入されました。
  • ブルームバーグ、コックスエンタープライズ、ギャップ、セールスフォース、ワークデイの5社は、PJM Interconnection(アメリカの地域送電機関)管内の中部大西洋地域で、ほぼ同量の再生可能エネルギーの調達を検討していました。レベルテン・エネルギー社の最高経営責任者(CEO)であるブライス・スミス氏によると、5社はリスクやエネルギー需要量に関する希望条件が似ていたことから、再生可能エネルギー発電計画などを取りまとめるアグリゲーションサービスを提供するスタートアップ企業である同社に、共同購入を実現させるための相談が入ったとのこと。
  • スミス氏は今回の契約を、小規模な買い手の再生可能エネルギー導入を後押しする「今後の市場のひな形」になるだろうと述べています。

企業の電力購入契約(PPA)は2018年に記録的な増加を見せ、同年8月までの再生可能エネルギーは世界全体で7.2ギガワットに達し、2017年よりも2ギガワット近く上回りました。100%再生可能エネルギーを公約する企業が増える中、再生可能エネルギー調達の動きはさらなる増加が見込まれます。

グーグルやアマゾン、マイクロソフト、フェイスブックなど、自社のデータセンターへの電力供給の強化を図る巨大テック企業は、再生可能エネルギーを調達するPPA市場の成長をけん引する存在。規模の経済(スケールメリット)が働くほど大量のエネルギーを必要としています。

しかし、すべての企業がGoogleやAppleほどにエネルギー需要量があり、大量の再生可能エネルギーを購入できるわけではありません。複数の企業が共同で調達する仮想PPA(VPPA)なら、小規模の買い手が集まりスケールメリットを出すことができます。2019年1月にレベルテン・エネルギー社を通じて取引されたVPPAは、再生可能エネルギー関連企業であるバイワアールイー社との単一契約として結ばれ、特定の大口投資家や「アンカーテナント(プロジェクトの核となる大口購入企業)」がいなくても、契約各社が10メガワット未満の単位で電力を購入できるようになりました。

バイワアールイー社で、電力マーケティング担当バイスプレジデントを務めるレベッカ・スタンバーグ氏は、次のように語っています。「今回の取引で興味深い点は、小規模な買い手が大規模なプロジェクトの一部を同じ経済性で享受できること。また、設備を整えるのに必要な弁護士費用や時間、労力など全てを自社で負担することなく規模の経済を活用できる、実現的なアプローチだということです」。

レベルテン・エネルギー社は創設当初から、「プロジェクト全体のうち5メガワット分を手軽に購入したい」というような企業向けに、小規模のPPAを提供することに専念してきたとスミス氏は言います。発電所デベロッパーは同社のデータベース上で発電状況を共有し、ソフトウエアとITを駆使しながら、潜在的な発電可能性を比較したり、リスクを定量化したりしています。

また、バイワアールイー社はレベルテン・エネルギー社のデータベースに他のプロジェクトも登録しており、ノースカロライナ州の100メガワット太陽光発電プロジェクトの残りの電力販売を2020年末までにオンラインで行うことを予定し、契約の締結を進めていました。

今回のVPPAに参加する5社すべてにとって最適な契約条件を探るため、レベルテン・エネルギー社では、大量のデータ解析を行ったとスミス氏は言います。

また、「データ解析を自社でできる、あるいはやるべきだと考えている多くの企業と競合することになります」とスミス氏は語り、これまでにさまざまな企業から受け取った提案依頼書についても言及しました。「市場価格と本当の『価値』は、一致しないのです」。

同社の解析は、発電計画実施に伴うリスクに加え、案件ごとの価格変動リスク評価に役立ちます。特に価格変動リスクについては、今後10年間に同じ地域内でどれだけの再生可能エネルギー施設が稼働を開始するかなど、さまざまな要因を総合的に検討する必要があるため「PPAを取り巻く経済性は、大きく変動する可能性がある」とスミス氏は言います。

レベルテン・エネルギー社は、自社のプラットホームと共同型VPPAモデルを通じて分析を簡素化し、関心のあるすべての事業者が新規の再生可能エネルギーを調達しやすくなることを目指しています。スミス氏の推定によると、同社のデータベース上にあるプロジェクトの約97%を風力発電と太陽光発電が占めていますが、それ以外にも、バイオマス発電や小水力発電、蓄電池と風力や太陽光を組み合わせた発電案件も提供されています。

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