2030年までに世界のCO2排出量を半減させるには?

f:id:ORIX:20220302110839j:plain

[Publisher] Utility Dive

この記事はUtility DiveのEmma Penrodが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

このニュースのポイント

  • 米国の電力研究所(EPRI)が2021年11月に発表したリポートによると、米国が2030年までの短い期間にCO2排出量の50%削減を実現するには、風力・太陽光発電などの既存技術の導入に加え、特に電気自動車(EV)やエネルギー効率向上へのテクノロジー活用に注力する必要があるという。

  • また2030年には、最終利用段階におけるエネルギー消費量の29~33%を電力が占めるようになる見込みだ。電力需要の拡大と排出削減の両方が最も進むと期待されるのは交通・輸送の電化で、現在の1%未満である需要は、2030年には8~16%にまで増加するとの予測も。

  • こうした需要の伸びを維持するには、風力・太陽光発電所の導入を現状の2~3倍のペースで進める必要があり、さらに地域間送電も20%増加させる必要があると同リポートは結論付けている。

EPRIによると、2030年までに米国経済全体のCO2排出量を50%削減するためには、各産業や政府は計画を徹底的に見直す必要があり、さらに炭素回収など開発途上の技術を使わずに実現しなければならないとしています。

またリポートは米国の現状を踏まえ、排出削減率が2030年までに2005年比で27%にとどまると予測しています。EPRIをはじめ各機関の研究者が2030年までに50%削減に達するために必要と考える取り組みはある程度実施されている一方で、目標達成のためには、特に電力・輸送セクターにおいて進捗(しんちょく)を大幅に加速させる必要があると指摘しました。

「今回、私たちが分析・検討したすべてのシナリオに大幅な変化があります」と、EPRIのエネルギーシステム・気候分析グループで主席技術幹部を務めるトーマス・ウィルソン氏は述べています。さらに「電力セクターでCO2排出量を80%削減している事例もある一方で、電化については課題が大きく異なります。私たちの調査では、EVかガソリン車か、あるいは電熱かガスかといった選択を企業や一般家庭が迫られる点も考慮しています」と付け加えました。

電力セクターは2005〜2019年の間にCO2排出量を33%削減し、すでに順調に進んでいますが、ペースの加速は他の産業からもたらされる必要があるとウィルソン氏は指摘します。電力セクターを除くと、経済全体の排出削減率は2%に過ぎません。

「実質的なCO2排出量は増えていないので、どの業界でも効率性は向上しています。ですが、単に成長を相殺するだけでなく排出の絶対量を減らすためには、電化が鍵となりそうです」とウィルソン氏は語りました。

EPRIのエネルギーシステム・気候分析グループのプログラムマネジャーを務めるジョン・ビストライン氏によると、今後10年で最も電化が進むのは輸送セクターで、工業、暖房がその後に続くといいます。

米シンクタンクの未来資源研究所(RFF)のダニエル・ショウハン研究員によると、EPRIの調査は、このトピックに関する他機関の調査とも一致しているようです。また同リポートは、経済全体のCO2排出量を2030年までに半減させるために、実際問題として何が求められるかを示しています。

またショウハン氏は、地域を越えた送電網の拡大は半減という目標達成に必ずしも不可欠ではないものの、費用対効果の高い再生可能エネルギーを広い範囲に届けることができ、コスト抑制につながると言います。一方で送電網の開発には平均9年以上を要することから、2030年に間に合わないとも指摘しています。

米国では2021年11月に超党派によるインフラ法案パッケージが可決され、新規送電網の建設に650億ドルが投入される予定です。米国の法律事務所ブキャナン インガソール & ルーニーで政府関連業務のプリンシパルを務めるエドワード・ヒルド氏は「新たな送電網が近いうちに稼働することを期待する」としたうえで、次なる課題はこうした資金を適切なタイミングで各方面に充てていくことだと述べています。エネルギー料金が急激に高騰すれば、将来の気候変動対策に対する一般市民から反発の声があがる恐れもあるためです。

「すべて実現をするには、あらゆるピースが適切なところにはまる必要があります。そして、それが難しいことも、誰もが理解しています」と、ヒルド氏は語りました。

事業を通じた社会課題への貢献

サステナビリティ

ページの先頭へ

ページの先頭へ