スタートアップとの共創で地方創生に挑む愛知県の取り組み

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[Publisher] e27

この記事はe27のPranav Vadehraが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

愛知県は名古屋市を中心に、日本で3番目に大きく、世界でも有数の大都市圏を形成しています。太平洋岸に位置し、世界最大の自動車メーカーであるトヨタ自動車の本社があるほか、富士重工(現SUBARU)や三菱、アイシン、日本車両、日本特殊陶業など製造業の強豪企業が工場を構えています。

製造品出荷額等のランキングでは43年連続日本一を誇り、愛知県は「ものづくり」で世界をリードし続けるトップランナーです。伝統的に自動車、航空宇宙、鉄鋼、ロボット産業に強いことで世界に知られています。

これまでの産業を凌駕するようなテクノロジーやスタートアップが世界中で出現する中、愛知県は未来を見据えたイノベーション創出へ情熱をもって挑戦し続けています。「知を愛する」という県名の通り、常に新しい知識を探求し、創造し、世界に発信し続けてきました。現代においても、新たな「知」を持つリーダーを輩出し続け、サステナブルな未来都市の構想に向けた新たな課題に取り組むべくイノベーションを起こす、というミッションに突き動かされています。

愛知県の未来を担う「共創チャレンジ」とは

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愛知県は、国内外の共創型イノベーションプログラムで豊富な実績を持つICMGをアクセラレーションパートナーとして迎え、官民連携の新プログラム「あいちスマートサスティナブルシティー共創チャレンジ」を主催。シンガポールを中心とした東南アジアを含む国内外から、プログラムへの参加を希望するスタートアップを募りました(現在では募集は締め切られています)。

このプログラムは愛知県が培ってきた製造業の知見を生かしつつ、未来のスマートサステナブルシティーの発展をリードしていくために、県内の企業・自治体などとともに「新たな知」を共創し、課題を解決することに焦点を当てています。

そこで、人々が住む都市や地域社会のためにサステナブルで豊かな未来を切り開くために、大きく三つのテーマに分けてイノベーションパートナーを探すこととしました。

同プログラムで設定されたテーマは以下の三つです。

(1)デジタルトランスフォーメーションによる愛知県の産業発展

豊田自動織機は、開発した自律型ロボット「AiR」を活用したソリューションの拡充を目指しています。選ばれたパートナーは「AiR」の機能を用いて共創に取り組む予定です。AiRは現在、産業分野で活用されていますが、その活用方法はまだまだ広がる可能性を秘めています。

例えば医療支援、高齢者や障がい者へのサポート、小売業や観光業の顧客体験向上など。これらのソリューションに「AiR」を活用できるスタートアップを歓迎しています。

(2)多様なプレーヤーによる、人口減少社会における持続可能な自治体政策モデルの共創

これは人口減少社会において、持続可能な自治体運営モデルを構築・運営するためのアイデアを開発することを目的としています。

プログラムにチャレンジオーナー(各テーマに関して密接な課題を有し、スタートアップとの共創による課題解決に取り組む県内企業や自治体)として参加する半田市は、現在の都市モデルからの構造転換に挑戦し、市の魅力を向上させたいと考えています。人口増加と高度経済成長を背景に作られた旧モデルに代わる、未来の社会にふさわしい持続可能な都市モデルが必要です。

例えば半田市中心部の活性化(イベント、活動、エンターテインメント)、教員の働き方改革、学生への新しい学習方法の提供、農業の生産性向上、若者にとっての農業をより魅力的で親しみやすくすること、次世代型の公園管理の実現のほか、半田市のスマートサステナブルシティーの実現に向けたその他のソリューション開発が可能なスタートアップを求めています。

(3)すべての人が生涯輝き、活躍できる「Well being(ウェルビーイング)な地域づくり」

県民の幸福度向上を目指して実践したいと考えているのが、ヤングケアラー(通学や仕事のかたわら、障がいや病気のある親や祖父母、弟妹などの介護や世話をしている18歳未満の子ども)の発見と支援をITで最適化することです。

このテーマのチャレンジオーナーである日本特殊陶業は、高度なセンシング技術や愛知県民のウェルビーイング向上のためのソリューションを新たに開発することで、事業ポートフォリオの変革を見据えています。

ハードウエア・ソフトウエアなどに関わらず、テクノロジーの力を生かした家庭内介護の改善、家庭内暴力の記録や検知、緊急時の迅速な支援提供、ヤングケアラーの早期発見と適切な支援機関との連携などを実現できる、スタートアップのソリューションに期待しています。

プログラムへの参加は、自社ソリューションもスケールアップさせる

選ばれたスタートアップ企業は、主催チームと協力しながら既存の市場機会に対する自社のソリューションの適合性を検証できます。海外スタートアップであれば、他社とのコラボレーションや日本進出のチャンスという、貴重な機会を得られるプログラムとなるでしょう。

サステナビリティ

事業を通じた社会課題への貢献

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