技術が変える保険業界の未来

f:id:ORIX:20211222143855j:plain

[Publisher] TechBullion

この記事はTechBullionのAdriaan Britsが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

  • 世界の人工知能市場は大きく拡大し、2025年には1900億ドル(約20兆8000億円)を超える市場規模になると予測されている。
  • 一方、ウエアラブルAIの市場規模は、2025年には約1800億ドル(約19兆7000億円)に達すると予測されている。 
  • 2020年から2027年までのAI市場の年間成長率は33.2%という予測も。 

世界的に評価の高い米国の経営コンサルティング会社、マッキンゼー・アンド・カンパニーが発表した最新のリポートは、保険業界とIT業界(特に人工知能(AI))の関係、2030年代の保険業界に対する影響を調査したものです。 

保険業界が日々の健康リスクと複雑な問題をあらゆる側面から分析するためのテクノロジーのほとんどは、実は以前から存在しています。

畳み込みニューラルネットワークをはじめとする深層学習(ディープラーニング)の普及に伴い、AIが人間の頭脳の推論、問題解決、学習、知覚などを保険の文脈で正確に反映できる段階に到達しているというのが専門家の見方です。 

これは、保険業界が現在の「検出・修復」という役割から大きく転換し、「問題の予測・予防」という構造に移行することを意味します。

もちろん、これは他の主要な業界が生産性向上、コスト削減、顧客体験の最適化などのために、新しく革新的で高度な技術を業務に取り入れられるかどうかによっても左右されます。 

保険業界の構造の移行を実現するには、各保険会社が新たなビジネスチャンスに適切に対応し、進化するビジネス環境に身を置くことが前提条件です。このような変化は、保険商品の流通、保険金請求、価格設定などの方法にも大きな影響を与えると思われます。 

AIの普及が進んだ結果、世界の保険業界に現れるであろうパターンについて、以下でさらに議論します。

保険業界を変える三つの技術動向

AIの影響は、不動産取引や自動車などの分野において顕著です。

新型コロナウイルスの感染拡大という事態に直面したことで、保険業界を含め世界中の企業がオンラインでのサービス提供へ、大幅な移行を余儀なくされました。 

働き方、流通、コミュニケーションなど、この1年半の間にデジタル技術が重視される傾向が強くなり、企業が日常業務に、高度な自動化やAIを組み込むことに慣れてきています。

1)ロボットの普及拡大

ロボット分野では、この10年間で多くの成果を達成しており、今後、私たちの生活に大きな影響を与えるのではないかと予測されています。

例えば3Dプリンターは、製造業だけでなく保険商品にも影響を与えると言われています。2025年には、3Dプリンターで製造された建物が一般的になるという予想もあり、保険会社は新たなリスク評価を適切に把握・理解する必要があるからです。

さらに自動化された農機具やドローン、手術用ロボットなども今後10年以内に市販されるようになるでしょう。2030年には、自動車に自動運転機能がオプション搭載されているのは当たり前のことになるはずです。 

今後、保険業界のリーダーたちが時流に沿った事業を展開するには、ロボット技術の進歩が日常生活にどのような影響を与えていくのかを理解する必要があります。 

2)データの爆発的増加

自動車、電話、ホームアシスタント、スマートウオッチなど、日常的に使用される既存のデバイスへのAIの導入は、今後も飛躍的に増加し、最終的にはAIを使っているのが当たり前というカテゴリー(アイウェア、衣類、靴、医療機器など)も登場すると考えられています。 

アナリストの分析では、2025年には全世界で1兆台ものインターネット通信可能なコネクテッドデバイスが存在することになると予測されています。 

こうしたデバイスから収集される新しいデータは、顧客の消費傾向を把握する方法を劇的に変えるでしょう。これによって、リアルタイムなサービス提供が促進され、需給に合わせて変動する価格設定が広がるはずです。 

3) 認知技術(コグニティブテクノロジー)の発展

現在、認知技術(コグニティブテクノロジー)が導入されているのは、音声、画像、テキスト処理が主な分野ですが、今後数年のうちにさらに広範囲に応用される可能性が高まりそうです。

高精度な認知技術が普及することで、保険業界は現在よりも広範囲で複雑なデータを処理できるようになると考えられます。これにより、人々のリアルタイムの活動や行動に結びついた保険商品が実現します。 

これらの技術の統合が進むことで、保険業界に変革が起こることになります。

未来の保険業界:加入契約の簡素化

2030年には、保険加入の手続きが簡略化されているでしょう。 

リスク分析を個別に自動作成する高度なAIアルゴリズムにより、特に保険会社では人手を要する作業が大幅に減ることになります。つまり、生命保険や損害保険の契約に要する時間を数分、あるいは数秒単位にまで短縮することができます。 

住宅(家財)保険会社では、すでに見積もりの即時発行が可能になっており、2021年時点でもかなり普及していますが、今後10年以内にさらに拡大すると見られています。 

最終的には、保険会社が消費者に自動的に保険契約を発行できる未来が到来するはずです。

保険業界における変化が民間の保険会社に及ぼす影響についてはまだ調査されていませんが、この業界が長年にわたって発展を続けてきたことを考えると、実りある選択肢であることが証明されるでしょう。保険業のライセンスを持つ個人も、こうした業界の変化を享受するのに最適なポジションにあると言えます。

まとめ

保険業界の進化がAI分野の進化と密接に関連していることは明らかです。 

2030年の保険市場の状況を正確に予測することはできませんが、保険会社は、今後数年のうちに業界全体に広がるであろう自動化に万全の体制で対応するため、現段階からでも、「AI関連の技術やトレンドに精通する」「広範なデータ戦略を策定し、実行する」「一貫した戦略プランを策定し、実行する」などさまざまな手段を講じることができるはずです。

その他事業・サービス

法人金融事業・サービス

事業活動を通じた社会課題への貢献

スマートでレジリエントな社会の実現

ページの先頭へ

ページの先頭へ