社会にインパクトを与える15歳の科学者のイノベーション

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[Publisher] Working Mother

この記事はWorking MotherのQuinn Fishが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

未来に希望を見出したい昨今、TIME誌が「キッド・オブ・ザ・イヤー:今年の子ども」を2020年に発表しました。選ばれた少女はサイバーの世界に旋風を巻き起こしているほか、STEM教育での有色人種の女の子の道を切り開く活動を行っており、まさに希望の光と言えます。8~16歳の候補者5000人以上の中からこの栄えある賞に選ばれたのは、インド系米国人のギタンジャリ・ラオさんです。

彼女はテクノロジーを駆使したネットいじめなどの問題解決や、飲用水に含まれる汚染物質の検出、オピオイド系鎮痛剤の依存症の診断などに取り組んでいます。まだ15歳ですが、ネットいじめと思われる言葉を人工知能(AI)で検出し、早期発見に導くためのアプリとGoogle Chromeの拡張機能「Kindly」を開発しました。このアプリはユーザーのメッセージ送信前に「本当に送って良いか」「書き換えた方が良いのではないか」などのアラートも通知してくれます。

ラオさんはオンライン授業の合間を縫って、米コロラド州ローンツリーの自宅からTIME誌の特集の取材に応じ、女優・慈善活動家であり6児の母でもあるアンジェリーナ・ジョリー氏のインタビューに対して次のように答えています。

「Kindlyは罰することが目的ではありません。私もティーンエージャーの一人として、彼らが時に暴言を吐いてしまうことを知っています。このアプリはむしろ、自身が言おうとしていることを考え直すチャンスを与えてくれるので、次にどう行動すべきかが分かるのです」

また、ラオさんは遺伝子工学を用いて、水中の寄生虫などの汚染物質を安価かつ正確に検知するテクノロジーの開発に取り組み、途上国での活用を見込んでいます。さらに、オピオイド受容体遺伝子のタンパク質生成をもとに、処方されたオピオイド系鎮痛剤の依存症を早期に診断する製品の開発にも着手しています。

彼女の活動はそれだけにとどまらず、地元の学校やSTEM教育機関の女子生徒、世界各地の美術館、上海国際青少年科学技術博覧会などと連携してワークショップを開催し、若者がテクノロジーに興味を持つように働きかけています。最近「3万人の学生を指導する」という自身の目標を達成したばかりです。

「社会課題解決に取り組む若きイノベーターの世界的コミュニティーに刺激を与える」というラオさんの使命感の裏には、STEM分野の人材の偏りに対する問題意識があります。「私は一見すると科学者には見えないでしょう。テレビに映る一般的な科学者は高齢で、大体が白人男性です。それを見て、人は性別や年齢、肌の色でそれぞれ決められた役割があるかのような不思議な感覚を抱いたのです」と彼女は語ります。「もともと世界の社会課題を解決するデバイスを自分で作ることが目標でしたが、今はそれだけではありません。私の活動から他の人にも刺激を与え、同じ領域で取り組む仲間を増やしたい。というのも私の経験上、自分に似た人がいない状況で何かを成し遂げるのは大変だからです。『私ができるならあなたもできるし、誰だってできる』こと伝えたいと心から思っています」

ラオさんの深く聡明(そうめい)な言葉は、現代を生きる誰にとっても当てはまるでしょう。「すべての問題を解決しようとせず、ワクワクすることにだけ意識を向ける」、言い換えれば「何もかも抱え込もうとしない」。このメッセージを胸に刻み、心にゆとりを保つことが大切なのかもしれません。

TIME誌は92年にわたり「パーソン・オブ・ザ・イヤー:今年の人」を選定してきましたが、2019年に16歳のグレタ・トゥーンベリさんが最年少で選ばれたことで、編集者は子どもが発揮する影響力にもっと注目すべきと判断したそうです。2020年はラオさんのほか、4人の上位入賞者が残した輝かしい成果が紹介されました。彼らの功績を見れば、私たちや社会にとってどれほど意義があり、いい影響を及ぼすことになるかがイメージできるはずです。

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