空き瓶がハート形のガラス工芸品に変身~サステナビリティの秘密は、愛?~

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ガラスのハートを作る男性と、木に飾られたオーナメント
Pueblo Bonito Resorts

[Publisher] Travel & Leisure

この記事はTravel & Leisureが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

吹きガラス職人のイスラエル・バウチスタ氏の作るハートの形をしたガラス工芸品が、メキシコ全土で愛の象徴のようになっています。

常夏を求めて長期休暇を過ごしにきた旅行客が、お酒を飲みたくなるのに理由などいりません。メキシコにあるリゾートホテル「Pueblo Bonito Pacifica Golf & Spa Resort」には、バーを備えたプールがあり、宿泊客はそこでビーチチェアに深く腰かけながらビールを楽しむことができます。飲み終えた酒瓶は、プールに備えられたゴミ箱には捨てられません。もちろん、そのあたりに放り投げられるわけでもありません。

絵画のような美しさを誇るリゾート地のキビラ・ロス・カボスに位置する同ホテルでは、空き瓶はゴミとして捨てられる代わりに、ハート形のオーナメントに生まれ変わります。南国のフルーツのような色とりどりでサステナブルなオーナメントが、プールサイドのヤシの木や一流レストランのテーブルの上など、あたり一面に飾られています。世界最高のゴルフ場の一つとされるドラマチックなQuivira Golf Clubでも、まるで砂漠に立つクリスマスツリーのように、輝くオーナメントが自然に生える植物につり下げられています。

Pueblo Bonito Resortsでは、芸術家のイスラエル・バウチスタ氏に使用済みの空き瓶を提供しています。この地で3代目として活動するバウチスタ氏は、リサイクル素材を使い、1日最大150個にも及ぶ鮮やかなガラス作品を制作します。同ホテルはその作品を買い戻し、ロス・カボス内にある五つのリゾート施設に飾ります。

何世紀も前にスペインからメキシコに伝わった吹きガラス工芸は、メキシコ国内で古くから大切にされてきました。陶芸家の家に生まれた同氏は、10代で吹きガラスの修行を始め、「床掃除や瓶の掃除」という下積みの仕事からスタートしたと言います。そして23歳になる頃に窯を購入し、自分の工房を開きました。現在は7人の職人とともに「San Miguel Blown Glass Factory」を運営しています。

開窯後のあるとき、Pueblo Bonito Resortsの食品・飲料担当マネジャーが工房を訪れました。同氏がリサイクルのアイデアを提案したのは、この時です。二つ返事で受け入れられたこの提案は、ホテルと工房、そして環境にとっても良いウィン・ウィン・ウィンのものでした。

「お客さまに当リゾートの環境保護の具体例として、再生ガラスの取り組みを知ってもらうと、感動していただけます」とオペレーション担当マネジャーを務めるアルマンド・ガルシア氏は語ります。

Pueblo Bonito Resortsの先進的なリサイクル活動は、環境への持続可能な取り組みとして称賛されています。何より、バウチスタ氏の作るハート形オーナメントにゲストは魅了されるのだと、ガルシア氏は言います。

メキシコとカトリック教会の伝統的なモチーフであるハートは、人類に対する神の愛の象徴である聖心から着想を得たものです。

リゾ―トの宿泊客は、バウチスタ氏の工房を訪れるツアーに参加し、吹きガラスを体験することもできます。数トン分もの空き瓶が山の中腹にある工房まで運び込まれると、バウチスタ氏は数千本にも及ぶ瓶をきれいに掃除し、粉砕します。粉々に散らばった虹色のガラス破片は、まるでボウルいっぱいのカラフルな小石のようです。粉砕されたガラスは、ごうごうと鳴る2000度の窯の中で溶かされます。そこに、バウチスタ氏をはじめとする職人たちが長い棒を浸し、息を吹き込んでハート形に成形します。10分もするとハートが生まれ、その後14時間かけて冷やされます。

吹きガラスについてバウチスタ氏は「この技術を学べる場所はなかなかありません」と話します。「作業には繊細さが求められます。ハートというのは壊れやすいものなのです」。

オーナメントから花瓶、キャンドルホルダーまで、さまざまな形や奇抜な透明色に仕上げられる手作りのハートは、もともとは同ホテルブランドの各所にあるギフトショップで限定販売されていましたが、今ではメキシコ全土の主要都市や空港ターミナルの店頭に並んでいます。自分の作品に向けられる関心や好意的な反応に、バウチスタ氏本人は驚いていると言います。

「ハートを作ることで、これほど注目されるとは思っていませんでした」とバウチスタ氏は打ち明けます。「僕はいつもこう言っているんです。『手で作る物というのは、心で作られる。そして、ここでは、すべてが手作りです』って。」

サステナビリティの秘密は、愛なのかもしれません。

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