コミュニティーバッテリーとは?オーストラリアのエネルギー消費者にどんなメリットをもたらすのか?

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[Publisher] The Guardian

この記事はThe Guardianのロイス・クルメロフが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

イーロン・マスク氏が南オーストラリア州に巨大なバッテリーを建設して以来、オーストラリアではバッテリー業界に過去最大の注目が集まっています。労働党は、次の選挙で勝利した場合、国中に何百もの「コミュニティーバッテリー」を設置する資金を提供すると発表しました。

しかし、「コミュニティーバッテリー」とは一体何でしょう?どのような仕組みなのでしょうか?

コミュニティーバッテリーとは

​電力網を支えるバッテリーには、さまざまな形状やサイズがあります。イーロン・マスク氏が南オーストラリア州ホーンズデールに設置し、周波数サポート用に使用される大型バッテリーのように、発電を支援するタイプもあります。

​農村地域で電力ネットワークと連係していない、停電に備えたバックアップ電源用中型バッテリーもあります。

コミュニティーバッテリーとは、市内に分散設置し、各地域に住む複数の家庭で電力を共有するためのものです。労働党の提案は、この導入です。コミュニティーバッテリーの基本的な考えは、太陽光発電パネルを設置している家庭で余った電気を共有のストレージに蓄電しておき、後で利用できるようにするというものです。

オーストラリアならではの可能性

オーストラリアでは、6軒に1軒の家庭が太陽光発電を導入していますが、蓄電池を導入しているのは60軒に1軒です。各家庭にとっては、コミュニティーバッテリーは、設置やメンテナンス、交換などのコストやリスクを民間企業や協議会に委ねることで、蓄電池を低コストで利用できるというメリットがあります。

電力ネットワークを運営する側にとっても、このバッテリーは非常に便利です。電力ネットワークの観点からすると、ピーク時の需要に対応する場合、既存のケーブルを取り外して太いケーブルを設置するよりも、バッテリーを設置した方がコストを抑えられ、効率的です。また、屋根置き型太陽光発電パネルが集中することによる電圧や容量の問題にも対応できます。

コミュニティーバッテリーの仕組み

原理的には、Dropboxと同じような概念で電気を使うことができますが、さまざまな実証実験で開発されているため、それぞれ内容は異なる可能性があります。

設備容量は100kWから1MWで、冷蔵庫や輸送用コンテナの大きさに相当します。各家庭に一定の蓄電容量が割り当てられるので、日中の発電量に応じて、余剰電力の一部が蓄電されます。電力需要のピーク時には、夜間の家庭用電力として、あるいは送電ネットワークの補助電力として使用されます。

同じ考えで電気自動車に搭載されているバッテリーを利用する案もありますが、コミュニティーバッテリーの利点は、利用者も運営側も、いつでもどこにバッテリーがあるかを正確に把握できることです。

オーストラリアでの設置状況

2021年4月現在、オーストリア国内数カ所で試験が行われています。中でも注目されているのが西オーストラリア州のウェスタンパワー社とシナジー社のプロジェクトで、2020年末、3回目の試験を開始しています。ニューサウスウェールズ州では、シドニー北部のビーチエリアにある600戸の住宅を対象に、「ビーコンヒルパイロットプログラム」を開始しました。これは「第1弾」であり、この後も多くのプロジェクトが続くと予想されます。

コミュニティーバッテリーの採算についての研究状況

オーストラリア再生可能エネルギー庁は、オーストラリア国立大学のバッテリーストレージ・統合プログラム(Battery Storage and Integration Program)の研究者数名に、コミュニティーバッテリープロジェクトの財務見通しの調査を依頼しました。

チームを統括するラクラン・ブラックホール博士によると、技術もビジネスモデルも発展途上なため、確実なコストを見積もることはできないということです。バッテリーを運営するのは誰か、それが営利企業なのか、どのようなモデルで運営するのか、バッテリーの利用目的は何か、などの要因によって大きく異なるからです。

「重要なことは、コミュニティーバッテリーの導入が進めば、消費者にとってコスト削減につながるということです」と、ブラックホール博士は述べています。

提案されている政策

労働党は、選挙に勝利した場合、2億ドル以上を投じて全国に400のコミュニティーバッテリーを設置し、10万世帯にサービスを提供するという公約を掲げています。これにより、各家庭への太陽光発電パネル設置がさらに進むのではないかと、労働党はコメントしています。

事業を通じた社会課題への貢献

環境エネルギー事業・サービス

脱炭素社会への移行

エネルギーの効率的な利用と供給

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