AIで会計処理を自動化する米国のフィンテックサービス「Zeni」に注目集まる

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[Publisher] VentureBeat

この記事はVentureBeatのKyle Wiggersが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

スタートアップ企業向けにAI(人工知能)搭載型財務アドバイスサービス(ファイナンスコンシェルジュ)を提供するフィンテックサービス、Zeni(ゼニ)は、Saama Capitalが主導するシリーズAラウンドで1350万ドル(約14億7900万円)の資金調達を完了したことを発表しました。同社によると、この資金を基盤に、全米のスタートアップ企業が利用できる人工知能搭載の簿記・会計・CFOサービスである新製品「Zeni」の立ち上げを急ぐということです。

調査によると、日常の会計業務の大部分はソフトウエアで自動化が可能だということです。Chartered Certified Accountants Association(英国勅許公認会計士)が実施した調査では、回答者の50%以上が、今後30年間、システムの自動化・インテリジェント化が会計ビジネスに大きな影響を与えるだろうと予想しています。

2019年、双子の兄弟であるSwapnil ShindeとSnehal Shindeが設立したZeniは、AIと財務の専門家チームを組み合わせて、税金、請求書の支払いや請求書の発行、財務予測、予算編成、給与管理などの財務機能を顧客に代わって管理しながら、簿記作成を行います。Shinde兄弟は、2018年に自らのスタートアップ企業、Meziをアメリカン・エキスプレスに1億2500万ドル(約136億9000万円)で売却し、2014年に共同設立したインドの音楽ストリーミングサービス、DhinganaをRdioに売却してZeniを起業しました。

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「MeziやDhinganaを立ち上げていたとき、スタートアップ企業の財務管理に適したソリューションがないと思っていました。当時の簿記担当、会計士、財務チームは、月末締めから2~3週間たってから、財務情報を報告してくるのです」とSwapnil Shinde氏はVentureBeatの取材に答えました。「月次報告書が届き、詳細な会計履歴を調べ、間違いを修正し、疑問点を解消するために会計士とメールでやりとりしている間に、数週間も経っていました。こんなプロセスは破綻していて、急成長するスタートアップ企業のニーズを満たせないことは明らかでした。アメリカン・エキスプレスとの契約を解除し、再びスタートアップ企業の世界に入ることを決めたとき、この問題に取り組もうと決めていました」。

中小企業では、ほとんどの事務処理がいまだに手作業で行われているのだと、Swapnil Shinde氏は指摘します。​Wakefield Research and Concurが実施した調査結果によると、中小企業の84%が日常業務で何らかの手作業に頼っているということです。その中には財務的なものもあり、専門的な知識を必要とするため、リスクも高いのが実情です。ミスが発生すると、顧客が支払いできなくなったり、請求書発行が遅れたりするなど、支障をきたす恐れがあります。

Zeniは、定額の月額料金を支払うことで、リアルタイムに反映される財務データベースを利用できるようになるだけでなく、公認会計士チームによるサポートを受けられます。プラットフォームを他のシステムに連結し、ZeniのAIが裏側で日々データを処理し、ダッシュボードを通じて支出、バーンレート、営業費用、キャッシュ/カード残高、製品別収益、月末レポートなどを提供します。

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AIが生成したウェブ上のレポートでは、毎月の財務に影響する主な要因を明らかにします。

例えば、営業費用が前月比で増加している場合、主な要因は給与と契約金であることを強調して表示してくれます。また、メールの添付ファイル、スマートフォンからの画像、メールのテキストなどの形でZeniに送信されたデータが、会計ソフトウエアの情報処理と正しいかを照合する自動化ツールも提供しています。領収書の照合が完了すると、自動的にメールにコメントを送信し、財務チームが確認できるようにレポートへのリンクを送信してくれます。

また、Zeniは、入力された取引を分類することで学習を行う、取引項目の自動分類エンジンを構築しています。取引項目は、主にZeniの顧客の過去の学習結果に基づき、自動的に分類されます。担当者が分類を承認したり、無効にしたり、修正したりすることで、AIシステムは失敗から学習する仕組みになっています。

「AI搭載のプラットフォームを構築する当社の手法を財務管理分野に適用して完成したのがZeniで、経営者や事業責任者が簡単には発見できなかった財務上の発見を引き出すことができます」と、Swapnil Shinde氏は語ります。同社は2021年度に3億ドル(約328億5900万円)以上の取引を処理し、今後数カ月で合計10億ドル(約1095億3000万円)を処理する予定だということです。「2020 年から、コロナ禍にもかかわらず、Zeniは着実な成長を遂げ、数多くの企業に採用していただきました。同年1月、初めての有料顧客への導入を行って以来、100社以上のスタートアップ企業がZeniを利用しています。」

2021年3月9日に発表されたZeniの資金調達ラウンドには、SVB Financial Groupをはじめとする非公開企業が参加しており、これにより、カリフォルニア州パロアルトを拠点とするZeniの資金調達総額は1400万ドル(約15億3300万円)を超えました。過去の支援者を含む既存の後援者には、Saama Capital、Amit Singhal、Sierra Ventures、SVB Financial Group、Liquid 2 Ventures、Firebolt Ventures、Dragon Capital、Twin Ventures、Manish Chandra、Gokul Rajaram、Ed Lu、Nickhil Jakatdar、Kunal Shah、Anupam Mittalなどが名を連ねています。

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