中小企業がデジタル化を進めやすい三つの領域

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[Publisher] Small Business Trends

この記事はSmall Business TrendsのRieva Lesonskyが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

企業のデジタルトランスフォーメーションが注目を集めていますが、すべての中小企業がその波に乗っているわけではありません。

​コロナ禍の前までは、ゆっくりとデジタル化を進めていけばよかったかもしれません。しかし、2020年に状況は一変しました。セールスフォース社のレポート「State of the Connected Customer(コネクテッドカスタマーの現状)」によると、回答者の68%が、新型コロナウイルスの感染拡大により「企業サービスのデジタル化に対する期待が高まった」と答えており、便利なデジタル体験が求められていることが伺えます。

この結果は中小企業にとってどのような意味を持つのでしょうか。一言で言えば、今すぐデジタル化を進める必要があるということです。米国調査会社IDC社とシスコ社が実施した「2020 Small Business Digital Maturity Study(2020年中小企業デジタル成熟度調査)」によると、米国では企業の半数は4段階中の2段階目の「デジタルオブザーバー」に位置しています。デジタルオブザーバーとは、デジタルへの取り組みを始めているものの、小規模な取り組みで手探りの状態と定義されています。

このままでは2021年以降、生き残ることはできないかもしれません。IDC社のデジタルトランスフォーメーション&SMBリサーチ部門責任者兼AVPであるダニエル・ゾーイ・ヒメネス氏は、「新型コロナウイルスの感染拡大により、中小企業はデジタル化がもはや選択肢ではなく、生き残りをかけた問題であることに気付き始めました」と語ります。

デジタルファーストで考えることがあらゆる業態で求められます。デジタル化を進めることで、成長戦略に集中できる時間が増えます。

デジタル化への第一歩:クラウドの活用

​クラウドテクノロジーは、もはや黎明期の頃のようなオタクのためのテクノロジーではなく、あらゆる規模の企業で利用可能で、非常に便利な優れたツールです。クラウドベースのソリューションは、業務を合理化するだけでなく、企業のコスト削減、スケールの大きな競争、重要なデータ保護などで力を発揮します。特に中小企業が効率的な運営、生産性の向上、事業の拡大、増収、そしてデジタル化を目指すなら、クラウドベースのソリューションが不可欠と言えます。クラウドを上手に活用すれば、中小企業を次のレベルに引き上げることができます。

市場では、特定のタスクや部門に対応したクラウドベースのアプリケーションが数多くリリースされています。クラウドベースのソリューションを採用することで特にメリットが大きい三つの領域を紹介します。

1.プロジェクト管理

中小企業を運営するにはチームワークが必要であり、生産性の高いチームワークには卓越した組織力とコラボレーションが必要です。リモートワークでも、チームを一つにまとめる優れたプロジェクト管理ツールがすでに多数リリースされています。

プロジェクト管理ツールを導入するメリット:

  • 誰が何をやるのかを明確にできる
  • プロジェクトの進捗状況を確認できる
  • プロジェクトの予算とスケジュールを作成できる
  • 納期を設定できる
  • チームメンバーのコミュニケーションを円滑にできる
  • PCで作業中のファイルを自動的にクラウドに保存し、共有できる
  • 同じファイルを複数人で同時に開きながら共同編集することが可能
  • データのセキュリティーを守れる
  • 場所を選ばず、プロジェクト管理ツールにアクセスできる

ほとんどのクラウドベースのプロジェクト管理ツールはサブスクリプションで、ユーザー数や必要な機能拡張に応じてコストが異なります。Google Driveのような無料のアプリケーションで小さな規模でスタートすることもできますが、ストレージやツールに制限があります。ただし、情報をリスクにさらすことがないよう、サイバーセキュリティープロトコルを確立してください。

2.マーケティング

世界中で不安がつのった2020年を越えた今、消費者が何よりも望んでいるのは、記憶に残り、自分自身の価値を認められることです。企業は一人一人に合わせたサービス体験を提供するために、あらゆる努力をする必要があります。「Rise of Personalized Commerce(パーソナライズされた電子取引調査)」によると、パーソナライゼーションが有効ということが明らかになりました。高度なパーソナライゼーションをマーケティングに活用している企業の70%が200%の投資収益率(ROI)を得ていることがわかりました。

顧客に合わせたサービス体験を提供するのは比較的簡単です。適切なデータを収集してクラウドに保存するだけです。顧客からは以下の情報を収集することになります。

  • 顧客がウェブサイトで閲覧した製品/サービス
  • 顧客が購入した製品/サービス(該当する場合)
  • 自社の SNS チャネルで顧客が行ったアクション
  • 顧客が反応を示した割引クーポン、プロモーション、特典

​こうした情報を入手することで、どのマーケティング施策がどのような顧客の心に響くかを知り、適切なメッセージでターゲットを絞ることができます。

また、クラウドベースのソリューションを利用してポイントによるグレード分けなどの企画を実施すれば、自社でのデータ管理も顧客自身によるデータやサービスの利用も容易になります。

クラウドベースのマーケティングアプリケーションを導入する際は、複雑に考えすぎないことが重要です。デジタル化を円滑にすすめるためには​新しいツールを既存のシステムと連携させる必要があります。

​例えば、小売業の場合は、在庫管理プログラムと連動するソリューションを探します。​また、使いやすいインターフェースと最小限のデータ入力で操作できる、チームにとって使いやすいソリューションも必要です。他の企業経営者や業界団体に紹介してもらったり、無料トライアル期間を提供しているプログラムを探してみましょう。

3.管理会計

クラウドベースのプロジェクト管理やマーケティングと同様、クラウドベースの会計システムは、個別に作業すると何時間もかかってしまう作業を一元化することで、中小企業のビジネスを支援します。オンライン会計ソフトは、リアルタイムでデータにアクセス可能で、社内の担当者や会計士との共同作業も簡単に実現できます。また、クラウド会計プラットフォーム付属の拡張機能を利用することで、メリットは倍増します。

クラウドベースの会計アプリケーションでは、給与計算や帳簿の作成、経費の管理などのタスクを便利にしてくれます。管理会計業務をクラウド化することで、業務の効率化を図ることができます。

例えば、Bill.comなどのプログラムでは、請求書の作成・送付から支払い処理までを管理することができます。​Bill.comを使用すると、請求書発行が自動化されるので、支払いまでのスピードを2倍速くさせることができると言います。​また、クラウドベースなので、CFOや経理担当者は、インターネット接続が可能な場所ならどこからでも、その日の売掛金や買掛金をチェックすることができます。

また、買掛金を管理し、期日を守り、かつ安全に支払い処理を行います。海外との取引の場合でも、Bill.comはさまざまな通貨で取引先に支払うことができます。

Bill.comなどのデジタルなクラウドベースのアカウントを利用することで、以下のようなメリットがあります:

  • 紙の請求書が不要になる:現在、ほとんどの取引先はオンラインでの支払いを希望しています。自動化されたシステムを使用することで、人的ミスの可能性を減らします。請求書を印刷して郵送する必要がないため、コスト削減にもつながります。
  • 詐欺・不正行為を防ぐ:紙の小切手では、企業のセキュリティーが損なわれてしまいます。クラウドベースのアカウントを利用することで、口座番号などを盗むことができなくなります。電子決済では、承認された人だけがクレジットカードや電信送金などで支払いをすることができます。
  • 自動化できる:クラウドベースの会計システムは、顧客や取引先の情報を手作業で入力したり、顧客に支払いの催促をしたりするなど、時間を要する作業を自動化できます。
  • 共同作業で便利に:会計では、複数の審査や承認が必要になることがあります。クラウド上で情報にアクセスできるようにすることで、これらのプロセスを迅速かつ安全に行うことができます。

中小企業には、クラウドを導入しないという選択肢はもはやありません。デジタルファーストで考えることで、会社の業務効率が上がります。​特に、新型コロナウイルスの感染拡大の状況下では、リモートで業務を行う企業が多いため、デジタルツールを採用することで金融取引の安全性も確保されます。

他の金融関連システムとの連携が可能で、使い方を覚えやすいシステムを探す必要があります。

中小企業の活性化

事業を通じた社会課題への貢献

法人金融事業・サービス

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