企業が社会的大義をDNAにする方法

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[Publisher] Business2Community

この記事はBusiness2CommunityのAlbert Costillが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

多くの企業経営者は、他社との差別化を図れる高い競争力を構築したいと思っているのではないでしょうか。これからの社会では、優れた製品やサービスを提供することは大前提ですが、一方で社会的責任を果たすことも重要となってきています。社会的良心を持つことが企業として競争に生き残るためのカギとなると言えます。特にミレニアル世代(2000年以降に成人を迎えた世代)では、世界を変えるという社会的大義に重点を置いた企業を評価し、サポートしたいと考える人が増えています。

企業が社会的大義に関わるメリット

さらに、社会的大義に関わることで、以下の観点で業績が向上するというメリットも報告されています。

  • 市場規模の拡大
  • 高価格帯でも購入するきっかけづくり
  • 顧客からの支持の向上
  • 従業員の士気と生産性の向上
  • 従業員の定着率の向上、採用力の強化
  • 投資家の目に留まる
  • ​資金援助の機会の増加

このように、社会的大義を前面に押し出すことは、企業にとって有利に働くと言って良いでしょう。大切なのは、大義を掲げたあと途中で辞めることがないように継続できるフォロー体制をどのように構築したら良いかということです。

自社に見合った社会的大義を掲げる

多くの起業家にとって「より良い世界を作りたい」という思いが原動力です。また、起業家なら、一度にいくつものアイデアを抱えているものです。つまり、掲げたい社会的大義が複数あっても不思議ではありません。

しかし、起業する時と同じように、まずはその一つを選んでスタートする必要があります。ホームレスを支援したいし、環境を守りたいし、教育を向上させたいと、さまざまな希望を抱えているかもしれません。しかし、手を広げすぎると、薄っぺらになり、運営するのがかえって難しくなります。

大義を具体的に選ぶ際には、事業に見合った大義を選ぶ必要があります。例えば、ペット用品を販売する企業なら、地元の動物保護施設を支援するのも良いでしょう。キッチンカーを運営しているなら、ホームレスに食事を提供しても良いでしょう。

個人的な動機によるケースもあります。軍人一家の出身なら、退役軍人を支援する社会的大義に加わりたいと思うかもしれません。

それでも、決まらない場合は企業に合った社会的大義の選び方に関するポイントがまとめられていますので、参考にしてください。一部を抜粋します。

  • 企業理念が自社と一致している非営利団体を探す。健康食品を販売する企業であれば、病気と闘う組織と連携するのも一手でしょう。
  • 専門家に相談する。​調査を行う時間がない場合は、企業とNPOをマッチングするような外部団体に依頼するという方法もあります。
  • 広報戦略に精通したパートナーを見つける。提携相手は、例えばソーシャルメディアを使いこなしていますでしょうか。答えが「イエス」なら双方にとって、メリットが考えられます。露出を増やし、提携に関する認知を広めることで、自社のファンの増加や寄付金集めへの貢献、ウェブサイトへのアクセスを増やすことができます。
  • 従業員にアンケート調査を取る。従業員にこうした支援活動に関心があるかどうか尋ねて見ても良いでしょう。どのような支援をしたいか尋ねてみましょう。ボランティアとして参加するケース、募金をするケースなど関わり方も確認しましょう。

自社の強みに重点を置くこと

「自分の苦手なことに時間をかけすぎると、時間と労力を無駄にしてしまいます。自分の強みに時間をかけることで、エネルギーが湧き、状況を改善する流れを見つけることができるのです」と、J.D.マイヤー氏は「時間」について書いています。

強みに集中することと、社会的大義との関係にどのような関係があると思いますか?

自分の才能や情熱を生かせる大義が見つかれば、こだわりたいという意欲も高まるはずです。例えば、あなたにコードを書く能力があるなら、非営利団体のウェブサイトやアプリの構築を支援することもできます。料理が好きなら、資金集めのイベントのケータリングを申し出ても良いでしょう。

ゴールを明確にすること

何事もやり遂げるためには、事前準備が必要です。事前準備のうち最初にやるべきことは、自らが達成したい目標について明確にすることです。

「企業の社会的責任」について、スーザン・S・ディビス氏が寄稿したChron.comの記事に「企業の社会的責任の目的は、消費者、コミュニティ、従業員の責任にポジティブな影響を及ぼす行動を取ること」と書いています。記事で書かれた事例を一部ご紹介します。

  • 「教育と啓発を通じて、有害物質への曝露から国民を守る」ことを目的して、危険管理プログラムを実施する
  • コミュニティの花壇や植物の育成、あるいは学校の修繕など、地域の改善・振興のための基盤を整える
  • 地域の慈善団体、教育団体、医療関連団体を支援し、十分なサービスを受けられない、または貧困に苦しむコミュニティを支援するための資金を集める
  • 例えば、靴を製造するメーカーが、経済的に恵まれない人々のための特別なシリーズを作るなど、JS Daw & Associates(JS・ダウ&アソシエイツ)のジョセリン・ダウ氏が解説する「企業が自社の経済的価値を得るのと同時に、社会的、あるいは環境的課題に対処することで、社会に価値をもたらす」共有価値の創造(CSV)
  • 例えば、決済代行会社が、一般の人々がサイバー犯罪から身を守るためのコンテンツを作成するなど、市民の意識を高める取り組み。こういった取り組みは、コンプライアンスと倫理的なビジネス基準を順守していることを示すことにもなります

Cause Consulting(コーズコンサルティング)の代表、ニッキー・コーン氏は、企業に合った社会的大義を掲げるだけでなく、以下のような取り組みも必要だと述べています。

  • 信頼される企業になる
  • 国営企業、あるいはグローバル企業だとしても、地域密着の目線で考える
  • チームワークと従業員が考えるビジョンを尊重し、熱意を引き出す
  • 社会的大義を企業のDNAの一部にする
  • 社会的大義を実践に移す

何が犠牲になるのかを認識しておく

社会的大義に予算や人員などのリソースを割り当てた場合、他のところからのリソースを移すことになります。企業としては、収益を失う、あるいは減収の可能性もあります。

Florida Atlantic University(フロリダ・アトランティック大学)の調査によると、「慈善活動に従事する企業は、企業の社会的責任(CSR)は収益に悪影響を及ぼす」と考える傾向が高いようです。

時間と資金を社会的大義に割り当てるのですから、これは当然のことだと言えるでしょう。長期的に見れば、これは悪いことではありませんが、今現在の事業運営上のリソースが不足し、問題になる可能性を認識しておく必要があります。

企業のメリットになる社会的大義を果たす

「社会に対する恩返し」という考え方は、少し古いかもしれません。社会の一員として「優良な」企業になる必要があります。Toms Shoes(トムス・シューズ)、Annie’s Homegrown(アニーズ・ホームグロウン)、Warby Parker(ワービー・パーカー)などは、この一例です。これらの企業では社会的大義が企業のDNAに組み込まれているのです。

企業にとってメリットになる社会的大義を果たすためにはどうすればよいでしょうか。

それは、できるだけ早く取り掛かることです。社会的な意識を高く持つことは、企業理念と結び付くものです。どのような取り組みをするか決めたら、その企業は「社会のためになるビジネスを行っている」と認識されます。当然、その場合は社会的大義を実践しなければなりません。

また、顧客に参加してもらうことも大切な仕掛けです。ボランティアとして参加するよう呼びかける、募金の送り先を指定してもらうなどの参加を促せます。参加することで、意義を感じ、深く関わりたいという意欲を顧客自身に感じてもらえるはずです。

期限を決めることも大切です。期限が明確だと、人はモチベーションが高まるものです。期限があれば、目標に向かって順調に進んでいるかを確認することができるからです。例えば、2週間で1000ドルの資金を調達したいとします。期限があることで、目標を達成しようという意欲が高まります。

さらに、期限付き目標をウェブサイトやソーシャルメディアなどで公表するのも良い打ち手の一つです。ニューヨークタイムズ紙も「期限を公言することは、強力な動機付けになる。守れなければ、自分の評判を落とすことになるからだ」と書いています。

最後に、リワード(報奨)やボーナスなどの参加奨励策を使って、取り組みを続けることが重要です。Entrepreneurの記事にも書きましたが、例えば、ボランティア活動のために無制限の休暇を与える方法や、寄付を売り上げの数字に結び付け、売り上げの増加に応じて寄付を増やすなどの方法が考えられます。あるいは「寄付を行う、あるいはボランティア活動をする人物を従業員が紹介する」プログラムを開設するのも良いでしょう。


本記事はDueに掲載されたものです。


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