ドローンとLTEで進むインフラ産業のデジタル化

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[Publisher] FierceWireless

この記事はFierceWirelessのMartha DeGrasseが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

米国最大の州公共電力機関、ニューヨーク州電力公社(NYPA)は、1400マイル(約2300キロメートル)におよぶ送電線ネットワークを運営しています。同社は、プライベートLTEで通信するドローンで、電線を検査できるようになったと発表しています。これまでは、作業員が電線の近くまで見に行く必要がありました。NYPAによると、撮影した高解像度の動画や赤外線映像を、ライブ中継できることも実証されています。

「ドローン検査の検証は順調に進んでいます」と、NYPA社長兼最高経営責任者(CEO)のギル・キニョネス氏は語ります。「当社の発電および送電線に無線技術を導入する実証実験は、NYPAがこの先デジタルに移行する上で不可欠な段階です」。

NYPAは、ノキアと提携し、ニューヨーク州スカハリー郡のブレンハイム・ギルボア揚水発電所にプライベートLTEによる無線技術を導入することを発表しています。プライベートLTEの実証実験は、NYPAの大規模なデジタル化構想の一環で、IoTセンサーの導入によるデータ量の増加に対応するための通信インフラプログラムも含まれます。

NYPAは、NDAC(Nokia Digital Automation Cloud)を使用しています。このプラットフォームにより、自社運用で通信回線を持ち、Webインターフェースとアプリケーションを統合することができます。

「今回のドローン飛行で、NDACのプライベートLTE無線技術の性能を示すことができました」と、ノキアエンタープライズ社長、ラガブ・セーガル氏は言います。「NYPAはLTE接続でドローンを操作し、自社専用の帯域幅でドローンカメラの映像をリアルタイムで監視することができました。プライベート無線回線が公益事業などの産業にもたらす価値を知ってもらうには、こうした実際のユースケースを示すのが一番早いでしょう」。

カメラ付きドローンは、NYPAが想定しているプライベートLTEのユースケースの一つです。このほか、最適な作業員配置計画の策定、電気メーターの読み取り、顧客のエネルギー消費分析、Wi-Fi電話、非常時通信、IoTアプリケーションなど、多岐にわたる用途も構想されています。

ノキアは、米国最大の周波数帯を所有するAnterix(アンテリックス)をはじめとして、民間の通信事業者と提携しています。

「アンテリックス、そして全米の数十社の電力会社のサポートと協力を得て、さまざまな実証実験をさせていただけることをうれしく思います」と、キニョネス氏は語ります。​「公益企業がプライベートLTEを採用することによって、さまざまなメリットを得られるはずです」。

NYPAでは、アンテリックスが提供する900MHz周波数帯でのテストのほかにも、ノキアと共にOmega Wireless(オメガワイヤレス)が提供する600MHz周波数帯でのプライベートLTEのテストを行うことや、AT&Tと共にFirstNet(ファーストネット)が提供する700MHz周波数帯でのLTEテストをスカハリー郡において行うことを計画しています。

また、並行してニューヨークのホワイトプレインズでもプライベートLTEのテストを進めるということです。これらのテストは、900MHzの周波数帯、CBRS周波数帯、GlobalStarが供給する2.4GHz周波数帯でも実施される予定です。

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