人工衛星とIoTの組み合わせで起こすイノベーション

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[Publisher] SpaceDaily.com

Harwell UK (SPX) Nov 04, 2020

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米国のIoT関連機器メーカーであるラクーナスペース社がIoT用に最新の人工衛星システムを既存システムに追加することに成功しました。対象となる衛星は、2020年9月28日、高度約500kmの低軌道に打ち上げられています。

ラクーナスペース社が開発した機能の主な役割は、宇宙版のIoTゲートウェイです。従来インターネット回線が確保できない僻地でセンサーなどのIoT機器に接続します。

ラクーナスペース社の最高経営責任者(CEO)、ロブ・スパレット氏は「この衛星はラクーナのネットワーク容量を拡大し、新たな市場で顧客を獲得できると考えています」と、述べています。僻地にある重機のメンテナンスタイミングの予測や位置情報確認などの用途を想定しているということです。交換部品の発注の自動化、取替時間をスケジュール設定し、重機が動かない時間を最小限に抑えます。

「現在、ニュージーランドの僻地やケニアの国立公園での野生動物の管理から、英国の建設現場での環境負荷の管理まで、さまざまな活用方法の検証を行っています」と、スパレット氏は語ります。

「人工衛星システムの改善が完了したことをうれしく思います。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、計画は遅れ気味ではありましたが、前に進むことができました。この最新のミッションは10カ月足らずで完了しました。現在、まだ打ち上げていない案件が複数あるため、近い将来、さらにIoTネットワークを人工衛星に追加できるのではないかと思います」

ラクーナスペース社では、従来のネットワークシステムが商業的に構築できず電力が不足している僻地に、IoT機器との接続を確保する上で人工衛星が重要な役割を果たすだろうと考えています。ラクーナスペース社のセンサーは、特殊な調整を行った低電力広域ネットワークプロトコル(LPWAN)を使用するもので、手のひらよりも小さく、1回の充電で数年間、衛星を介して接続することができます。

ラクーナスペース社は、英国のESAビジネスインキュベーションセンター(ESA Business Incubation Centre)でコンセプト開発を手掛け、その後、欧州宇宙機関や英国宇宙庁と低コストの人工衛星の開発に携わり、実現可能性を検証してきました。

ESAの電気通信技術・製品・システム部門の責任者であるカルロ・エリア氏は「ESAは、特にニュースペース分野(民間企業による宇宙開発ビジネス)において、欧州企業の革新的なテクノロジーを支援できることを誇りに感じています。

ESAテレコミュニケーションズ社では、ラクーナスペース社がESAビジネスインキュベータセンターでプロジェクトを始動して以来、支援を行ってきました。ラクーナスペース社はIoTサービスをサポートする小型人工衛星の能力を実証したのです」と、語ります。

「今回の一連の過程を見て、同社がますます力強く成長していく姿に感銘を受けました」

システムプラットフォームと初期構築を手掛けたのは、小規模衛星インテグレーターのナノアビオニクス社で、アンテナは同じ地域にあるオックスフォードスペースシステムから提供を受けました。

英国宇宙局でディレクターを務めるキャサリン・ミーリング・ジョーンズ氏は、「宇宙は、私たちの日常生活に欠かせないインフラの一部です。英国の宇宙関連部門では、衛星通信や5Gなどの最先端のテクノロジーを私たちの暮らしに欠かせない生活必需品やサービスに取り入れる方法を模索しています。

同地域周辺には、英国の宇宙関連部門の可能性をフルに発揮させるため、連携してプロジェクトに取り組む企業による産業クラスターが形成されています。この新進気鋭のベンチャーは、こうした支援機構によって実現したサクセスストーリーの一つだと言えるでしょう」

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