急成長するスコットランドの風力発電に熱い視線が集まる

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[Publisher] The Guardian

この記事はThe GuardianのJillian Ambroseが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

ハイウインド洋上風力発電所はスコットランド最東端に位置するピーターヘッド沖15マイルに位置し、北海油田の発見以来、イギリスで最も劇的なエネルギー革命の先陣を切る存在です。

この世界初となる浮体式風力発電所は、ノルウェーの国営石油大手エクイノール社が開発した低炭素エネルギー(再生可能エネルギー)プロジェクトの一つで、歴代の風力発電施設の中でも発電効率が高いと言われています。

「快晴の日なら、陸地からも見えるかもしれません」と、エクイノール社のスティーブン・ブル氏は風力タービンについて語ります。タービンは、老朽化が進む原油パイプラインの上に浮かんでいます。

イギリス政府は、2030年までに、世界トップレベルの浮体式風力発電を含め、全家庭に電力を供給できる程度の洋上風力タービンを建設する考えです。

ボリス・ジョンソン首相は先週、洋上風力発電をイギリスにおける今後のエネルギー構成の中心に据え、カーボンニュートラルを目指す計画を発表し、2030年までに既存の洋上風力発電量の10倍に当たる40GWにしたいと述べました。これには、浮体式風力発電による1GWも含まれています。

この「風力発電のサウジアラビア」を目指す計画は、1960年代に北海で石油掘削を開始して以来、イギリスにとって最も難易度の高い取り組みの一つと言えるでしょう。この計画を実現するには、2030年までに、毎日タービンを1基設置し、500億ポンド(約7兆円)の民間投資を行う必要があります。

しかし、業界内では実現可能だという声が圧倒的に多くあがっています。長期的に見て建設コストが低下し、収益が保証されている上、政治的な支援も増えていることから、投資家も注目しています。風力発電は、イギリス近代産業の成功例の一つとして、すでに成果を上げており、その機運は高まっています。ただし、こうした理想を現実に変えるには、政府の力が必要です。

「当社では、イギリスの浮体式洋上発電プロジェクトをもっと増やしたいと考えています」と、ブル氏は語ります。「当社では、政府の目標である1GW案に賛同していますし、政府から適切な支援があれば、2GWも問題なく実現できるはずです」

計画の一環として、巨大タービンブレードを沖合に運搬するための港の改修工事費用として、イギリス政府は1億6000万ポンド(約225億円)の投資を予定しています。港湾を改修することで、地域社会に利益をもたらすだけでなく、サプライチェーンの確立にもつながり、洋上風力発電の利益にさらなる経済効果をもたらします。

民間企業の間では、政府によるプロジェクトの入札にも注目が集まっています。このプロジェクトを獲得できれば、再生可能エネルギーによる安定的な収入を確保できるからです。前回の入札は史上最安値となっており、電気代の値上がりには影響しません。次回のオークションは2021年春に開催されます。しかし、政府の目標を実現するには、2030年までにさらに入札の回数を増やし、規模もより大きなプロジェクトにする必要があります。

次回のオークションは、2016年以来の洋上風力発電と太陽光発電を含めた大規模なプロジェクトで、この一件だけでも200億ポンド(約2兆8100億円)以上の投資を確保し、1万2000人の雇用を創出する可能性があります。

ジャスミン・アレンさん(20歳)は、ヨークシャー沖のドガーバンクでエクイノール社とともに、世界最大の洋上風力発電所を建設するSSE社のインターン生です。再生可能エネルギー産業にキャリアを見いだした若者の一人で、政府が洋上風力発電の目標を設定したことで、長期的に安定した職が保証される可能性があります。「素晴らしいと思います」と、彼女は話します。「新たな雇用が生まれ、プロジェクトのある地域が豊かになり、人々がキャリアを築くチャンスが増えるのではと思います」

入札案件のペースと規模の拡大は、製造業者やエンジニアの需要にもつながります。長期的な投資対象として信頼性を高め、仕事が増えるとともに、職が安定します。

エイシャール・バサンさん(23歳)は、世界最大手の風力タービンの建設会社、シーメンスガメサ・リニューアブル・エナジー社に入社した新人です。彼女は、スコットランドの東海岸から約9マイル沖合にあるNeart na Gaoithe(NnG)風力発電所に勤務しています。ここでは、長さ80メートルのタービンブレードが回転し、エジンバラ全体に必要な電力を供給しています。

首相が発表した洋上風力発電の計画に会社の同僚たちは賛同していたと、彼女は言います。「野心的で、ワクワクする計画です。ただ『本当に実現できたら御の字だね』のような皮肉めいた意見を言う人もいました」。

バサンさんは、イギリスの再生可能エネルギー産業で働くことを選択した若い工学系の新卒者の一人です。気候危機に対する取り組みを支援し、2050年までのイギリスの目標であるカーボンニュートラル経済の実現に役立ちたいと考えたからです。

「気候問題は現実であり、今起こっているのだということを政府に認識してもらいたいです。私たちの世代、次の世代、さらにその次の世代も、CO2排出量実質ゼロを目指して、挑戦していく必要があるのです」と、彼女は語ります。

「10年後の2030年もこの会社で、これまで学んだことを生かして、風力発電の開発をリードする立場になりたいです。これが、気候変動を止めるために私ができることだと思います。政府が約束したとおりにこの計画を実現してくれるのを願っています」。

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