再生可能エネルギー由来の電力に100%切り替えた、イギリスの大手電気通信事業者

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[Publisher] FierceTelecom

この記事はFierceTelecomのMike Robuckが執筆し、Industry Diveパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@industrydive.comにお願いいたします。

BTグループ(英国ロンドンに本社を置く大手通信事業者)は、世界各地の自社の拠点において、100%再生可能エネルギー由来の電力での運営を実現したと2020年11月に発表しました。グループ全体の合計で、英国内で最も多くの電力を調達しているという同社は、グローバルに展開する事業を各市場で可能な限り再生可能エネルギーにより運営し、それが不可能な地域においては、現地で利用できるソリューションが生まれるまで近隣地域から電力を調達する計画です。

現時点では、BT社が世界各地で調達する電力の99.9%が再生可能エネルギーによるものとなっています。残りの0.1%は、再生可能エネルギー由来の電力が提供されていない市場におけるもので、BTグループが事業を展開する85カ国のうち8カ国がこれに該当します。

BT社は、100%再生可能エネルギー由来の電力に切り替えることで、2021年3月には前年度に比べてCO2排出量を5万4,000トン削減できると予測しています。同社によるとこの削減量は、ガソリンエンジン車を1年につき約2万1,000台減らすことに相当するといいます。

低炭素事業モデルへの移行の一環としてBT社は、2045年までにゼロエミッションを達成すると宣言し、COP21(第21回国連気候変動枠組条約締約国会議)で採択されたパリ協定に沿った目標を設定しました。2016年頃以来、BT社は自社の事業におけるCO2排出原単位を42%削減したほか、同じ期間に、サプライチェーンにおけるCO2排出量を8%削減しています。

さらにこの方針のもと、同国内で2番目に多くの自動車を保有するBTグループのブロードバンド回線事業を担うオープンリーチ社では、2025年までにガソリンエンジン車の3分の1を電気自動車に切り替えるとしています。

6月には、BTグループとオープンリーチ社は非営利組織クライメイト・グループと共同で「UK Electric Fleets Coalition」を創設しました。27社が参画するこの団体は、2030年までに電気自動車の売上比率100%を目指し、その支援を政府に要請しています。具体的には、電気自動車や充電スポットを対象とする補助金の付与期間を少なくとも2023年まで延長し、同国内における公共充電スポットの設置の加速を求めています。

通信業界では、ここ数年の間に、再生可能エネルギーをはじめとする環境にやさしい取り組みが進められてきました。昨年グリーンボンドを発行したスペインの通信大手テレフォニカは6月、当初2050年を予定していた四つの主要市場でのゼロエミッション達成の目標年を2030年に早めると発表しました。

9月にはグーグルが、通信業界の中でもとりわけ野心的な環境目標を発表しました。2030年までに、自社が使うすべての電力をゼロカーボンのエネルギー源で賄うという目標を掲げています。

2019年のアースデイ(地球の日:4月22日)には、米通信大手ベライゾンが、自社が所有または管理するすべてのCO2排出源と、自社の調達先のすべてのCO2排出源において、2035年までにカーボンニュートラルを達成すると宣言しました。また同社は2024年までに、自社の1年あたりの総電力消費量の50%相当を再生可能エネルギーから調達する、あるいは再生可能エネルギーを自社で発電することを目指しています。

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