一歩を踏み出せ!IoTのビジネスチャンスはすぐそこにある

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[Publisher] e27

この記事はe27のEvan Cummackが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたします。

IoTアプリケーションの可能性は無限

今やモノのインターネット(IoT)はかかせません。「アレクサ、ライトを消して」には、もはや説明の余地がありません。今が未来になったような、不思議な感覚です。スマートホーム化は今やピークを迎えており、室温調節や電子レンジのコントロールなど、Apple、Google、Amazon、Samsungは「家庭のオペレーティングシステム(OS)」となるべく競い合っています。

これは当然とも言えます。スマートホームのビジネスチャンスは無限にあるからです。重要なのは、いわば横並びの状態をいち早く脱して「勝者総取り」のグローバルプラットフォームになれるかどうかにかかっています。アレクサなどのスマートスピーカーにとって、アパートの調光と大豪邸の調光は本質的に変わりません。これだけの大量の消費者データは宝の山のようなもので、ハイテク関連の巨大企業が躍起になるのも無理はありません。

しかし、家庭用以外でもIoTは著しい進化を遂げており、個人的にはこちらの方が興味深いと思っています。LPWA(Low-Power Wide Area)無線ネットワークが進化したことでコネクテッド製品を作る開発者の制約がなくなり、都市や工場、あるいは農場で、無限に近いIoTの活用が行われています。

現在、世界は「人力」で物理的な問題を解決しています。ゴミは週に一度回収され、タイヤは8万kmごとに交換され、電車は各駅に停車されます。半分しか入ってないゴミを回収するのに、どれだけの時間と労力が費やされているのでしょう?実際の状態を無駄に何度もチェックするよりも、定期的なメンテナンスの方が費用がかかりませんが、適切な時期に交換されない製品があってはいけません。

世界中に普及した安価なインターネットは、物理的な世界から常時データを提供してくれます。わずか数百円あれば、5G mMTC(大量端末通信テクノロジー)規格の一部であるNB-IoTなどのテクノロジーで、耐用年数の間、あらゆる「モノ」をインターネットに繋がる状態である「コネクテッド化」にすることができます。

これは、IoT製品開発者にとって、最高のビジネスチャンスと言えます。少数の巨大ハイテク企業が技術や製品を独占するには、範囲が多彩で広すぎることは明らかです。新たなビジネスチャンスが広がっています。従来の携帯電話ベースのIoTプラットフォームで解決できなかった問題を、Uber、Spotifyなどのスマートフォンをベースとする企業が解決していくでしょう。

オーストラリアでは、PwCが先日発表した報告書によると、評価対象となった五つの産業(建設、製造、医療、鉱業、農林水産業)などオーストラリアの国内総生産(GDP)の25%を占める産業において、IoTは年間3000億ドル(約32兆円)の利益を生む可能性があると試算されています。

あらゆる「モノ」、つまりバリューチェーンのあらゆる機器を安価なインターネットを使い「いつでも、どこでも」測定し、改善できることを考えると、この目論見は少なすぎるのではないでしょうか。

なぜ、近年注目されていて、いったい何が変わったのか。技術の進歩は、一つ一つの技術や製品から大きく変わる傾向が強く、この考え方はIoTにおいても例外ではありません。そのためこの10年間、モバイル業界には多大な資金が集まってきました。

スマートフォンユーザーが20億人以上存在するということは、いつでもどこでも欲しい情報を手に入れることができることを示しています。この状態を実現するため、モバイルネットワーク事業者はネットワーク密度、通信範囲、パフォーマンスの向上に投資を行ってきましたが、これはIoTにとってもメリットをもたらしています。

スマートフォンが大量生産されることで、LTEモデム、加速度計、リチウム電池、GPSモジュールなどのコストが下がっているのです。モバイルユーザー利用者数の多さ、通信ネットワークの継続的な強化、優れた低価格のコンポーネントが揃っているのです。

Limeのような企業は、ここから生まれました。シリコンバレーのエンジニア数人が集まり創業したこの企業は、100以上の都市に電動スクーターを設置し、毎日数百万人のユーザーが利用しています。数年前までは想像もできなかったサービスが実現しているのです。

とは言うものの、IoTハードウエア開発はアプリケーションに比べ難易度が上がります。試作段階から量産までの流れはかつてないほど低価格化が進んでいますが、さらにその前の実験段階では依然としてコストがかかります。また、製造コストが低価格化しているとは言え、まだまだ口コミや人脈などの内部情報が必要であり、自力で切り拓こうとするのは難しいのが実情です。

世界的なインターネットへの接続を可能にする各機器や技術については細分化されたままで、旧世代のシステムや仕様を国際的に運用するのは極めて困難でしょう。これまでのネットワーク事業者は、帯域免許制度という背景があり、地理的に分断されてきました。

これは、ネットワーク回線の調達にも影響を及ぼし、一つのIoTに関するアイデアを実現するには何十件もの契約が必要になります。それぞれの契約には、一般的には基本料金が設定されています。世界中のユーザーがアクセスできるAppleのApp StoreやMicrosoft Azureを利用したグローバルなクラウドサービスの手軽さとは比較になりません。

インターネットやモバイル機器と同じく、IoTにも「地域限定アプリケーション」というものは存在しません。通信業界はこの現実を受け入れる必要があるのです。

IoT開発者よ、チャンスをつかめ!

PC、ウェブ、モバイルなどといった技術革新の波に乗り遅れたと後悔しているのなら、今が絶好のチャンスです。「インターネットのタクシー予約だって?そんなのいくらだって思い付いたのに!」そんなアイデア豊富な方にとっては、今がチャンスです。現実世界の「非効率な」部分を見極め、プログラミングに慣れましょう。 スマートトースターはビジネスにならないかもしれませんが、IoTの本当のビジネスチャンスはあなたの一歩から始まるのです。

※オリックス株式会社は、ソニーオリジナルの無線通信規格ELTRESTM新しいウィンドウで開きます。を用いた、IoTネットワークサービスをご提供しています。ELTRESTMIoTネットワークサービスは、「長距離安定通信」「高速移動体通信」「低消費電力」の特徴を生かし、さまざまなセンサーで取得した情報を広範囲に効率よく収集できます。インフラ監視(例:LPガスメーター情報の取得)、車両位置管理(例:バストラッキング)、見守り(例:登山者の遭難対策)などさまざまな分野での活用が検討されています。オリックスの幅広い法人顧客向けに、さまざまな分野におけるLPWAの利活用を促進し、IoT分野における多様なニーズに柔軟に対応します。

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