自動車が運転データから安全運転を支援する

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[Publisher] VentureBeat

この記事はVentureBeatのPaul Sawersが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたします。

BlackBerryはCylance(アメリカのウイルス対策プログラム開発会社)のAIを使った自動車用の新しいサイバーセキュリティー技術を発表しました。これにより、自動車メーカーや車両管理者は、自動的にドライバーを認識して、ドライバーに合わせた通知や連絡を行えるようになります。それだけでなく、機能やセキュリティーを向上させる修正プログラムを自動ダウンロードさせることもできます。

これは、BlackBerryの最高技術責任者(CTO)であるチャールズ・イーガン氏が統括するR&Dラボで開発された製品で、ラスベガスのCES 2020で披露されました。

「当社以上にセキュリティーを知り尽くした企業はありません。交通機関や輸送手段に特化した開発体制を整えており、コネクテッドカーのセキュリティー・信頼性・安全性を強化し、ドライバー・乗客・歩行者が、より安心できる環境を実現します」と、イーガン氏は話します。

Cylanceは、ネットワークの脆弱(ぜいじゃく)性を検査し、高度な脅威を予防する保護プラットフォーム(EPP)を提供しています。BlackBerryは2019年、14億ドル(約1,530億円)を投じてCylanceを買収し、Cylanceの機械学習知能をBlackBerryの既存の製品ラインアップに段階的に統合していく計画を打ち出しています。

買収が成立してから約1年となる2020年にBlackBerryはCylanceを企業向けモバイル端末保護の管理(UEM)プラットフォームにその技術を応用させました。また、Spark Internet of Things(IoT)プラットフォームを含む他のBlackBerry製品への展開も計画しています。今回の発表は、BlackBerryのコネクテッドカー向けオペレーティングシステム(OS)であるQNXに関するものになります。

BlackBerryの車載事業

BlackBerryは携帯電話メーカーから企業向けソフトウエアプロバイダーに事業領域を転向しています。現在では自動車業界を主要なターゲット市場とし、新しいナビゲーションシステムや高度な運転支援システム(ADAS)を網羅しています。現在、QNXは1億5000万台以上の車両に搭載されています。

このOSは、AI機能自体の提供はしていませんでした。QNXはBlackBerryと Cylanceの新たな統合により、ナビゲーションシステムにおける「悪意ある高度な脅威」を予測・検出すると同時に、大きな問題につながる前に、ソフトウエアの脆弱(ぜいじゃく)性を検知できるようになります。また、必要に応じて数百万台の車両に自動的に無線通信を経由してデータを送受信し、ソフトウエアの更新を行うことも可能です。

さらに、2019年3月に発売されたCylancePersonaを活用し、過去の運転履歴データと比較することで、リアルタイムでドライバーを特定できるという新サービスも計画しています。この技術はハンドル操作、ブレーキ操作、加速などの運転操作の特徴データからドライバーを判断します。CylancePersonaは、複数のドライバーが共有する車両で、ドライバーの運転スタイルに合わせた安全運転を促すメッセージを配信できます。

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BlackBerryとCylanceが自動車のドライバー認証を実施

さらに、BlackBerryでは、この運転データの新たな用途として、商用車のドライバーの疲労を検出し、管理センターのオペレーターがドライバーに連絡して、休憩が必要かどうかを確認するシステムも想定しています。

BlackBerryは、CES 2020でこの統合を発表しましたが、一般公開にはいたっていません。同社は、VentureBeatに「現在、当社は、自動車メーカーや車両管理者と共同で、プラットフォームの試験運用を行っています。新しいアプリケーションを開発することで、輸送業界の問題を解決したいと考えています」と話します。

特筆すべきことは、BlackBerryが、この製品を一つの管理用端末からすべての車両の状態を一元的に確認できるシステムとして、売り出そうとしていることです。自動車メーカーは自社のニーズに合わせて、AI/機械学習モデルを組み込み新たな用途を開発することも可能となります。 「平均的な新車には、1億を超えるコードの他、メーカー史上最も複雑なソフトウエアが搭載されており、車両のライフサイクル全体で、安全性とセキュリティーの状況を総合的に把握する必要があるのです」と、イーガン氏は付け加えます。

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