[Publisher] VentureBeat
この記事はVentureBeatのDean Takahashiが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたします。
Formlabs(アメリカの3Dプリント技術の開発・製造業社)では、歯科医が義歯などの歯科補綴(ほてつ)物を3Dプリンターで作製できるようにするため、歯科事業部門を新たに設立しました。
Formlabs Dentalは、歯科補綴物の作製を担当する歯科技工室や歯科医との対話を強化し、3Dプリント技術を通じてデジタル歯科技術を歯科業界に普及させる取り組みを続けています。
米国調査会社Key Groupが実施した調査では、Formlabsの3Dプリンターは米国の歯科技工室で最多の設置台数を誇っています。また、同社内には最新鋭の3Dプリント技術を提供する歯科専門家チームを設置しています。
新製品となる「Form 3Bプリンター」とそのプラットフォームでは、次世代のデンタル材料、専属のサービスチーム、ワークフローを合理化するソフトウエアを提供する予定です。
患者が診察室で待っている間に義歯が完成するのかについては、同社担当者は「当日中にプリントできるようにはなりませんが、現在の義歯制作工程よりも大幅に納期が短縮することは確かです。これまでにない短期間で新しい歯を入れられるようになるはずです」と答えてくれました。
「一世代前の機種であるForm 2が発売されてから、歯科業界における3Dプリンターの普及率は一気に向上しました」と、歯科業界の中でも特に矯正歯科に力を入れていることで知られる歯科医、ジェイ・バートン氏に説明いただきました。「Formlabsは歯科医が3Dプリンターを導入しやすくし、歯科業界にデジタルトランスフォーメーションを起こしています。新製品Form 3Bは、3Dプリンターの普及率をさらに高め、歯科医が自信を持って使用することができるようになるはずです。高い精度を誇るForm 3Bを使うことで、正確な歯科パーツを作製し続けることができます。」
Formlabsでは、50人以上の材料研究者と3Dプリント技術エンジニアを擁し、高品質な技術開発を支えています。Form 3Bプリンターでは、自社開発の生体適合性サージカルガイド樹脂を含め、七つの歯科材料の制作が可能になります。
また、Formlabsでは、義歯の素材として四つの新しいカラーを加えました。従来の3Dプリンターの改善や新しい素材の導入についても継続して取り組んでいます。このプリンター1台あれば、対応できる用途を大幅に増やすだけでなく、素材となる樹脂を連続的に切り替え使用することができます。
品質と精度を確認するため、同社では歯科の専門家チームが検証を続けています。3Dプリンターでは、歯冠やブリッジ、矯正器具(アライナー)や保定装置、診断用模型、サージカルガイド、咬合(こうごう)床副子、鋳造やプレスのパターン、義歯など、さまざまな材料や器具を制作できます。
また、同部門では、歯科医が自身で作製するためのセルフサービス技術の開発や専門的な研修を行うためのチームを編成しています。
「患者が歯科医に求めるのは、時間がかからない自分に合った技術です」と、Formlabsの共同設立者であり最高経営責任者(CEO)のマックス・ロボフスキー氏は話します。「新しいForm 3B プリンターは、作製プロセスのデジタル化、合理化、ワークフローの時間短縮を目指して開発しています。歯科医や歯科技工士は患者の求めるものを作ることに集中できます。これまでの製品を使ってプリントされた歯科パーツは1300万個にのぼり、すでに数十万人もの患者の健康なデンタルライフを実現してきました。今回のForm 3Bの発表により、すべての歯科医が患者の望む治療を提供できるよう、その数と範囲をさらに広げていきたいと考えています」。