[Publisher] Food & Wine
この記事はFood & WineのOset Baburが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたします。
米国南部に位置するテネシー州ナッシュビルには数えきれないほどの魅力があります。
例えば、女性が独身最後の日を楽しむバチェロレッテパーティーや、カントリー音楽の公開ライブなど。気分転換に、ジャーマンタウン、あるいはナッシュビルの繁華街で、アンディ・ムンマ氏のカフェに立ち寄ってみるのもいいですね。
ムンマ氏は、自分が考える理想のコーヒーを追求したいという思いに駆られて、2011年、だだっ広い自動車修理工場の跡地に「バリスタ・パーラー」第1号店をオープンしました。むき出しのレンガの壁、化学の実験器具を思わせるCHEMEX(ケメックス)のコーヒーメーカー、いかりやレーシングカー、バイクのビンテージプリントをあしらったインテリア。バリスタ・パーラーは、流行の最先端のカフェというよりも、歴史ある建物が持つ個性を強調することに重きが置かれています。このカフェをオープンしてから、質の高いブラックコーヒーを求めて店まで足を運んでくれる人がいることが何よりも励みになるとムンマ氏は話します。
利用者に満足してもらう一方で、バリスタ・パーラーも新たなステージへと進みます。2018年、ムンマ氏は地域の歴史あるホテル「ノエル・ホテル」に新しいコンセプトカフェをオープンさせました。
そのホテルがオープンした1930年当初、理容室、サロン、ダイナー、薬局、そしてコーヒーショップなど、商店街のように多くの小売店がテナントとして入っていました。「ドラッグ・ストア・コーヒー」と名付けられたムンマ氏の新しいコンセプトカフェは、この場所の歴史を残しつつ、モダンな感覚を取り入れています。
「飲み物を飲む時、人は味覚だけでなく、五感のすべてを使います。だから、五感のすべてを刺激してくれる場所に来ると、また行きたい、またあの感覚を味わいたいと思うのです。ここに来たことで、良い気分で1日を過ごしてもらえるとうれしいですね」と、話します。「3000~4000平方フィート(278m2~371m2)の広々した空間を作ることができましたが、これは不動産価値の高い都市なら無理だったでしょう」。
ドラッグ・ストア・コーヒーを開店するにあたり、ムンマ氏は、地元のデザイン・建築事務所とチームを組みました。「私は古い建物が大好きで、バリスタ・パーラーは施設の再利用プロジェクトです」と、ムンマ氏は言います。「繁華街のビルにもホテルにも行ったことがなかったのですが、著名な建築家や地元の友人が参加してくれて、これが自分の求めていたプロジェクトだ、と感じました」。
ムンマ氏の理念である再利用施設と質の高いコーヒーの味を英国バーミンガムなどの都市にも展開したいと、ドライデン氏は話します。「個人的に、建物の歴史に新たなページを加え、歴史を紡いでいくことに関心があります。私たちは別に保護主義者ではありませんが、それぞれにユニークな歴史を持ち、急ピッチで成長している都市では、都市の基盤や歴史を忘れ、前に進んでしまいがちです。しかし、こうした古い建物や歴史を忘れずに会話に盛り込むことで、新たな文化が生まれると思うのです」。