「牛」の力でトラックが動く?

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[Publisher] The Guardian

この記事はThe Guardian のJillian Ambroseが執筆し、NewsCred パブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたします。

2021年以降、英国の百貨店ジョン・ルイスの何百台もの輸送トラックが、「牛」の力で動くようになります。ディーゼル燃料を廃止し、カーボンニュートラル(CO2排出量が実質ゼロになること)な牛のふん尿を活用した燃料に切り替えるためです。

ジョン・ルイスとその系列スーパーであるウェイトローズの輸送トラック約300台に導入されるのは、ふん尿が混合したスラリー状(液体中に鉱物や汚泥などが混ざっている混合物のこと)の排せつ物から作られるメタン発酵バイオガスと呼ばれる再生可能エネルギーです。同社の燃料サプライヤーはこれまで、傷んだ野菜を燃料として活用していましたが、追加コストなしで「ふんの力」に切り替える計画を新たに導入し、それをもとにジョン・ルイスでも実施されることになりました。

現在ジョン・ルイスは、80台のトラックを対象に食料廃棄物から生成されたメタン発酵バイオガスを燃料として活用していますが、燃料切り替えが完了する18カ月の間に、メタン発酵バイオガスで走る環境に優しいトラックの台数を最大200台増やす計画を立てています。

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また同社の燃料サプライヤーであるCNG Fuelsは、仏エルメスの200台強の宅配トラックのほか、米スーパーマーケットチェーンウォルマート傘下の英国小売り大手アズダや同じく英国の小売り大手であるアルゴスの輸送トラックにも、ふん尿を活用したバイオ燃料を用いる計画だと述べています。

CNGの広報担当者は、「燃料の生成には、主に牛のふん尿を用いるものの、人間の排せつ物も一部含まれることになるかもしれない」と発言しています。

大型車両への給油を専門とするCNGによると、食料廃棄物由来のメタン発酵バイオガスを用いることで、ディーゼル燃料使用時と比べて輸送トラックのCO2排出量を85%削減できるそうです。

一方、ふん尿由来のバイオ燃料は大気中へのメタン放出を阻止する働きを持つため、欧州連合(EU)法のもとではカーボンニュートラルであるとされています。温室効果ガスの一種であるメタンは、CO2の28倍もの温室効果を持ちます。

さらにCNGは、低炭素な水素の補給や強力なバッテリー充電も行えるように、大型車両用給油ステーションのネットワークを刷新できないか検討しているところです。

CNG Fuelsの最高経営責任者(CEO)であるフィリップ・フィエルド氏は、「ふん尿由来の再生可能なメタン発酵バイオガスは、重量物運搬車向けの低炭素ソリューションとして最適なものです。ただ、貨物輸送向けに商用利用できる技術が新たに開発された時には、その技術をお客さまのために活用できるように、体制を整えておきたいと考えています」

英国では、重量物運搬車によるCO2排出量が全体の4.2%を占めます。そのため、同セクターのCO2排出量を削減することは、「2050年までにネットゼロ(年間の1次エネルギーの収支をゼロにすること)を実現する」という英国の目標を達成するために必要不可欠です。

ジョン・ルイスは、2028年までに同社のすべての大型輸送トラックにメタン発酵バイオガスを用いるという計画を2018年に発表しました。この全面的な変更のもと、ウェイトローズ&パートナーズとジョン・ルイス&パートナーズは、再生可能なメタン発酵バイオガスで走る最新式の輸送トラックを計500台以上導入します。

新たな燃料への切り替えが完了すれば、年間4万9000トンを超えるCO2排出量が削減されます。これは、英国内の6000世帯余りのCO2排出量に相当する量です。

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