プライベートは隠さない 経営者が手本に

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[Publisher] Working Mother

この記事はWorking MotherのMaricar Santosが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたします。

ある人物がLinkedIn(ビジネス特化型のSNS)に投稿した文章。そこでは、経営者にとって、家族としてのかかわりを自ら示すことがいかに大切か語られていました。

フレックス制や在宅勤務の導入など、従業員の家族に目を向けた取り組みは、企業にとって、良いアピールの材料となります。しかし、真面目に仕事をしていないと誤解されたくないと感じ、従業員自身がそうした制度の利用をためらってしまったら、せっかくの制度も意味がありません。

LinkedInの投稿で提言されたのは、ワークライフバランスを推進する企業文化を本当に形成したいなら、トップに立つ経営者がまず見本を示すべきだということでした。

TSLグループというIT企業の最高経営責任者(CEO)であり父でもある、トリニダード・トバゴ(カリブ海)在住のスチュアート・フランコ氏は、LinkedInで人々に対し、家族との約束が仕事と重なったときには、それを包み隠さず社員に言うと伝えました。

ある日、フランコ氏は3人の息子が出るサッカーの試合を見るため、午後3時半に職場を出る必要がありました。フランコ氏は秘書には自分は早退すると伝え、従業員が何か用事がある際は、早退した旨を伝えてほしいとも伝えました。何か家族の事情を職場に持ち込むとき、働いている母親や父親は「うそをつかなければいけない」と感じることが多い中、フランコ氏は仕事に対応できない理由についてうそをつかず、息子たちと一緒に過ごしたいということを正直に示したのです。

「私はCEOであるだけでなく、父親でもあります。また人間でもある。それを社員の皆さんにも知ってほしいと思っています。彼らも同じだと思います」とフランコ氏は語ります。「裏表のない文化を醸成したいんです。自分や家族にとって大切なことをするための時間が少し必要なだけなのに、何か話をでっち上げなければいけないと感じる人が多すぎます」

フランコ氏はさらに、「企業文化の醸成は、CEOである私から始まります。私生活のことを隠さなければならないとか、謝らなければならないとか、そういう風に社員に感じてほしくないんです」と語りました。

フランコ氏は、同じくCEOで父親でもあるダニエル・エイブラハムス氏に影響を受けたとして、LinkedInの投稿を締めくくりました。エイブラハムス氏は、プライベートな予定を、包み隠さず社員に共有するためのさまざまな方法をLinkedInに投稿し、注目を集めたことがあります。

フランコ氏の潔い投稿には、称賛のコメントが数多く寄せられました。

あるコメントでは、「経営者レベルで透明性を推進しているそうですが、こうした取り組みは珍しいですよね。プライベートな事情を持ち出さなければいけないとき、従業員は居心地の悪い思いをします。『後ろめたい』と言うべきかもしれません。仕事への責任感を損なうことなく、プライベートで何か対応しなければいけないときに、それにも対応できるような自由がある文化を形成するのは、あまり前例がありませんが必要なことです」と記載されていました。

また、私生活での自分の責任について経営者が包み隠さず話すことは、特に母親にとってありがたいと指摘するコメントもありました。自分の部下は子育てをしながら働いているというユーザーからは、誕生日会や学校のイベントなど、子どもと過ごす必要がある社員に対しては必ず早退を許可しているとコメントがありました。「女性が選択に迫られ、昇進できないというケースがあまりにも多いです。企業はそうやって、生産的で知的な女性社員を失うのです。私の部下の女性たちには、どちらか一方を選ぶのではなく、両立することも可能なんだと伝えたいと思っています。良い企業を作るということではなく、良い社会を作るということなんです。これができているとは、素晴らしいですね。経営にたけたリーダーは、親として子どものそばにいることができないということはないのです」

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