低金利時代のライフプラン 今から始める資産形成

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[Publisher] All Things Finance

この記事はAll Things FinanceのBrian Leskoが執筆し、NewsCredパブリッシャーネットワークを通じてライセンスされたものです。ライセンスに関するお問い合わせはlegal@newscred.comにお願いいたします。

近年、低金利に拍車がかかっていますが、低金利は私たちの老後に影響があるのでしょうか。結論は「影響する」という回答になります。経済に影響を及ぼす要因は複数あり、長期的に見ると、低金利もその中の一つです。それは各個人の老後にも影響が出る恐れがあります。

老後の収入

低金利による短期的な影響としてすぐに思い浮かぶのは、譲渡性預金(他人への譲渡が可能な定期預金。略:CD)や預金口座の利子が減るということです。老後の収入源として利子を当てにできたのは、せいぜい2006年までの話。すでに状況は変わってしまいました。

2006年の米国における平均的な金利は、CDでは5.5%前後、預金口座やマネーマーケット口座(米国における口座タイプの一つ。ローリスクの短期金融商品で運用される)では5%を超えていました。この金利なら、預金が多ければ多いほど、利子も増えていきます。100万ドル(約1億900万円)に対して入ってくる利子は、年間5万ドル(約545万円)以上。おまけに、これらの投資ビークル(銀行やファンドから出資を募り投資を行う企業)のデフォルトリスク(元利の支払いが不能になる危険性)はほぼゼロです。ほとんどリスクなしで運用することが可能だったのです。

現在はどうでしょうか。この記事を執筆している2019年末現在の米国の平均金利は、CDでは2%程度、預金口座やマネーマーケット口座では1.75%程度となっています。これでは、同じ100万ドルの投資でも、もらえる利子は年間2万ドル(約218万円)以下にしかなりません。こうした保守的なアプローチを採っていると、インフレが進むにつれ、少しずつ資産が目減りしていってしまいます。

こうした状況を打破する方法の一つは、老後に向けて貯蓄を殖やすことです。言葉にするのは簡単ですが、投資に使えるお金を増やせば増やすほど、収入も増えます。あるいは資産を分散させて、今よりもリスクを取って殖やしていくことや、別の投資先にお金を回すことも一つの手段です。一般的によく選ばれる投資先として、配当金の出る株、債券、不動産などがあります。

低金利が株や債券にもたらす影響

低金利時代には、株価が上がりやすくなります。理由はいたって単純です。金利が低ければ、CDや預金口座といった保守的な投資先の魅力が落ちます。すると株や債券にお金が流れるようになり、結果として株価が上がりやすくなるのです。これは低金利が株価にもたらす短期的な影響です。投資をしてきた人は、ここ数年はその恩恵を受けていたことでしょう。ただし、老後に向けた貯蓄計画というのは何十年もかかるプロセスです。

低金利が良くないとされる理由は何でしょうか。金利が低いと、株価が上がる傾向にありますが、同時に株価収益率(PER)も上昇してしまうのです。PERが高ければ、企業が将来生み出す利益に対して株価が割高であるといえます。歴史的に見て、PERが高ければ、長期的には株価は調整されます。老後について考える時には、この「長期的」というのがポイントです。長期的な視点で見ると、低金利の影響も見えてくるはずです。

金利がなかなか上がらず、投資から得られる収入が少ないとしても、できることはあります。貯蓄に回すお金を増やすこと、定年を延ばすことです。

ここで、少し具体的に計算してみましょう。仮に、老後の貯蓄が100万ドル(約1億900万円)あるとします。

  • 7%のリターンが出るように株や債券に貯蓄を回した場合、年間7万ドル(約763万円)の収入が生まれます。
  • 収益率が下がり、リターンが5%に落ち込んだとします。すると、得られる収入は年間5万ドル(約545万円)になります。

消えた2万ドル(約218万円)分を埋め合わせるには、およそ141万8000ドル(約1億5460万円)まで貯蓄を殖やさなければなりません。

下がった2%分のリターンを埋め合わせるために足さなければならない41万8000ドル(約4557万円)というのは、貯蓄としてかなりの額です。これで、低金利が老後のプランニングにどれだけ悪影響をもたらすかイメージできたかと思います。

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老後のプランを立てる

インフレは、投資に回した資金の価値を下げていきます。万が一銀行が破綻した場合に預金が保護される米国連邦預金保険公社(FDIC)の補償対象となっている口座やCDの金利は、すずめの涙ほどしかありません。株や債券に投資しても、収益率が下がるかもしれません。老後のプランを立てようとする人にとって、なんとも暗い話です。簡単な答えはありません。ただ、計画を早く立て始めることが今できる最良の策です。

収益率をいろいろと変えながら、老後のためにどれだけ貯蓄が必要か計算してみましょう。家計シミュレーションツールに数字を打ち込んでみるのも良いですし、ファイナンシャルプランナーに相談してみるのも良いです。

低金利時代を生き抜くためにできる最良のことは、できるだけ早く貯蓄を始めることです。まだまだ働けるという若いうちではなく退職間近になってから貯蓄を始めようとしても、時間によって生まれた差は埋められず、大変な思いをすることになります。

前半に書いたように、株や債券といった従来の市場とは別の投資先を検討するのも手段の一つです。

あるいは、健康なうちに働くことや、仕事を増やすことも、一つです。

先を見据えながらしっかりと計画を立てておけば、低金利時代も乗り越えられます。そのためには、自制心を持つこと、先を見て行動すること、できるだけ早く始めることが必要です。今取る行動が、将来何十年も続く老後の生活を左右するのです。

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